電圧計(ボルトメーター)を使って電圧を測定する際、電圧計自身の内部抵抗が測定精度に影響することをご存知でしょうか。
「電圧計の内部抵抗ってどのくらいあるの?」「なぜ内部抵抗が高い方がいいの?」という疑問を持つ方に向けて、本記事では電圧計の内部抵抗の典型的な値・なぜ高抵抗である必要があるか・測定精度への影響・負荷効果の計算まで、わかりやすく解説します。
電圧計の内部抵抗の典型値(結論)
それではまず、電圧計の内部抵抗の典型的な値について解説していきます。
アナログ電圧計の内部抵抗は測定レンジによって異なり、数kΩ〜数百kΩ程度が典型的な値です。デジタルマルチメータ(DMM)の電圧測定モードでは一般的に10MΩ(1000万Ω)程度の入力インピーダンスを持ちます。
電圧計の内部抵抗が高い理由:電圧計は測定対象回路に並列に接続されます。内部抵抗が低いと回路から大きな電流が流れ込んで回路の電圧を変化させてしまいます(負荷効果)。内部抵抗が高いほど回路への影響が小さく、正確な電圧が測定できます。
電圧計の内部抵抗が高い理由(負荷効果)
電圧計が測定対象に並列接続されると、電圧計の内部抵抗が外部回路と並列に働き、その点の電圧を変化させます(負荷効果)。
【負荷効果の計算例】
回路:R1=1MΩ、R2=1MΩの分圧回路(電源10V)
本来のR2両端電圧:10V × 1M/(1M+1M) = 5.0V
電圧計(内部抵抗Rm=10MΩ)接続時のR2並列合成:
R_parallel = 1M×10M/(1M+10M) = 10/11M ≈ 0.909MΩ
測定電圧:10V × 0.909M/(1M+0.909M) ≈ 4.76V(本来5.0Vから誤差4.8%)
電圧計がRm=100MΩなら誤差は約0.5%に低減されます。
高インピーダンス回路ほど電圧計の内部抵抗の影響を受けやすいため、精密測定では入力インピーダンスが1GΩ以上の電圧計・オシロスコーププローブが使われることがあります。
デジタルマルチメータの内部抵抗の特性
現代のデジタルマルチメータ(DMM)の電圧測定入力インピーダンスは多くの製品で10MΩに標準化されています。
10MΩという値は、一般的な電子回路(数kΩ〜数百kΩ程度の信号源インピーダンス)に対しては十分高く、測定誤差を0.1%以下に抑えられます。
ただし、1MΩ以上の高インピーダンス回路(FETゲート・オペアンプの非反転入力など)の測定には、特に注意が必要です。
まとめ
本記事では、電圧計の内部抵抗の典型値・高抵抗が必要な理由・負荷効果の計算・DMM特性まで解説しました。
電圧計の内部抵抗は高いほど測定誤差(負荷効果)が小さくなるという原則を覚えておくことが、正確な電圧測定の鍵です。
本記事が電圧計の内部抵抗への理解を深める一助となれば幸いです。