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RS485のケーブルとは?種類と選び方を解説(ツイストペア:シールド:AWG:配線材料:伝送距離など)

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RS485通信システムの性能と信頼性を決める重要な要素のひとつが「ケーブルの選定」です。

どれだけ優れたトランシーバICを使用しても、ケーブルの品質・種類・配線方法が適切でなければ、長距離通信・ノイズ環境下での信頼性が確保できません。

この記事では、RS485に適したケーブルの種類・ツイストペアケーブルとシールドの役割・AWGと伝送距離の関係・配線材料の選び方・施工上のポイントなどについてわかりやすく解説していきます。

RS485に適したケーブルの基本条件

それではまず、RS485通信に適したケーブルが満たすべき基本条件について解説していきます。

RS485ケーブルに求められる最も基本的な特性は「ツイストペア構造」「適切な特性インピーダンス(100〜120Ω)」「低い静電容量」の三つです。

ツイストペア構造は2本の信号線を均等に撚り合わせることで、外部ノイズが2本の線に同位相で乗りやすくなり、差動受信器によるコモンモードノイズ除去効果を最大化します。

「ただの2芯ケーブル(非撚り線)」をRS485に使用することは避けてください。撚り合わせのない2芯ケーブルでは2本の線がノイズに対して異なる応答を示し、差動信号のノイズ除去効果が大幅に低下します。ツイストペアケーブルの使用がRS485配線の基本原則です。

RS485ケーブルの主要スペック

スペック項目 推奨値・目安 影響する特性
特性インピーダンス 100〜120Ω 終端整合・反射防止
静電容量(pF/m) 50pF/m以下推奨 高速伝送・最大距離
導体断面積(AWG) AWG22〜24推奨 導体抵抗・伝送距離
絶縁材料 ポリエチレン・FEPなど 誘電体損・耐熱性
シールドの有無 ノイズ環境ではシールドあり推奨 外部ノイズ耐性
外被材料 PVC・PUR・LSZH(低煙ゼロハロゲン) 耐環境性・柔軟性

特性インピーダンスの重要性

特性インピーダンスはケーブルの電気的特性を表す重要なパラメータであり、終端抵抗との整合に直結します。

RS485で標準的に使用される終端抵抗は120Ωであるため、特性インピーダンスが120Ω(または100〜120Ω範囲)のケーブルを選ぶことで適切な整合が得られます。

インピーダンス不整合があると信号反射が発生し、特に高速通信時に波形の乱れ・通信エラーが増加します。

ツイストペアケーブルの種類

続いては、RS485で使用されるツイストペアケーブルの種類と選び方について確認していきます。

ツイストペアケーブルにはシールドの有無・シールドの種類によっていくつかの分類があります。

UTPとSTPの違い

ツイストペアケーブルはシールドの有無によって「UTP(Unshielded Twisted Pair:非シールド)」と「STP(Shielded Twisted Pair:シールド付き)」に大別されます。

UTPはシールドがなく、価格が安く取り回しが容易ですが、ノイズ環境での使用には不向きです。

STPはシールドによって外部電磁ノイズを遮蔽でき、工場・産業設備などのノイズ環境での使用に適しています。

産業用RS485通信では原則としてSTPケーブルの使用が推奨されており、特に電力線・インバータ・モーターなどのノイズ源が近い環境では必須です。

シールドの種類

STPケーブルのシールドには次のような種類があります。

「横巻きシールド(スパイラルシールド)」は細い銅線を螺旋状に巻いたもので柔軟性が高く、可動部への配線に向いています。

「編組シールド(ブレードシールド)」は銅線を編み組みした構造で、シールド効果と機械的強度が高い一方で柔軟性はやや低下します。

「アルミ箔シールド(フォイルシールド)」は高周波ノイズへの遮蔽効果が高く、軽量・低コストの特長があります。

高ノイズ環境では「アルミ箔+編組シールド」の二重シールドケーブルが採用されることもあります。

産業用RS485ケーブルの代表的な規格

産業用RS485通信向けに広く使われるケーブルの代表例として「Belden 9841(AWG22・1ペア・シールド付き・120Ω)」「PROFIBUS対応ケーブル(VDE規格・紫色被覆が標準)」「各メーカーの産業用シリアルケーブル(Hitachi・Sumitomo Electricなど)」があります。

