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共振回路の使用例は?身近な回路への応用も!(LC共振回路:フィルタ回路:発振回路など)

共振回路の使用例と身近な電子機器
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共振回路の使用例は?身近な回路への応用も!(LC共振回路:フィルタ回路:発振回路など)

共振回路は、ラジオやテレビ、スマートフォン、非接触充電器など、身近な電子機器の内部で幅広く使われています。

特定の周波数を選び出したり、安定した信号を作ったりできるため、通信技術や音響機器、電源回路に欠かせない存在です。

とくにコイルとコンデンサを組み合わせたLC共振回路は、電気信号の周波数を扱う基本回路として知られています。

仕組みを押さえると、フィルタ回路や発振回路が何のためにあるのかも理解しやすくなるでしょう。

共振回路の使用例と身近な電子機器

共振回路の使用例と身近な電子機器

それではまず共振回路の使用例と、私たちの生活に近い電子機器への応用について解説していきます。

ラジオ受信機の選局回路

共振回路の代表的な使用例として、ラジオの選局回路が挙げられます。

ラジオ放送では、複数の放送局がそれぞれ異なる周波数の電波を同じ空間に送信しています。

受信機のアンテナには、多数の周波数成分を含んだ電波が届きます。

そこでLC共振回路を利用し、聞きたい放送局の周波数だけを選択する仕組みが使われます。

コイルのインダクタンスやコンデンサの静電容量を変えると、共振する周波数も変化します。

昔のラジオに付いている選局ダイヤルは、この回路定数を調整して受信周波数を合わせる役割を担っています。

特定の放送局だけを選べる理由は、LC共振回路が共振周波数付近の信号に強く反応するためです。

LC共振回路の共振周波数は、一般的に次の関係で求められます。

f = 1 ÷ 2π√LC

fは共振周波数、Lはコイルのインダクタンス、Cはコンデンサの静電容量を表します。

数式だけを見ると難しく感じるかもしれませんが、LまたはCを変更すれば、受信しやすい周波数を移動できるという考え方が重要です。

この原理はAMラジオだけでなく、短波受信機や無線通信機にも活用されています。

スマートフォンと無線通信機器

スマートフォンやWi Fiルーター、Bluetoothイヤホンにも、共振回路の技術が取り入れられています。

これらの機器は多くの電波が飛び交う環境で、必要な通信信号を効率よく送受信しなければなりません。

通信回路では、目的の周波数帯だけを通すバンドパスフィルタや、不要な帯域を抑えるノッチフィルタが使われます。

こうしたフィルタの構成要素として、インダクタやコンデンサによる共振回路が重要になります。

たとえばスマートフォンは、携帯電話回線、無線LAN、Bluetooth、GPSなど、複数の周波数帯を扱います。

それぞれの信号が混ざって通信品質が落ちないように、周波数を分ける回路設計が必要です。

共振回路は、電波の通り道を整理する交通整理役のような存在といえます。

近年は小型化のために、チップ部品や誘電体共振器、表面弾性波フィルタなども多く使われています。

ただし、特定の周波数を選択するという基本的な考え方には、共振現象が深く関係しています。

非接触充電器と電力伝送

スマートフォンのワイヤレス充電や電動歯ブラシの充電台も、共振回路の応用例です。

ケーブルを直接つながなくても電力を送れるのは、送電側と受電側のコイルが磁界を介してエネルギーをやり取りするためです。

このとき、両側の回路を同じ周波数で共振させると、電力伝送の効率を高めやすくなります。

送電コイルと受電コイルの周波数条件が合うことで、必要な電力をより効果的に受け渡せる仕組みです。

非接触充電では、送電側と受電側の共振周波数を近づけることが効率向上の重要なポイントです。

周波数のずれが大きいと、発熱や充電時間の増加につながる場合があります。

ただし、実際の製品ではコイル位置のずれ、金属異物、温度変化、充電対象の違いなども考慮されます。

そのため制御回路を組み合わせ、状態に応じて出力や動作周波数を調整する設計が採用されています。

LC共振回路の基本構成

続いてはLC共振回路の構成と、電気エネルギーが移り変わる仕組みを確認していきます。

コイルとコンデンサの役割

