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サーマルリレーの配線方法は?

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制御盤の設計や設備のメンテナンスを行う際に、必ず理解しておかなければならない作業の一つがサーマルリレーの配線です。

サーマルリレーはモーターの過負荷保護に欠かせない機器ですが、配線を誤ると保護が正常に機能しないばかりか、設備の誤動作や安全上のリスクにもつながります。

「サーマルリレーの配線方法がよくわからない」「端子の意味を正確に把握したい」というお声は、電気工事初心者の方を中心に多く寄せられています。

本記事では、サーマルリレーの配線方法について、主回路側・制御回路側のそれぞれの接続方法から、実際の配線手順、注意すべきポイントまでわかりやすく解説していきます。

これから配線作業を行う方も、復習として確認したい方も、ぜひ参考にしてください。

サーマルリレーの配線方法は主回路への直列接続と制御回路へのb接点接続が基本

それではまず、サーマルリレーの配線方法における基本的な構成について解説していきます。

サーマルリレーの配線方法は?という疑問への結論として、主回路(動力回路)へはヒーター部を直列に接続し、制御回路へはb接点を直列に組み込むという2つの配線が基本となります。

主回路側ではモーターへ流れる電流をサーマルリレーのヒーター部が検出し、過電流が発生した際にトリップ動作を起こします。

制御回路側ではサーマルリレーのb接点が電磁接触器のコイル回路に直列に接続されており、トリップ時にコイルへの通電が遮断されてモーターが停止します。

この2系統の配線を正しく行うことが、サーマルリレーの保護機能を確実に発揮させるための必須条件です。

サーマルリレーの配線の2大ポイント

① 主回路:サーマルリレーのヒーター端子を電磁接触器の二次側とモーターの間に直列接続する

② 制御回路:サーマルリレーのb接点(95・96端子など)を電磁接触器のコイル回路に直列に接続する

この2点を確実に行うことで、過電流発生時に電磁接触器が開放してモーターを保護する回路が完成します。

主回路側の配線方法と端子の確認

サーマルリレーの主回路側(ヒーター部)の端子は、製品によって「1/L1・3/L2・5/L3」(入力側)と「2/T1・4/T2・6/T3」(出力側)のように表記されていることが多いです。

入力側(L側)には電磁接触器の二次側端子からの配線を接続し、出力側(T側)にはモーター端子への配線を接続します。

三相モーターの場合は3本すべての相をサーマルリレーに通すことが基本であり、1相だけ通すのは欠相保護が機能しなくなるため絶対に避けましょう。

端子の締め付けには適切なトルクが必要で、締め過ぎると端子ネジが破損し、緩いと接触不良や発熱の原因になります。

各メーカーの取扱説明書には推奨締め付けトルクが記載されているため、必ず参照してください。

また、配線に使用する電線のサイズ(断面積)も端子の許容範囲内に収まるものを選定する必要があります。

制御回路側の配線方法と接点端子の確認

制御回路側では、サーマルリレーの接点端子を使用して電磁接触器のコイル回路を制御します。

一般的なサーマルリレーには以下の接点端子が設けられています。

端子番号(一般例) 接点の種類 平常時の状態 使用用途
95・96 b接点(NC接点) 閉(通電) 電磁接触器コイル回路の遮断
97・98 a接点(NO接点) 開(非通電) 警報ランプ・ブザーの点灯

