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超音波センサの種類や構造は?基本原理も解説!(圧電素子:送信部・受信部:反射式・透過式:メーカーなど)

超音波センサの基本原理
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超音波センサは、目に見えない音波を使って、物体の有無や距離、液面の高さなどを検出するセンサです。

工場の自動化設備から駐車支援、ロボット、医療機器まで利用範囲が広く、対象物の色や透明度の影響を受けにくい点が特徴です。

ただし、反射式と透過式では検出の考え方が異なり、圧電素子の構造、周波数、測定距離、設置角度によって得意な用途も変わります。

この記事では、超音波センサの基本原理、種類、送信部と受信部の構造、選定時の確認事項、主要メーカーまでをわかりやすく紹介します。

超音波センサの基本原理

超音波センサの基本原理

それではまず超音波センサの基本原理について解説していきます。

超音波と距離測定の関係

超音波とは、人間の耳で聞こえる上限より高い周波数の音波を指します。

一般的な超音波センサでは、数十キロヘルツ帯の音波を空気中へ発射し、対象物から戻る反射波を受信して距離を求めます。

送信してから反射波を受け取るまでの時間を測り、音速と組み合わせることで対象物までの距離を算出する仕組みです。

光ではなく音の伝わる時間を利用するため、黒色のワークや透明フィルムのように光電センサが苦手とする対象にも対応しやすいでしょう。

距離の基本的な考え方は、距離が音速に往復時間を掛けて二で割った値になるというものです。

空気中の音速は温度によって変化するため、高精度な測定では温度補償の有無も重要になります。

なお、超音波は空気だけでなく液体や固体にも伝わりますが、製造現場で使われる非接触センサの多くは空気中を伝わる超音波を利用します。

液中で使う水中ソナーや超音波流量計では、音速やセンサの材料、設置方法が大きく異なります。

圧電素子による送信と受信

超音波センサの中心部品は、電気エネルギーと振動エネルギーを変換する圧電素子です。

圧電素子に交流電圧を加えると素子が伸縮し、その振動が空気へ伝わって超音波となります。

反対に、戻ってきた超音波で圧電素子が振動すると電圧が発生するため、受信信号として取り出せます。

つまり一つの圧電素子は、条件によってスピーカーのような送信役とマイクのような受信役の両方を担えます。

送受信を一つの振動子で行う構成はコンパクトにしやすく、反射式センサで広く採用されています。

検出信号の処理と出力

受信した反射波は非常に小さいため、センサ内部では増幅、ノイズ除去、時間計測、しきい値判定といった処理が行われます。

物体の有無だけを出力するタイプでは、設定距離より手前に反射体があるかどうかを判定し、ONとOFFの信号を出します。

一方、距離センサやアナログ出力タイプでは、測定距離に応じて電圧や電流、IO-Linkなどのデジタル情報を出力します。

検出の安定性は反射波の強さだけでは決まりません。

対象物の角度、材質、表面の粗さ、周囲温度、隣接センサからの干渉なども測定値に影響します。

超音波センサは非接触で測れますが、超音波が届かない至近距離には不感帯があります。

カタログの検出距離だけで判断せず、不感帯、最小検出物体、応答時間まで確認することが安定稼働への近道です。

超音波センサの種類

続いては超音波センサの種類を確認していきます。

反射式の特徴

反射式は、センサから超音波を送信し、対象物で反射した波を同じセンサ、または近接した受信部で受ける方式です。

センサの片側だけを設置すればよいため、設備への取り付けが比較的容易です。

搬送ライン上の箱や袋の有無確認、ロール材の残量確認、液面検出、パレット位置の確認などに使われます。

検出対象そのものを反射板として使えることが、反射式の大きな利点です。

ただし、柔らかい繊維、凹凸の大きい発泡材、超音波を斜めに逃がす傾斜面では、反射波が弱くなる場合があります。

透過式の特徴

透過式は送信部と受信部を向かい合わせに設置し、その間を通る超音波が遮られたかどうかで物体を検出する方式です。

ワーク表面からの反射強度に依存しにくく、検出の再現性を確保しやすい点が魅力でしょう。

透明な容器、薄いシート、色差の少ない物体、液滴の通過など、光学式では条件が難しい対象にも活用できます。

送信側と受信側の芯合わせが必要であり、設置スペースも二方向に必要となります。

しかし、対象物の材質や色によるばらつきを抑えたい工程では、有力な選択肢になります。

距離測定式と近接検出式

超音波センサは、用途に応じて近接検出式と距離測定式にも分けられます。

近接検出式は、設定した範囲に物体が入ったかどうかを判定するため、ONとOFFの制御を中心に使います。

距離測定式は、対象物までの実距離を連続的に出力できるため、液位制御、たわみ量の監視、位置決め、残量計測に向いています。

分類 主な検出方法 適した用途 注意点
反射式 反射波の受信 有無確認、液面、距離測定 角度や吸音材の影響
透過式 超音波の遮断 通過検出、透明物、薄物 送受信部の光軸合わせ
近接検出式 設定範囲でのしきい値判定 停止位置、有無判定 検出距離の設定余裕
距離測定式 往復時間の演算 液位、変位、残量管理 温度変化と応答速度

