「買収」の英語表記は?例文・ビジネスでの使い方・言い換え・読み方(カタカナ・スラング・略称・短縮形もあれば)【名詞・形容詞・動詞等のスペルも】
企業ニュース、M&Aの提案書、海外取引先とのメールでは、「買収」を正確な英語で伝える場面があります。
もっとも一般的な表現はacquisitionですが、取引の規模、敵対的か友好的か、株式を取得するのか事業だけを引き継ぐのかによって、適した語は変わります。
本記事ではacquisitionを中心に、takeover、purchase、buyoutなどとの違い、読み方、例文、関連する動詞・形容詞までを実務で使いやすい形で紹介します。
買収の英語表記と言い換え一覧表

それではまず買収の英語表記と言い換えについて解説していきます。
基本語としてのacquisition
買収を表す英語として最も広く使われる名詞がacquisitionです。
カタカナではアクイジション、またはアクイジィションと読まれ、発音記号ではアクウィジションに近い音になります。
企業そのものの取得だけでなく、事業、ブランド、技術、顧客基盤、不動産などを取得する行為や、その取引自体を指せる便利な語です。
M&A関連の記事、投資家向け資料、法務文書、決算発表でも見かける機会が多く、迷った場合の第一候補になるでしょう。
| 英語表現 | カタカナの読み方 | 主な意味 | 使われやすい場面 |
|---|---|---|---|
| acquisition | アクイジション | 買収、取得 | 企業買収、事業取得、資産取得 |
| the acquisition of a company | ザ・アクイジション・オブ・ア・カンパニー | 企業の買収 | 公式発表、契約説明 |
| strategic acquisition | ストラテジック・アクイジション | 戦略的買収 | 成長戦略、事業拡大 |
| cross-border acquisition | クロスボーダー・アクイジション | 国境をまたぐ買収 | 海外企業の買収 |
| asset acquisition | アセット・アクイジション | 資産買収 | 事業用資産、知的財産の取得 |
| talent acquisition | タレント・アクイジション | 人材獲得 | 採用、人事戦略 |
acquisitionは、単に会社を買うという意味だけではありません。
たとえばcustomer acquisitionは顧客獲得、user acquisitionはアプリやゲーム分野でのユーザー獲得を意味します。
そのため、文脈を読まずに「企業買収」と限定して訳すと不自然になることがあります。
企業買収について書く場合は、acquisitionだけで意味が通じることが多い表現です。
一方で顧客や人材を対象にしている場合は、「買収」ではなく「獲得」「取得」と訳すほうが自然でしょう。
取引の性質で使い分ける言い換え
買収には複数の近い表現があり、それぞれに語感の差があります。
takeoverは経営権を握ることに焦点があり、企業支配の印象を伴いやすい語です。
特に相手企業の意思に反して進める敵対的買収ではhostile takeoverという表現が定着しています。
| 表現 | ニュアンス | 日本語で近い表現 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| takeover | 支配権の取得を強調 | 買収、乗っ取り | 敵対的な印象を含む場合がある |
| buyout | 持分や会社を買い取る | 買い取り、買収 | 経営陣や投資ファンドの取引でも使う |
| purchase | 一般的な購入 | 購入、取得 | 企業買収にはacquisitionより日常的 |
| merger | 企業同士の統合 | 合併 | 買収とは必ずしも同じではない |
| consolidation | 統合や集約 | 事業統合、再編 | 買収後の組織再編にも使われる |
| absorption | 吸収すること | 吸収合併、吸収 | 法的・組織的な吸収を示すことが多い |
buyoutはバイアウトと読み、ある会社や株式を買い取って支配権を得る取引を表します。
management buyoutは経営陣買収、略してMBOと呼ばれる仕組みです。
leveraged buyoutは借入金を活用した買収で、LBOという略称がよく使われます。
シーン別に選ぶ自然な表現
海外とのやり取りでは、同じ買収でも文章の目的によって表現を選ぶと伝わり方が整います。
ニュース見出しでは簡潔なtakeoverが好まれることがある一方、会社の公式発表ではacquisitionが選ばれやすい傾向です。
| シーン | おすすめの表現 | 使用例 | 伝わる印象 |
|---|---|---|---|
| 公式プレスリリース | acquisition | announcement of the acquisition | 正式で中立的 |
| 敵対的買収の報道 | hostile takeover | launch a hostile takeover bid | 対立構造が明確 |
| 投資ファンドの案件 | buyout | private equity buyout | 金融実務に合う |
| 株式取得の説明 | share acquisition | acquisition of shares | 取得対象が具体的 |
| 事業部門の取得 | business acquisition | acquire a business unit | 会社全体ではない |
