リベットかしめとは?カシメとの違いと方法を解説!(工具・機械・手順・技術・加工など)というテーマで、今回はリベットかしめの意味・カシメとの違い・具体的な施工方法を詳しく解説します。
「かしめ」「カシメ」という言葉は金属加工の現場でよく聞かれますが、リベットかしめと一般的なカシメ加工はどう違うのか、混乱している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、かしめの基本概念から、リベットかしめの手順・使用工具・品質管理ポイントまで体系的に解説します。
リベットかしめとカシメの違いを明確に解説
それではまず、リベットかしめとカシメ(一般的なカシメ加工)の違いについて解説していきます。
「かしめ(カシメ)」とは広義には、金属や部品に物理的な力を加えて塑性変形させ、部品同士を固定する加工全般を指します。
一方「リベットかしめ」とは、その中でもリベットという専用部品を使用してかしめを行う特定の接合方法を指します。
「かしめ(カシメ)」は加工の概念全般を指し、「リベットかしめ」はその一種です。カシメには他にも、バーリングかしめ・スウェージング・プレスかしめ・スタッドかしめなど多様な手法があります。
カシメ加工の種類には、リベットかしめのほかに以下のものがあります。
バーリングかしめは板材にバーリング加工(穴周りを立ち上げる加工)を施し、その立ち上がり部を変形させてかしめる方法です。
スタッドかしめ(PEMスタッド・プレスインサート)は、板材にスタッドを圧入して固定する方法で、リベットと似ていますがネジ付きスタッドを板に埋め込む点が異なります。
プレスかしめは機械プレスで均一な力をかけて変形させる方法で、大量生産の自動化ラインに向いています。
リベットかしめは専用のリベット部品と工具(リベッター・ナッター)を使い、部材に開けた穴を通じてリベットを変形させて固定する点が特徴です。
| かしめの種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| リベットかしめ | リベット部品使用・片面可能 | 薄板・一般工業・航空機 |
| バーリングかしめ | 板材のみ・部品不要 | 電子機器・シャーシ |
| スタッドかしめ | ネジ付きスタッドを圧入 | 板金・通信機器 |
| プレスかしめ | 均一品質・自動化向き | 自動車・大量生産 |
リベットかしめの最大の利点は片面からの作業(ブラインドリベット)で接合が完結する点で、裏面に手が届かない閉断面・中空部材への適用に優れています。
カシメ加工全体の共通点は「塑性変形による固定」ですが、使用する部品・工具・変形の仕組みがそれぞれ異なります。
リベットかしめの手順と工具
続いては、リベットかしめの具体的な施工手順と使用工具を確認していきます。
リベットかしめの手順はリベットの種類(ブラインドリベット・ソリッドリベット)によって異なります。
【ブラインドリベットかしめの手順】
①使用リベット径に合った下穴を開ける(推奨穴径:リベット径+0.1〜0.2mm)
②リベッターにリベットをセットする
③下穴にリベットを差し込む
④リベッターを引いてマンドレルを引き抜く→かしめ完了
⑤かしめ状態の目視確認・ガタつき確認
ソリッドリベット(中実リベット)のかしめはより複雑で、リベット頭部(フォームドヘッド)をバッキングバーで支えながら、反対側の先端をスナップハンマー・空圧ハンマーで叩いてかしめ頭を形成します。
航空機製造では、このかしめ頭の形状・寸法・硬度が厳密に管理されており、かしめ後の検査が義務付けられています。
リベットかしめ品質の評価指標には、かしめ頭の直径・高さ・中心ずれ・表面の亀裂有無などがあります。
かしめ頭の直径はリベット径の1.4〜1.5倍以上が標準的な合格基準です。
かしめ不足の場合はリベットの固定力が低下し、振動環境で脱落するリスクがあります。
かしめ過多(叩きすぎ)の場合はリベット材に亀裂が入り、接合強度がかえって低下するため注意が必要です。
| かしめ状態 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| かしめ不足 | 引き抜き力不足・グリップ外れ | リベット交換・工具点検 |
| かしめ過多 | 叩き過ぎ・工具設定ミス | リベット除去・打ち直し |
| 共回り | 板厚不一致・工具不良 | グリップ範囲確認・再施工 |
| 表面亀裂 | 材質不適・過大力 | 適正リベット選定 |
下穴の精度管理もかしめ品質に直結します。下穴が大きすぎるとリベットが遊び、かしめても固定力が低下します。
推奨下穴径(リベット径+0.1〜0.2mm)を厳守し、精度の高いドリルビットを使用することが重要です。
リベットかしめの機械と自動化技術
続いては、リベットかしめの機械化・自動化技術について確認していきます。
製造ラインでの大量リベット施工では、手動施工による品質ばらつきを排除するために機械化・自動化が進んでいます。
リベットかしめ機(リベットプレス・リベットマシン)は、一定の押圧・引き抜き力でリベットをかしめる機械で、手動より均一な品質が得られます。
サーボプレス式のリベットかしめ機はかしめ力・ストロークをデジタル制御でき、かしめ完了を力センサー・変位センサーで確認する機能を持つものもあります。
航空機製造では、CNCロボットアームによる自動リベット打ち(ASAR:Automated Structural Assembly Riveting)が採用されており、1日数万本のリベット施工を均一品質で行うことができます。
自動車製造では、セルフピアシングリベット(SPR)と呼ばれる下穴なしでリベットを打ち込む技術が採用されており、アルミボディ製造の効率化に貢献しています。
機械化によるメリットとして、かしめ品質の均一化・生産スピードの向上・作業者の負担軽減が挙げられます。
小規模工場でも卓上型のリベットプレスを導入することで、手動施工の品質ばらつきを大幅に改善できます。
まとめ
リベットかしめとは、リベットを使って塑性変形(かしめ)で部材を永続的に接合する方法で、カシメ加工全般のひとつの手法です。
ブラインドリベットかしめは片面アクセスのみで完結するため、閉断面・薄板への適用に優れています。
かしめ品質はリベット径・下穴精度・工具の引き抜き力・板厚とグリップ範囲の一致によって決まります。
製造ラインでは機械化・自動化によりかしめ品質の均一化と生産効率の向上が実現されています。
正しい手順・適切な工具・精度管理を徹底することで、高品質なリベットかしめ接合が実現できるでしょう。