「脱退」は、団体や組織、会員制度、契約関係などから離れる場面で使われる言葉です。
英語では一語で完全に対応するとは限らず、脱退する対象と理由、正式度によって withdrawal、leave、resign、secede などを使い分けます。
ビジネスメールや規約、国際関係の文章では語感の違いが誤解につながることもあるため、名詞と動詞の形、自然な例文まで確認しておくと安心でしょう。
脱退の英語表記と基本的な使い分け

それではまず脱退の英語表記と、場面ごとの基本的な使い分けについて解説していきます。
withdrawalとwithdrawの意味
もっとも広く使える名詞は withdrawal です。
読み方はカタカナで「ウィズドローアル」に近く、団体、条約、サービス、資金などから正式に退くことを表します。
動詞は withdraw であり、「ウィズドロー」と読みます。
たとえば会員資格の終了、国際協定からの離脱、申請の取り下げなど、書面を伴うような改まった場面と相性がよい表現です。
名詞 withdrawal
動詞 withdraw
過去形 withdrew
過去分詞 withdrawn
形容詞的な表現 withdrawn member 脱退した会員
withdrawal は「引き出し」という意味も持つため、文脈を確認することが大切です。
bank withdrawal なら銀行口座からの出金ですが、withdrawal from the association なら協会からの脱退を指します。
leaveとresignのニュアンス
日常的に「団体を辞める」と伝えるなら、leave がわかりやすい選択肢です。
I decided to leave the club. は「そのクラブを退会することにしました」という自然な表現になります。
一方で resign は、役職、雇用、職務を自ら辞する意味が中心です。
会社そのものを辞めることにも使えますが、会員制コミュニティからの脱退という意味で使うと、やや職務的に聞こえる場合があります。
| 英語 | 品詞 | 主な対象 | カタカナ読み |
|---|---|---|---|
| withdrawal | 名詞 | 条約、組織、制度、申請 | ウィズドローアル |
| withdraw | 動詞 | 正式な離脱、撤回 | ウィズドロー |
| leave | 動詞 | クラブ、団体、グループ | リーブ |
| resignation | 名詞 | 役職、仕事 | レジグネーション |
| resign | 動詞 | 役職、雇用 | リザイン |
secessionと脱退の強い表現
secession は「分離独立」「離脱」を意味する名詞で、読み方は「セセッション」です。
動詞の secede は「セシード」と読み、国家、州、地域などが政治的な共同体から離れる場面で使われます。
通常のサークル退会や取引先との契約終了に使う言葉ではありません。
脱退を英訳するときは、対象を先に考えることが重要です。
会員組織なら leave、正式な制度や協定なら withdrawal、役職なら resign、政治的な分離なら secede が基本的な目安になります。
脱退の言い換え一覧と場面別の英語表現
続いては脱退の言い換え一覧と、シーンに応じた英語表現を確認していきます。
会員制サービスと団体の脱退表現
会員制サービスでは、退会、解約、メンバーシップの終了という意味合いを区別する必要があります。
単にグループを抜けるなら leave the group、会員資格を終了するなら cancel one’s membership や end one’s membership が自然です。
| 日本語の意図 | 英語表現 | 使い方の目安 |
|---|---|---|
| クラブを脱退する | leave the club | 一般的で平易な表現 |
| 会員を退会する | cancel my membership | 定額制サービスにも使える表現 |
| 組合を脱退する | withdraw from the union | 手続き上の正式さを含む表現 |
| グループから抜ける | leave the group | 会話やチャットでも使いやすい表現 |
| 会員資格を放棄する | relinquish membership | 法務寄りで硬めの表現 |
| 登録を解除する | unsubscribe | メール配信や通知解除向けの表現 |
| 契約を終了する | terminate the agreement | 契約書や実務文書向けの表現 |
unsubscribe はメールマガジンやオンライン通知からの登録解除を表す言葉です。
団体への所属をやめる意味の脱退には通常使わないため、membership と subscription を混同しないこと がポイントになります。
ビジネスと組織再編で使う言い換え
企業活動では、withdrawal のほかに exit、pull out、terminate、discontinue などが見られます。
market exit は市場からの撤退、withdraw from the project はプロジェクトからの撤退、terminate participation は参加終了という意味です。
pull out は口語的で、「撤退する」「手を引く」というニュアンスがあります。
We will withdraw from the joint project at the end of this fiscal year.