LC共振回路は、基本的にコイルとコンデンサで構成される回路です。

コイルは電流の変化に対して磁気エネルギーを蓄え、コンデンサは電圧の変化に対して電気エネルギーを蓄えます。

コンデンサに蓄えられた電荷が放電すると、回路に電流が流れます。

その電流によってコイルには磁界が生まれ、エネルギーが磁気の形で蓄積されます。

次に磁界が弱くなる過程では、コイルが電流を維持しようとして電圧を発生させます。

その結果、再びコンデンサに電荷が蓄えられ、電流の向きが反転します。

このエネルギーの往復が繰り返される現象が、LC共振の基本です。

理想的な回路では振動が続きますが、実際には抵抗成分などによって少しずつエネルギーが失われます。

コイルとコンデンサは、電気エネルギーと磁気エネルギーを交互に受け渡す組み合わせです。

直列共振回路と並列共振回路

LC共振回路には、部品の接続方法によって直列共振回路と並列共振回路があります。

どちらも共振周波数を持ちますが、共振時に現れる特徴が異なります。

回路の種類 接続方法 共振時の特徴 主な用途
直列共振回路 コイルとコンデンサを直列接続 インピーダンスが小さくなり電流が流れやすい 帯域通過、周波数選択、電力伝送
並列共振回路 コイルとコンデンサを並列接続 インピーダンスが大きくなり特定周波数を阻止しやすい 同調回路、発振回路、ノッチ特性

直列共振回路では、コイルのリアクタンスとコンデンサのリアクタンスが打ち消し合います。

共振周波数では回路全体の抵抗成分が小さくなり、電流が大きくなりやすい特徴があります。

一方の並列共振回路では、入力から見たインピーダンスが高くなる傾向があります。

そのため特定の周波数を通しにくくしたり、周波数を安定して取り出したりする用途に適しています。

直列共振回路は、共振時に電流が増えやすい回路です。

並列共振回路は、共振時に高いインピーダンスを示しやすい回路です。

用途を考える際は、どちらの性質が必要かを先に整理すると選びやすくなります。

共振周波数とQ値

共振回路を理解するうえで、共振周波数とQ値は重要な用語です。

共振周波数は、回路が最も強く応答する周波数を指します。

Q値は品質係数とも呼ばれ、共振の鋭さを表す目安です。

Q値が高い回路は、狭い周波数範囲を選びやすく、周波数選択性に優れます。

ラジオで近い周波数の放送局を分けたい場合には、高い選択性が求められます。

そのため、コイルの損失やコンデンサの特性、配線抵抗などを抑える工夫が必要になります。

ただしQ値が高ければ、どの用途でも有利とは限りません。

広い周波数帯を扱う通信や、変化の速い信号を扱う場面では、必要な帯域幅とのバランスが重要です。

Q値は高低だけで評価するものではなく、必要な周波数帯域に合っているかが大切です。

フィルタ回路への応用

続いては共振回路を利用したフィルタ回路の働きと、周波数選択の考え方を確認していきます。

ローパスフィルタとハイパスフィルタ

フィルタ回路は、信号に含まれる周波数成分を選別するための回路です。

低い周波数を通しやすくするものがローパスフィルタ、高い周波数を通しやすくするものがハイパスフィルタです。

単純なローパスフィルタやハイパスフィルタは、抵抗とコンデンサだけでも作れます。

しかし急峻な周波数特性が必要な場合や、高周波帯で高い性能が求められる場合には、LC回路が活用されます。

音響機器では、高音用スピーカーと低音用スピーカーに適切な信号を分けるネットワーク回路があります。

ここでもコンデンサやコイルを使い、担当させる音域を分ける考え方が使われます。

電源回路では、スイッチング電源が発生させる高周波ノイズを減らすためにフィルタが使われます。

不要なノイズが外部へ出ると、ほかの電子機器や通信機器に影響する可能性があるためです。

バンドパスフィルタとバンドストップフィルタ

特定の周波数帯だけを通過させる回路が、バンドパスフィルタです。

逆に特定の周波数帯だけを減衰させる回路は、バンドストップフィルタやノッチフィルタと呼ばれます。

フィルタの種類 通しやすい信号 抑えやすい信号 使用例
ローパスフィルタ 低周波成分 高周波ノイズ 電源平滑、音声信号処理
ハイパスフィルタ 高周波成分 低周波の揺れや直流成分 音響回路、信号結合
バンドパスフィルタ 指定した周波数帯 帯域外の信号 ラジオ受信、無線通信
バンドストップフィルタ 不要帯域以外の信号 指定した妨害周波数 ハムノイズ対策、通信妨害対策