b接点(95・96端子)を電磁接触器のコイル回路に直列に接続することで、トリップ時にコイルへの電流が遮断され、主接点が開いてモーターへの電力供給が止まります。

b接点の接続を忘れると、トリップが発生しても電磁接触器が開放されずモーターが保護されないという致命的なミスにつながりますので、必ず配線を確認しましょう。

a接点(97・98端子)は任意で使用し、トリップ発生時に警報ランプやブザーを動作させる回路に活用します。

配線前に準備すべき工具と確認事項

配線作業を始める前に、必要な工具と確認事項を整理しておくことが安全・確実な作業の基本です。

必要な工具としては、ドライバー(プラス・マイナス)・電工ペンチ・ワイヤーストリッパー・クランプメーター・検電器などが基本セットとなります。

作業前には必ず電源を遮断し、検電器で無電圧を確認してから作業を開始することが安全の大前提です。

配線前に回路図(電気図面)を手元に用意し、どの端子にどの配線を接続するかを事前に確認しておきましょう。

電線には端子番号や接続先を示すマーキングチューブ(電線マーク)を取り付けておくと、配線ミスの防止と後のメンテナンス性向上に大きく役立ちます。

サーマルリレーの配線手順をステップごとに確認しよう

続いては、実際のサーマルリレーの配線手順をステップごとに確認していきます。

手順を一つひとつ丁寧に確認しながら進めることで、配線ミスを防ぎ、安全に作業を完了することができます。

ステップ1:電源遮断と安全確認

配線作業の最初のステップは、電源の完全遮断と安全確認です。

上位の配線用遮断器をOFFにし、制御盤内の電源がすべて遮断されたことを検電器で確認します。

三相回路の場合は3相すべてで検電を行い、どの相も無電圧であることを確認してから作業を開始します。

「切ったつもり」で感電事故が起きるケースは現場でも報告されているため、検電は必ず行う習慣をつけましょう。

また、他の作業者が誤って電源を投入しないよう、遮断器にロックや表示札(「作業中・投入禁止」など)を取り付けることも重要な安全対策です。

ステップ2:主回路の配線接続

安全確認が取れたら、主回路側の配線を行います。

電磁接触器の二次側端子から引き出した三相の電線を、サーマルリレーの入力端子(L1・L2・L3側)にそれぞれ接続します。

次に、サーマルリレーの出力端子(T1・T2・T3側)からモーターの端子台へ配線を引きます。

相順(R・S・T相の順番)を正しく守ることが、モーターの回転方向に影響するため重要です。

接続後は各端子のネジを規定トルクで締め付け、引っ張っても抜けないことを確認します。

電線の接続部に被覆がはみ出していないか、芯線が端子外にはみ出していないかも目視でチェックしましょう。

ステップ3:制御回路の配線接続と動作確認

主回路の配線が完了したら、制御回路側の配線を行います。

サーマルリレーのb接点端子(95・96)を、電磁接触器のコイル回路に直列になるよう接続します。

接続後は回路図と照合しながら、配線に抜け漏れがないかを確認します。

配線完了後に電源を投入し、まずサーマルリレーのトリップテストボタン(テストレバー)を使って動作確認を行います。

【動作確認の手順例】

1. 電源投入後、電磁接触器をONにしてモーターが起動することを確認

2. サーマルリレーのテストボタンを押してトリップさせ、電磁接触器が開放してモーターが停止することを確認

3. リセットボタンを押してサーマルリレーをリセットし、再起動できることを確認

4. 運転中の電流値をクランプメーターで計測し、整定電流との整合を確認

動作確認で問題がなければ配線作業は完了ですが、実際の運転開始後も一定期間は電流値を定期的に確認することをおすすめします。

サーマルリレーの配線で注意すべきポイント

続いては、サーマルリレーの配線において特に注意が必要なポイントを確認していきます。

基本的な配線手順を守ることはもちろん、細かい注意点を把握しておくことが、トラブルのない安定した設備構築に直結します。

電線サイズと端子規格の適合確認

サーマルリレーの端子には、接続可能な電線サイズの規格が定められています。

規格外のサイズの電線を無理に接続すると、接触不良や過熱、最悪の場合は火災の原因になります。

取扱説明書やカタログに記載された接続可能電線サイズの範囲内で、適切な断面積の電線を選定しましょう。

電線の種類(IV線・CV線・VVFケーブルなど)も、使用環境や設置条件に合わせた適切なものを選ぶことが大切です。

特に高温環境や屋外設置の場合は、耐熱・耐候性を考慮した電線の選定が必要になります。

端子の締め付けトルクと接続不良への対策

端子の締め付けは、適切なトルクで行うことが接続信頼性の要です。

締め付けが弱いと接触抵抗が高くなり、通電時に発熱して絶縁劣化や焼損につながります。

逆に締め過ぎると端子ネジが折れたり、端子台が破損したりするリスクがあります。

締め付けトルクはメーカーの仕様書に記載されているため、必ずトルクドライバーやトルクレンチを使って規定値で締め付けることを徹底しましょう。

配線完了後は一定期間(数週間〜1カ月程度)後に増し締めを行うことも、接続の信頼性を長期間維持するための実践的な対策の一つです。

誤配線を防ぐためのチェック方法

配線ミスは設備の誤動作や保護機能の不全を引き起こす原因となります。

配線完了後には以下の確認を徹底することで、誤配線によるトラブルを未然に防ぐことができます。

確認項目 確認方法 NG時の対処
主回路の接続確認 回路図と現物の照合 配線を外して再接続
b接点の直列接続確認 テスターで導通確認 制御回路の配線を修正
端子締め付け確認 目視・引っ張りテスト 規定トルクで再締め付け
トリップ動作確認 テストボタンで動作試験 制御回路の配線を再確認
運転電流の確認 クランプメーターで計測 整定電流の再設定または負荷確認

確認作業は面倒に感じるかもしれませんが、一手間かけることで後の大きなトラブルを防ぐことができます。

特に新規設置や改造後の初回通電前は、チェックリストを活用して抜け漏れなく確認する習慣をつけましょう。

まとめ

本記事では、サーマルリレーの配線方法は?というテーマに沿って、主回路と制御回路それぞれの配線方法、実際の配線手順、注意すべきポイントまで幅広く解説してきました。

サーマルリレーの配線の基本は、ヒーター部を主回路に直列接続し、b接点を制御回路(電磁接触器コイル回路)に直列接続するという2点です。

作業前の電源遮断・安全確認を徹底し、回路図に基づいて正確に配線を行うことが、安全で確実な作業の根本です。

電線サイズの適合確認・端子締め付けトルクの管理・配線完了後の動作確認まで、一連のプロセスを丁寧に行うことが信頼性の高い設備構築につながります。

サーマルリレーの配線に慣れていない方は、まず回路図をじっくりと読み解き、各端子の役割を理解してから作業に臨むことをおすすめします。

正しい配線と適切な設定が組み合わさることで、サーマルリレーは最大限の保護性能を発揮し、大切なモーターと設備を守り続けてくれるでしょう。

不明点は必ずメーカーの技術資料を参照するか、経験豊富な電気技術者に確認しながら進めることを強くおすすめします。