| 顧客数を増やす施策 | customer acquisition | reduce customer acquisition cost | マーケティング用語 |
| 人材採用の施策 | talent acquisition | talent acquisition strategy | 採用・人事領域 |
| ソフトウェアの購入 | purchase | purchase of software assets | 売買対象を強調 |
なお、日本語で「買収した」と言いたいときは、動詞acquireの過去形acquiredを使う形が基本です。
「当社はA社を買収しました」はWe acquired Company A.と短く表せます。
相手を必要以上に刺激したくない場面では、acquireを用いる中立的な言い回しが役立つでしょう。
acquisitionとtakeoverの意味の違い
続いてはacquisitionとtakeoverの意味の違いを確認していきます。
acquisitionが示す取得行為
acquisitionは、ある資産や権利を取得するという事実に重心がある語です。
対象企業の全株式を取得する場合だけでなく、一部の事業、商標、特許、設備を取得する場合にも使えます。
買い手と売り手が合意した友好的な取引では、特に自然な選択です。
たとえばThe acquisition was completed in July.は、「その買収は7月に完了しました」と訳せます。
誰が主導権を握ったかより、取引が完了したことを客観的に伝える文章です。
例文
Our company announced the acquisition of a leading software provider.
当社は主要なソフトウェア提供企業の買収を発表しました。
leadingは「主要な」「有力な」という意味で、企業紹介やリリースで頻出する形容詞です。
acquisition ofの後ろに対象を置く形を覚えると、文章を組み立てやすくなります。
takeoverが示す経営支配
takeoverは、ある企業の経営権や支配権を引き継ぐことに焦点を当てる表現です。
take overには「引き継ぐ」「掌握する」という意味があり、名詞形のtakeoverにもそのニュアンスが残ります。
報道では「A社によるB社の買収」と中立的に訳されることもありますが、文脈によっては乗っ取りに近い印象を与えるでしょう。
friendly takeoverは友好的買収、hostile takeoverは敵対的買収です。
hostileは敵意のあるという意味で、買収される側の取締役会が提案に賛成していない状況を表す際に使われます。
例文
The board rejected the hostile takeover offer.
取締役会は敵対的買収の提案を拒否しました。
offerは申し出や提案を意味し、買収文脈では買収提案や公開買付けの提案を指すことがあります。
日本のM&Aニュースを英訳する場合にも、hostile takeover offerというまとまりは便利です。
mergerとの境界線
mergerは合併であり、買収と同じ意味ではありません。
二つの会社が法的に一つになる取引を指し、形式上は対等な統合として説明される場合もあります。
ただし実際の取引では、一方が他方の株式や資産を取得する形を伴うこともあり、acquisitionとmergerが近い領域で使われることがあります。
| 用語 | 中心となる意味 | 主な焦点 | 日本語訳の目安 |
|---|---|---|---|
| acquisition | 取得 | 資産、株式、事業の取得 | 買収、取得 |
| takeover | 支配権の獲得 | 経営権、主導権 | 買収、乗っ取り |
| merger | 法的・組織的な統合 | 会社の結合 | 合併 |
| alliance | 協力関係 | 提携 | 業務提携、資本提携 |
曖昧なままmergerを買収の意味で用いると、取引形態を誤解される可能性があります。
契約書、IR資料、英語の見出しでは、法的なスキームに合わせた単語選びが大切です。
買収に使う動詞と品詞別のスペル
続いては買収に使う動詞と品詞別のスペルを確認していきます。
動詞acquireの活用と読み方
「買収する」は動詞acquireで表すのが基本です。
読み方はアクワイアに近く、名詞acquisitionとはつづりも発音も少し異なります。
現在形はacquire、過去形と過去分詞はacquired、現在分詞はacquiringです。
| 品詞・形 | スペル | 読み方の目安 | 意味 |
|---|---|---|---|
| 動詞原形 | acquire | アクワイア | 取得する、買収する |
| 過去形 | acquired | アクワイアド | 取得した、買収した |
| 現在分詞 | acquiring | アクワイアリング | 取得している |
| 名詞 | acquisition | アクイジション | 取得、買収 |
| 形容詞 | acquisitive | アクイジティブ | 取得欲の強い |
| 形容詞 | acquired | アクワイアド | 後天的に得た |
businessを目的語にすれば事業を買収する、sharesを目的語にすれば株式を取得する、technologyを目的語にすれば技術を取得する意味になります。
目的語によって自然な日本語訳が変わる点を意識すると、英文の理解も翻訳の品質も上がります。
例文
We acquired all outstanding shares of the target company.