方式を選ぶ際は、対象物を検出したいのか、遮った事実を検出したいのか、数値として距離を取得したいのかを最初に整理するとよいでしょう。

送信部と受信部の構造

続いては送信部と受信部の構造を確認していきます。

振動子と共振周波数

超音波センサの送信部には、所定の周波数で効率よく振動する圧電振動子が組み込まれています。

振動子が最も大きく振動しやすい周波数を共振周波数と呼び、センサの到達距離や指向性、応答性に関係します。

周波数が低いほど超音波は遠くまで届きやすい傾向がある一方、ビームの広がりは大きくなりやすい特徴があります。

周波数が高いタイプは小さな対象物を捉えやすい反面、空気による減衰の影響を受けやすく、長距離用途には不向きな場合があります。

検出距離だけでなく周波数と指向角の組み合わせを見ることが、誤検出の防止につながります。

ケースと音響面の役割

圧電素子は金属や樹脂のケースに収められ、前面の音響面から超音波を放射します。

ケースは衝撃や水分、粉じんから内部部品を保護するだけでなく、振動子の振動条件を安定させる役割も持ちます。

工場設備では、防水性能、防じん性能、耐薬品性、耐振動性が求められることも少なくありません。

洗浄工程や屋外設備に取り付けるなら、IP規格、使用温度範囲、ケーブル引き出し部の保護構造も確認が必要です。

音響面に油、結露、粉体が付着すると、送受信効率が落ちる可能性があります。

送受信分離型と一体型

送信部と受信部が一体となったタイプは、取り付け箇所を一つにできるため、反射式に適しています。

一方で送受信分離型は、送信器と受信器を別々に置けるため、透過式や特殊な測定レイアウトで利用されます。

分離型は受信感度を高めやすく、反射体の状態に左右されにくい検出を実現できる場合があります。

反射式では、送信から受信まで同じ空間を往復するため、測定距離は超音波の移動距離の半分として計算します。

透過式では、送信部と受信部の間に物体が入って音波が弱まったかどうかを監視します。

一体型か分離型かは、配線のしやすさ、設置スペース、検出対象、必要な安定性を合わせて判断してください。

超音波センサの選定項目

続いては超音波センサの選定項目を確認していきます。

検出距離と不感帯

選定で最初に確認したい項目は、必要な検出距離と不感帯です。

不感帯とは、センサの前面近くで超音波を正しく受信できず、安定した検出が難しい領域を指します。

送信直後は振動子の余韻や受信回路の切り替え時間があるため、至近距離では反射波を判別しにくくなります。

設計上の検出位置が不感帯に近いと、取り付け誤差や温度変化で検出が不安定になるおそれがあります。

実際の使用距離には十分な余裕を持たせることが大切です。

対象物の材質と形状

超音波センサは色に影響されにくい反面、音を反射する条件には影響を受けます。

硬く平らな金属板や樹脂板は反射波を得やすい一方、スポンジ、布、ウレタンフォームなどは音を吸収しやすい素材です。

円筒、網目、穴あき部品、傾斜したワークでは、超音波が受信部へ戻らず、検出距離が短くなることがあります。

対象物の位置や姿勢が変わる設備では、実機テストで反射強度と検出余裕を確認することが欠かせません。

カタログ上の最大検出距離は、標準的な反射板を基準にした値であることが一般的です。

実際のワークが小さい、柔らかい、斜めになっている場合は、最大距離より短い範囲で設計する必要があります。

応答時間と出力方式

高速搬送ラインでは、センサの応答時間と検出周期が生産能力に直結します。

超音波は空気中を伝わる速度が限られるため、長距離を測るほど一回の測定に必要な時間も長くなります。

高速で移動する小物を検出する場合は、必要な応答周波数を満たせるか確認しましょう。