PROFIBUSケーブルはRS485と電気的に互換性があり、Modbus RS485通信にも使用できます。

AWGと伝送距離の関係

続いては、ケーブルの導体断面積を表すAWGと伝送距離の関係について確認していきます。

AWG(American Wire Gauge)の数値が小さいほど導体が太く、導体抵抗が低くなります。

AWGと導体抵抗・伝送距離

AWG 導体径(mm) 導体抵抗(Ω/100m) 伝送距離への影響
AWG20 0.812mm 約3.4Ω 長距離対応・やや重い
AWG22 0.644mm 約5.4Ω 長距離〜中距離・推奨品
AWG24 0.511mm 約8.6Ω 中距離・汎用品
AWG26 0.405mm 約13.7Ω 短距離向け・軽量

1200mの最大伝送距離を確保したい場合はAWG22以上(数値が小さい=太い線材)のケーブルを選ぶことが推奨されます。

短距離(100m以内)であればAWG26でも実用上問題ないケースがほとんどですが、将来的な延長・ノード追加を考慮して余裕を持った線材を選ぶことが長期的な運用コスト削減につながります。

RS485ケーブルの施工上のポイント

続いては、RS485ケーブルの施工において品質・信頼性を高めるための重要なポイントについて確認していきます。

配線トポロジーの原則

RS485の推奨配線トポロジーはバス型(デイジーチェーン)です。

1本の幹線から各機器へ順番に接続し、両端に終端抵抗を設置する構成が基本です。

各ノードへの「スタブ(支線)の長さは最小化(一般に1m以下)」することで信号反射を防ぎます。

スター型配線(1点から複数方向へ分岐する配線)はRS485では信号反射・インピーダンス不整合の原因となるため、原則として避けるべき配線方法です。

シールドの接地処理

STPケーブルのシールドは適切に接地処理することでノイズ遮蔽効果を発揮します。

一般的な推奨は「片端接地(マスター機器側でシールドをGNDに接続、スレーブ側は未接続または浮かせる)」です。

両端接地は高周波ノイズには有効ですが、GND電位差がある環境ではシールドに電流が流れ、かえってノイズを誘導するリスクがあります。

シールドの接地点は明確に1か所に限定し、複数の接地点を作らないことが原則です。

ノイズ源との離隔と交差処理

RS485ケーブルは動力線・高圧線・インバータ出力線などのノイズ源から物理的に離して敷設することが重要です。

並行敷設が避けられない場合は、少なくとも20cm以上の間隔を確保し、別系統の配線ダクト・コンジットに収納します。

動力線と信号線を交差させる場合は、直角(90度交差)での交差にとどめ、並行区間を最小化することが誘導ノイズ対策の基本です。

屋外配線では紫外線・雨水・温度変化に耐える耐候性の高い外被材料(UV耐候型PVC・PUR・LZSHなど)を持つケーブルを選択します。

まとめ

この記事では、RS485ケーブルの基本条件・ツイストペアケーブルの種類・シールドの役割・AWGと伝送距離の関係・施工上のポイントについて詳しく解説してきました。

RS485通信の信頼性は使用するケーブルの品質・種類・施工方法によって大きく左右されます。

適切なツイストペアシールドケーブルの選定・正しい配線トポロジー・シールドの接地処理・ノイズ源との離隔を組み合わせることで、長距離・高ノイズ環境でも安定したRS485通信システムが実現できます。

RS485ケーブルの選定と施工に関わるすべての方にとって、この記事が有益な参考情報となれば幸いです。