当社は本年度末をもって共同プロジェクトから脱退します。
The company decided to exit the overseas market.
その企業は海外市場から撤退することを決定しました。
海外取引先に送る正式な通知では、感情的に聞こえる表現よりも、withdraw や terminate を使って事実を明確に伝えるとよいでしょう。
国際関係と政治で使う言い換え
国家が条約や国際機関から抜ける場合は、withdrawal from a treaty や withdrawal from an organization が標準的です。
国際協定からの脱退には、notice of withdrawal という通知表現も使われます。
政治的共同体からの独立に近い意味なら secession ですが、強い政治的含意を持つため、一般的な離脱の代わりには使いません。
exit は脱退、離脱、撤退を幅広く表せる便利な名詞です。
ただし exit strategy は撤退戦略、emergency exit は非常口というように、組織を抜ける意味以外でも頻繁に使われます。
脱退を表す名詞・動詞・形容詞のスペル
続いては脱退を表す名詞・動詞・形容詞のスペルを確認していきます。
withdrawalの関連語
withdrawal は名詞で、from を伴って「何々からの脱退」と示す形がよく使われます。
the withdrawal from the agreement は「その協定からの脱退」です。
動詞 withdraw は他動詞として申請や提案を取り下げる意味でも使え、自動詞に近い形で withdraw from an organization とすれば組織から脱退する意味になります。
withdrawn は過去分詞のほか、内向的な、引っ込み思案のという形容詞的意味も持ちます。
そのため withdrawn employee を「脱退した従業員」と機械的に訳すのは不自然で、文脈によっては「物静かな従業員」と考える必要があります。
resignとresignationの関連語
resign は動詞、resignation は名詞です。
resign from one’s position は役職を辞任する、submit a resignation は辞表を提出するという意味になります。
| スペル | 品詞 | 意味 | 例 |
|---|---|---|---|
| resign | 動詞 | 辞任する、退職する | resign as director |
| resignation | 名詞 | 辞任、退職 | letter of resignation |
| resigned | 形容詞的用法 | 辞任した、あきらめた様子の | a resigned manager |
| former | 形容詞 | 以前の、元の | a former member |
「脱退した元会員」を英語にする際は former member が簡潔です。
withdrawn member よりも、脱退後の所属状態を自然に説明しやすい言い方 といえます。
departureとdisaffiliationの関連語
departure は出発という意味で有名ですが、組織や方針から離れることを表す場合もあります。
ただし脱退そのものを直接示す言葉としては、withdrawal のほうが誤解が少ないでしょう。
disaffiliation は団体間の提携や加盟関係を解消する意味で使われる名詞です。
大学、労働組合、フランチャイズ、宗教組織など、組織単位での関係解除を説明する文書で見かけます。
affiliate は提携する、加盟するという意味です。
disaffiliate は提携や加盟をやめるという意味で、disaffiliation はその名詞形になります。
個人の退会より、組織同士の関係解消に適した語彙です。
脱退を英語で伝えるビジネス例文
続いては脱退を英語で伝えるビジネス例文を確認していきます。
脱退の意思を丁寧に伝える例文
相手に脱退の意思を伝えるときは、結論だけでなく、対象となる会員資格や組織名、希望日を明記すると親切です。
I would like to withdraw from the association effective September 30.
これは「9月30日付で協会を脱退したく存じます」という丁寧な文です。
I would like to は希望を柔らかく表せるため、初回の連絡にも向いています。
より簡潔に書くなら、Please accept this email as my notice of withdrawal from the association. と表現できます。
契約やプロジェクトから離脱する例文
契約や共同事業では、withdrawal の理由と効力発生日、引き継ぎの有無を記載すると実務上の行き違いを減らせます。
Due to a change in our business priorities, we will withdraw from the project effective October 1.
事業優先順位の変更により、当社は10月1日付でプロジェクトから脱退します。
We will cooperate fully to ensure a smooth transition.