出力方式には、NPN出力、PNP出力、アナログ電圧出力、アナログ電流出力、IO-Link通信対応などがあります。

PLCの入力仕様や既存設備の配線方式に合わないと接続できないため、電気仕様も早い段階で確認することが必要です。

確認項目 確認する内容 選定時の考え方
検出距離 最小距離と最大距離 不感帯を避けて余裕を持たせる
対象物 材質、表面、角度、大きさ 実物に近い条件で評価する
応答性 応答時間、測定周期 搬送速度と最小物体間隔に合わせる
出力 NPN、PNP、アナログ、通信 PLCと制御盤の仕様に合わせる
環境 温度、湿度、粉じん、洗浄 保護等級と耐環境性能を確認する

設置方法と測定精度

続いては設置方法と測定精度を確認していきます。

指向角と設置角度

超音波センサが出す音波には広がりがあり、その範囲を指向角として表します。

対象物が指向範囲に入っていても、表面が斜めなら反射波は別の方向へ逃げることがあります。

平面のワークを測る場合は、原則としてセンサの音響面と対象面をできるだけ正対させると安定します。

容器の液面を測る場合も、液面に対して垂直に取り付けることで、反射波を受信しやすくなります。

角度のわずかなずれが検出余裕を大きく左右するため、調整機構を設ける方法も有効です。

温度補償と環境変化

空気中の音速は温度によって変化するため、距離測定では周囲温度の影響を受けます。

冷蔵倉庫、屋外、乾燥炉の周辺など、温度差が大きい場所では測定誤差が目立ちやすくなります。

温度補償機能を備えた超音波センサなら、内部温度を基に距離演算を補正できるため、変化のある環境でも精度を保ちやすくなります。

音速は気温が高くなるほど速くなる傾向があります。

距離を数値管理する用途では、設置後の校正だけでなく、季節や設備の発熱を考慮した評価が必要です。

湿度や気流も条件によって影響します。

特に強い送風がある場所では超音波の伝搬経路が乱れることがあるため、遮風板の設置や測定位置の見直しを検討しましょう。

複数台使用時の相互干渉

近い場所に複数の超音波センサを配置すると、あるセンサが発した超音波を別のセンサが受信する相互干渉が発生する場合があります。

誤った反射波を受け取ると、検出距離のばらつきや誤動作につながります。

対策としては、センサ同士の距離を取る、向きをずらす、同期機能を使う、発信タイミングを交互にする方法などがあります。

メーカーが示す相互干渉距離は、複数台設置では必ず確認したい仕様です。

現場では、センサ本体だけでなく周辺のフレーム、ガイド、配管からの反射も確認してください。

意図しない固定物が指向範囲に入ると、対象物がない状態でも反射波を拾うことがあります。

超音波センサのメーカーとまとめ

超音波センサの種類、構造、原理を理解すると、検出対象と現場条件に合った製品を選びやすくなります。

国内外にはオムロン、キーエンス、パナソニック インダストリー、IFM、SICK、バナーエンジニアリングなど、産業用センサを扱うメーカーがあります。

各メーカーでは、反射式、透過式、距離測定式、アナログ出力、IO-Link対応、防水仕様など、さまざまなシリーズを展開しています。

メーカー選びでは、検出距離や価格だけでなく、設定方法、表示器の見やすさ、制御機器との接続性、交換品の入手性、技術サポートも比較すると安心です。

圧電素子が超音波を送信し、反射波または透過波を受信することが、超音波センサの基本です。

反射式は片側から設置しやすく、透過式は対象物の反射特性に左右されにくいという違いがあります。

さらに、不感帯、対象物の材質と角度、温度変化、応答時間、相互干渉まで考慮すれば、導入後の誤検出を減らせるでしょう。

カタログ値だけで決めず、実際のワークと設置環境に近い条件で評価することが、超音波センサを長く安定して使うための重要なポイントです。