当社は対象会社の発行済み株式すべてを取得しました。
outstanding sharesは発行済み株式を指す表現です。
target companyは買収対象会社という意味で、M&A実務の文章でよく登場します。
buyとpurchaseを使う場合
buyは「買う」という最も基本的な動詞で、会話でも分かりやすい表現です。
We bought a small company.でも「私たちは小さな会社を買収した」という意味は通じます。
しかし、投資家向けの公式発表や契約関連の文章では、buyよりacquireのほうが専門的で落ち着いた印象になります。
purchaseはbuyより少し改まった「購入する」です。
設備、土地、ソフトウェア、株式など個別の資産を買う文脈に適しています。
企業全体の支配権取得を明確にしたい場合は、acquireまたはtake overを選ぶほうが誤解を避けやすいでしょう。
| 動詞 | 自然な対象 | 文体 | 企業買収での使いやすさ |
|---|---|---|---|
| acquire | 会社、事業、株式、技術 | 正式 | 非常に高い |
| buy | 会社、商品、資産 | 日常的 | 会話や簡潔な説明向け |
| purchase | 商品、資産、株式 | やや正式 | 資産取得の説明向け |
| take over | 会社、事業、役割 | 中立から強め | 支配権を強調したい場合 |
形容詞と関連表現
買収案件では、名詞の前に形容詞を置いて取引の種類を具体化します。
friendly acquisitionは友好的買収、strategic acquisitionは戦略的買収、planned acquisitionは予定されている買収という意味です。
また、acquired companyは買収された会社、acquiring companyは買収する側の会社を表します。
acquiring companyとacquired companyは見た目が似ているため、読み違えに注意が必要です。
前者は現在分詞で「取得する会社」、後者は過去分詞で「取得された会社」という違いがあります。
買収する側はacquiring company、買収される側はtarget companyまたはacquired companyです。
契約書や社内資料で立場を取り違えると意味が逆になるため、特に慎重に確認しましょう。
ビジネスメールと会議で使う例文
続いてはビジネスメールと会議で使う例文を確認していきます。
買収の発表に使う英文
企業買収を公表する文では、announcement、completion、agreementといった名詞がよく使われます。
事実を簡潔に伝える場合は、主語を会社名にしてacquiredを置く構文が分かりやすい形です。
例文
ABC Corporation has acquired XYZ Inc. to expand its presence in Asia.
ABC社はアジアでの事業展開を拡大するため、XYZ社を買収しました。
has acquiredは現在完了形で、買収が完了し、その結果が現在にも関係していることを示します。
to expandは目的を表し、買収理由を短く補足したいときに便利です。
取引がまだ完了していない段階では、has agreed to acquireという形が使えます。
これは「買収することに合意した」であり、すでに買収が完了したという意味ではありません。
We have entered into an agreement to acquire the business.は、「当社はその事業を買収する契約を締結しました」という意味です。
entered into an agreementは契約を締結したという硬めの表現で、発表資料にもなじみます。
交渉とデューデリジェンスで使う表現
買収の検討段階では、候補先、条件提示、企業価値評価、デューデリジェンスなどを英語で説明することがあります。
due diligenceは買収前に行う調査を指し、日本語でもデューデリジェンス、略してDDと呼ばれます。
| 英語表現 | 意味 | 使用場面 |
|---|---|---|
| potential acquisition target | 買収候補先 | 案件の初期検討 |
| acquisition proposal | 買収提案 | 提案書、交渉 |
| letter of intent | 基本合意書、意向表明書 | 交渉の中間段階 |
| due diligence | 買収監査、詳細調査 | 法務・財務・税務調査 |
| purchase price | 買収価格、購入価格 | 条件交渉 |
| closing | 取引完了 | 契約実行、決済 |
Could you share the latest due diligence report?は、「最新のデューデリジェンス報告書を共有いただけますか」という依頼です。
相手に丁寧に依頼するメールでは、Could youやWould youを使うと柔らかい印象になります。