円滑な引き継ぎのため、最大限協力いたします。
will withdraw は意思決定済みの方針を明確に伝える言い方です。
まだ検討段階なら、are considering withdrawing from the project とすれば断定を避けられます。
役職辞任や組織離脱の例文
役職を離れる場合は、withdraw より resign が適しています。
I am writing to resign from my position as treasurer. は「会計係の役職を辞任するため、ご連絡します」という意味です。
組織全体からも離れる場合は、I will resign from the board and leave the organization. のように二つの行為を分けて書くと明瞭になります。
resign は役職や仕事を辞する表現です。
団体そのものから抜ける意味を確実に伝えたい場合は、leave the organization や withdraw from the organization を補うとよいでしょう。
脱退のカタカナ読みと口語表現
続いては脱退のカタカナ読みと、会話で使われる口語表現を確認していきます。
主要語のカタカナ読み
英単語をカタカナで覚える場合は、発音の目安として扱うのがおすすめです。
withdraw は「ウィズドロー」、withdrawal は「ウィズドローアル」、resign は「リザイン」、resignation は「レジグネーション」と読まれます。
leave は「リーブ」、exit は「イグジット」、secede は「セシード」、secession は「セセッション」に近い発音です。
特に withdraw の th は、日本語のザ行だけでは表しにくい音です。
発音を整えたいなら、舌先を軽く歯に触れさせて息を出す感覚を意識すると聞き取りやすくなるでしょう。
カジュアルな会話での言い方
友人同士やチャットでは、I’m leaving the group. や I’m out. のような短い言い方も見られます。
I’m out は「自分は抜けるよ」「今回は参加しないよ」という軽い表現であり、正式な退会届やビジネスメールには向きません。
drop out は学校を中退する、活動から離脱するという意味で使えますが、責任を放棄したような響きになることがあります。
脱退を前向きで丁寧に伝えたい場面では、I’m out より leave や withdraw を選ぶほうが無難です。
略称と短縮形の注意点
「脱退」を表す英語に、幅広く通用する定番の略称はほとんどありません。
チャットで withdrawal を wd と省略する人もいますが、社内限定の省略であり、一般的なビジネス英語とはいえません。
unsubscribe を unsub と短く書くこともありますが、これも非公式なネット上の表現です。
正式な文書では略語に頼らず、withdrawal、cancellation、termination などの正しいスペルを使うほうが信頼感につながります。
脱退の英語表現を選ぶ際の注意点
続いては脱退の英語表現を選ぶ際の注意点を確認していきます。
脱退先と離れる内容の明確化
英語では、何から脱退するのかを from の後に具体的に置くことが重要です。
withdrawal だけでは、出金、撤回、禁断症状など複数の意味を連想させる可能性があります。
withdrawal from the committee、withdrawal from the treaty、withdrawal of the application のように、対象を明確にしましょう。
申請を取り下げる場合は from ではなく of を使うことが多く、人や組織から離れるのか、書類を撤回するのか で前置詞も変わります。
脱退理由の書き方
ビジネス上の通知では、理由を詳細に説明する義務がない場合もあります。
差し障りがなければ due to internal restructuring、due to a change in priorities、for personal reasons のように簡潔にまとめられます。
相手への非難と受け取られる表現を避け、手続きに必要な情報を中心に書くと穏やかな印象になります。
継続中の契約があるときは、契約書に定められた notice period や termination clause も確認したいところです。
退会と撤退と辞任を混同しない工夫
日本語の「脱退」は便利な言葉ですが、英語では状況に合わせて分ける必要があります。
| 日本語 | 推奨される英語 | 避けたい混同 |
|---|---|---|
| サブスクを解約する | cancel a subscription | withdraw from a subscription |
| 役員を辞任する | resign as a director | leave as a director |
| 条約から脱退する | withdraw from a treaty | resign from a treaty |
| 市場から撤退する | exit the market | secede from the market |
| グループを抜ける | leave the group | secede from the group |
語彙の選択に迷ったときは、相手が英語ネイティブかどうかよりも、文章の正式度と法的な影響を優先して考えると判断しやすくなります。
重要な契約解除や国際的な通知では、専門家による確認を受ける方法もあるでしょう。
脱退の英語表記のまとめ
脱退の英語は、正式な離脱なら withdrawal と withdraw、日常的に団体を抜けるなら leave、役職や仕事を辞するなら resign が基本です。
国や地域が政治的に分離する文脈では secession や secede を使いますが、通常の退会には強すぎる表現となります。
会員制サービスでは cancel membership、メール配信では unsubscribe、事業撤退では exit the market など、対象に合った語を選びましょう。
脱退の対象、効力発生日、必要な手続き を明記すれば、ビジネス英語でも意図を正確に伝えやすくなります。