ラジオ受信機の同調回路は、バンドパスフィルタの考え方に近い応用です。

多くの電波のなかから目的の局だけを取り出すため、必要な周波数帯を選択します。

一方で、特定周波数のノイズが問題になる場面では、バンドストップフィルタが役立ちます。

たとえば電源由来の周期的な雑音や、特定の通信帯域から受ける妨害を抑える用途が考えられます。

フィルタ回路の目的は、必要な信号を残し、不要な信号を減らすことです。

ノイズ対策と電源回路

電子回路では、ノイズ対策も共振回路と関わりの深いテーマです。

高周波ノイズは配線、電源線、基板パターンを通じて広がり、誤動作や通信品質低下の原因になることがあります。

LCフィルタは、コイルが高周波電流を通しにくい性質と、コンデンサが高周波成分を逃がしやすい性質を組み合わせた回路です。

この性質を利用して、電源ラインに重なったノイズを低減します。

電源回路のノイズ対策では、部品の値だけでなく配置や配線長も性能を左右します。

理論上の回路定数が合っていても、基板上の寄生インダクタンスや寄生容量によって特性が変わる場合があります。

高周波領域では、部品そのものの特性に加え、配線も回路要素として扱う必要があります。

特にスイッチング電源や無線回路では、実装設計まで含めて共振をコントロールすることが求められます。

意図しない共振はノイズや発熱の原因になるため、不要共振への対策も重要です。

発振回路への応用

続いては共振回路を使って一定の周波数を作り出す、発振回路への応用を確認していきます。

発振回路の基本原理

発振回路は、外部から周期的な入力信号を与えなくても、一定周期の電気信号を発生させる回路です。

ラジオの送信機、時計、マイコン、無線通信装置、計測器などで利用されています。

LC発振回路では、コイルとコンデンサによる共振を利用して、狙った周波数の信号を作ります。

ただしLC回路だけでは、抵抗による損失で振幅が次第に小さくなります。

そこでトランジスタや増幅素子を組み合わせ、失われたエネルギーを補うように設計します。

適切な帰還を加えることで、一定の振幅を持つ発振が持続します。

発振回路では、共振回路が周波数を決めます。

増幅回路は、損失分のエネルギーを補って振動を持続させます。

この二つの役割を分けて考えると、発振の仕組みを理解しやすくなります。

発振周波数の安定性は、通信品質や時刻精度、制御精度に影響します。

そのため部品の温度特性、電源電圧の変動、周囲環境の影響まで考慮されます。

コルピッツ発振回路とハートレー発振回路

LC発振回路には、帰還の取り方によっていくつかの方式があります。

代表的な方式として、コルピッツ発振回路とハートレー発振回路が知られています。

コルピッツ発振回路は、複数のコンデンサによる分圧を利用して帰還を得る構成です。

コンデンサの値とコイルの値をもとに、発振周波数が決まります。

ハートレー発振回路は、コイル側のタップや複数のインダクタンスを利用して帰還を得る構成です。

回路によって使いやすい周波数帯や部品構成が異なるため、目的に応じた選択が必要です。

方式 主な構成 帰還の取り方 特徴
コルピッツ発振回路 コイルと複数のコンデンサ 容量分圧 高周波回路で利用される構成の一つ
ハートレー発振回路 コンデンサとタップ付きコイルなど 誘導分圧 コイル側で帰還量を設定しやすい
クラップ発振回路 コルピッツ系の追加コンデンサ構成 容量分圧 周波数安定性を意識した設計に向く