We are reviewing the financial and legal risks associated with the acquisition.は、「当社は買収に伴う財務面および法務面のリスクを検討しています」という意味です。
associated withは「関連する」という表現で、リスク説明や契約文書でも幅広く使えます。
買収後の統合で使う表現
買収後には、組織、人事、システム、ブランドなどを統合する工程が続きます。
この段階はpost-merger integrationと呼ばれ、略してPMIと表記されることがあります。
日本語では買収後統合と訳されますが、合併だけでなく買収後の統合作業全般を含めて使われることが一般的です。
We will begin the integration process after closing.は、「取引完了後に統合プロセスを開始します」という意味です。
closingの前後で実施すべき業務を整理する際に使いやすい文章でしょう。
買収の英語は、契約締結、取引完了、統合開始の時点を区別して表現することが重要です。
agreementは合意、closingは決済を含む完了、integrationは買収後の統合を示します。
買収関連の略称とカタカナ用語
続いては買収関連の略称とカタカナ用語を確認していきます。
M&Aの意味と英語表記
M&AはMergers and Acquisitionsの頭文字を取った略称です。
mergersは合併、acquisitionsは買収の複数形であり、企業の合併・買収活動全般を指します。
日本語ではエムアンドエーと読み、事業承継、海外展開、成長投資、事業再編など幅広い場面で使われます。
英語の文章ではM and Aと書くこともありますが、一般的にはM&Aという表記が多く見られます。
ただし、相手先の表記ルールや契約文書の定義に合わせることが大切です。
| 略称 | 正式名称 | 意味 | カタカナの読み方 |
|---|---|---|---|
| M&A | Mergers and Acquisitions | 合併・買収 | エムアンドエー |
| MBO | Management Buyout | 経営陣買収 | エムビーオー |
| LBO | Leveraged Buyout | 借入を活用した買収 | エルビーオー |
| PMI | Post-Merger Integration | 買収後統合 | ピーエムアイ |
| DD | Due Diligence | 詳細調査 | ディーディー |
| SPA | Share Purchase Agreement | 株式譲渡契約 | エスピーエー |
buyoutに関する略称
buyoutを含む略称には、MBOとLBOがあります。
MBOは会社の経営陣が株式を取得し、経営権を持つ取引です。
上場企業の非公開化や、オーナーから経営陣への事業承継で用いられることがあります。
LBOは金融機関からの借入などを活用して買収資金を調達する手法です。
買収対象企業が将来生み出すキャッシュフローを返済原資として想定するケースもあり、財務面の検討が特に重要になります。
日本語ではレバレッジド・バイアウトと読みます。
スラングとして定着した「買収」の短縮形は、ビジネス英語では多くありません。
口頭でacquisitionを短く言いたくなる場面があっても、正式な会議やメールでは省略せずに使うのが無難です。
社内で独自の略称を作ると、海外の関係者には通じないことがあります。
誤解を避ける表現上の注意
買収案件では、acquisition、merger、investment、partnershipを混同しないことが大切です。
investmentは投資であり、少数株主として資金を出すだけのケースも含まれます。
partnershipは提携を指し、経営権を取得する意味は通常ありません。
また、acquireには「習得する」という意味もあります。
acquire skillsならスキルを身に付ける、acquire knowledgeなら知識を得るという意味になり、企業買収とは関係しません。
対象語を確認することで、acquireの意味を正しく判断できます。
会社を買収するならacquire a company、会社に投資するならinvest in a company、企業と提携するならform a partnership with a companyが基本です。
目的語や前置詞まで含めて覚えると、実務での言い間違いを減らせます。
買収の英語表記のまとめ
最後に買収の英語表記についてまとめます。
企業買収を中立的かつ正式に表すなら、名詞はacquisition、動詞はacquireが基本です。
経営支配や敵対的な側面を強調する場合はtakeover、経営陣や借入を活用した買収ではbuyoutを含む表現が適しています。
acquisitionは企業だけでなく、事業、資産、顧客、人材など幅広い対象に使える点も重要です。
M&A、MBO、LBO、PMI、DDといった略称は頻出するため、正式名称と意味をセットで押さえておくと、英文資料や海外会議の理解に役立つでしょう。
買収の段階が合意前なのか、契約締結後なのか、取引完了後なのかを意識し、場面に合う英語表現を選んでください。