配管フランジに使用するガスケットを選定する際、正しい寸法規格を把握することは安全で確実なシールを実現するための基本です。
JIS規格・ASME規格・フランジの呼び径・圧力クラスによってガスケットの寸法が異なるため、規格の読み方を理解することが重要です。
本記事では、ガスケットの寸法規格の基本からJIS規格表の見方・圧力クラスと呼び径の関係・厚さの選定まで詳しく解説していきます。
ガスケットの寸法はフランジの種類・呼び径・圧力クラスによって決まる
それではまず、ガスケットの寸法を決定する基本的な要素について解説していきます。
フランジ用ガスケットの寸法は、使用するフランジの規格(JIS・ASME・DINなど)・呼び径(配管サイズ)・圧力クラス(フランジのクラス区分)の3要素によって決まります。
これら3つの条件が同じであれば、メーカーが異なっても互換性のある寸法のガスケットが供給されます。
ガスケット寸法を決める3要素
①規格:JIS(日本)・ASME(米国)・DIN(ドイツ)・EN規格など
②呼び径:配管の口径を示す呼び径(DN10・DN25・DN50・DN100など)
③圧力クラス:フランジの圧力等級(JIS 5K・10K・16K・20K・ASME Class150・300・600など)
同じ呼び径でも圧力クラスが異なるとフランジの寸法が変わるため、ガスケットの外径・内径・ボルト穴寸法も変わります。
したがって、ガスケットを発注する際には呼び径と圧力クラスを必ずセットで確認・指定することが正確な寸法選定の基本です。
JIS規格フランジとガスケットの寸法体系
続いては、日本で最も広く使用されているJIS規格フランジとガスケットの寸法体系について確認していきます。
JISのフランジ規格は主にJIS B 2220(鋼製フランジ)・JIS B 2239(鋳鉄製フランジ)などに規定されており、圧力クラスは5K・10K・16K・20K・30K・40Kなどがあります。
| JIS圧力クラス | 最高使用圧力(目安) | 主な用途 |
|---|---|---|
| 5K | 約0.5MPa以下 | 低圧水・空気配管 |
| 10K | 約1.0MPa以下 | 一般工業配管・給水配管 |
| 16K | 約1.6MPa以下 | 中圧配管・蒸気・油配管 |
| 20K | 約2.0MPa以下 | 高圧配管・プラント配管 |
| 30K・40K | 約3.0〜4.0MPa以下 | 超高圧配管・特殊プラント |
JIS規格のガスケット寸法は、JIS B 2404(管フランジ用ガスケット)に規定されており、呼び径と圧力クラスごとに内径・外径・厚さが定められています。
JIS B 2404の規格表を参照することで、フランジの呼び径と圧力クラスに対応したガスケットの正確な寸法を確認できます。
ガスケットの内径・外径・厚さの確認方法
ガスケットの寸法を確認する際は、内径(ID)・外径(OD)・厚さ(T)の3つの寸法が必要です。
内径はガスケットの孔の直径で、配管内径以上(流体の流れを妨げない大きさ)に設定されます。
外径はフランジの座面内に収まり、かつボルト穴の内側に収まる寸法です。
厚さは圧縮後のシール性能と締め付けトルクのバランスで決まり、一般的なジョイントシートガスケットでは1.5mm・2.0mm・3.0mmが標準的な厚さです。
ASME規格との寸法の違い
国際的なプラント建設では、ASME(米国機械学会)規格のフランジが使用されるケースが多く、JIS規格との寸法互換性はありません。
ASMEフランジの圧力クラスはClass 150・300・600・900・1500・2500で区分されており、同じ呼び径でもJIS規格とは外径・ボルト穴寸法が異なります。
規格の異なるフランジへのガスケット取り付けは寸法不一致による重大な漏れ事故の原因となるため、使用するフランジの規格を必ず確認することが重要です。
ガスケット厚さの選定基準と影響
続いては、ガスケットの厚さ選定の基準と厚さが性能に与える影響について確認していきます。
ガスケット厚さ選定の考え方
薄いガスケット(1.5mm以下):高圧配管・金属面仕上げが良い場合・金属製ガスケット
標準厚ガスケット(2.0〜3.0mm):一般配管・ジョイントシート・ゴムガスケット標準品
厚いガスケット(3.0mm以上):粗い面仕上げ・低圧・フランジ面の凹凸を埋める必要がある場合
ガスケットが厚すぎると締め付けトルクが大きくなりすぎ、フランジのゆがみや亀裂のリスクがあります。
反対に薄すぎると面の凹凸を埋めきれずシール不良が生じます。
フランジ面の仕上げ状態(Ra値・フランジフェース形状)に合わせたガスケット厚さを選定することが適切なシール性能確保のために重要です。
まとめ
本記事では、ガスケットの寸法規格の基本からJIS規格フランジの圧力クラス体系・ガスケットの内径・外径・厚さの確認方法・ASME規格との違い・厚さ選定の基準まで詳しく解説しました。
ガスケットの寸法選定はフランジの規格・呼び径・圧力クラスの3要素を正確に把握することが出発点です。
JIS B 2404などの規格表を活用し、フランジ仕様に対応した正確な寸法のガスケットを選定することが確実なシール性能と設備の安全運用を実現します。
規格の違いによる寸法不一致は重大事故の原因になりうるため、フランジ規格の確認を徹底して安全な設備保全を心がけましょう。