実務では回路方式だけでなく、部品の入手性、小型化、調整のしやすさ、コストも選定条件になります。

高周波回路では、部品のばらつきや配線の影響まで考慮して試作と測定を重ねることが一般的です。

水晶発振回路との違い

LC発振回路と比較されることが多いものに、水晶発振回路があります。

水晶振動子は圧電効果を利用し、非常に安定した周波数を得やすい部品です。

マイコンのクロック信号、腕時計、通信機器の基準周波数などには、水晶発振子がよく使われます。

周波数のずれが小さいことが求められる用途では、水晶発振回路が有利になるケースがあります。

一方でLC発振回路は、コイルやコンデンサを変えることで周波数を比較的調整しやすい特徴があります。

可変周波数発振器や無線回路の局部発振器などでは、LC回路の利点が活かされます。

高い周波数安定性を優先するなら水晶発振、周波数の調整性を重視するならLC発振が候補になります。

設計と測定における注意点

続いては共振回路を実際に設計し、測定する際に確認したい注意点を解説していきます。

部品誤差と温度変化

コイルやコンデンサには、定格値に対するばらつきがあります。

同じ表示値の部品でも、実際のインダクタンスや静電容量が完全に一致するとは限りません。

共振周波数はLとCの値に依存するため、部品誤差は周波数のずれにつながります。

とくに高い周波数を扱う回路では、小さな変化でも無視できない影響が出ることがあります。

温度変化も重要です。

コンデンサの種類によっては温度による容量変化が比較的大きく、周波数安定性に影響します。

高い安定性が必要な場合は、温度特性の良いコンデンサを選んだり、補正回路を加えたりします。

必要な精度を先に決め、その精度に見合った部品を選ぶことが設計の基本です。

寄生容量と寄生インダクタンス

回路図に描かれていない容量やインダクタンスも、高周波回路では無視できません。

これらは寄生容量、寄生インダクタンスと呼ばれます。

部品のリード線、基板の配線、コネクタ、測定プローブなどにも、わずかな電気的性質があります。

低周波では問題にならない程度でも、高周波では回路の共振条件を変えてしまうことがあります。

たとえば配線を長くすると、その配線が意図しないインダクタとして働く場合があります。

部品を近くに配置し、グラウンドを安定させ、不要な配線ループを小さくする工夫が求められます。

高周波回路では、回路図どおりに部品を接続するだけでは十分ではありません。

基板レイアウト、グラウンド、部品の向き、測定方法まで含めて回路性能を作り込む必要があります。

共振周波数が設計値からずれた場合は、部品値だけでなく配線や測定環境も確認します。

オシロスコープとネットワークアナライザ

共振回路の動作確認には、オシロスコープやネットワークアナライザなどの測定器が使われます。

オシロスコープでは、発振波形の周波数、振幅、歪み、立ち上がりなどを確認できます。

ネットワークアナライザは、周波数を変化させながら伝送特性や反射特性を測定する機器です。

フィルタ回路の通過帯域、減衰量、共振点、インピーダンス整合の確認に役立ちます。

測定時には、プローブやケーブルが回路に与える影響にも注意が必要です。

測定器を接続したことで容量が増え、共振周波数が変わることもあります。

測定結果が想定と異なる場合は、回路そのものの不具合だけを疑わないことが大切です。

測定プローブ、同軸ケーブル、接地方法、校正状態も確認対象になります。

高周波測定では、測定系も回路の一部として考える視点が役立ちます。

設計値と実測値を比較し、ずれの原因を一つずつ切り分けることが共振回路の調整につながります。

共振回路の使用例のまとめ

共振回路は、特定の周波数を選ぶフィルタ回路と、一定の周波数を生み出す発振回路の両方で活躍しています。

ラジオの選局、スマートフォンの無線通信、非接触充電、電源ノイズ対策など、身近な電子機器にも数多く応用されています。

LC共振回路では、コイルとコンデンサが電気エネルギーと磁気エネルギーを交互に蓄えます。

この働きによって共振周波数が決まり、目的の信号を通す、あるいは取り除くといった制御が可能になります。

設計では、共振周波数だけでなく、Q値、部品誤差、温度特性、寄生容量、基板レイアウトまで考慮することが重要です。

共振回路の基本を理解すると、通信機器、音響機器、電源回路の仕組みをより立体的に捉えられるようになるでしょう。