冷却水を補充・交換した後や、冷却系統を修理した後には「エア抜き」作業が必要になることがあります。
エア抜きを適切に行わないと、冷却性能の低下やオーバーヒートの原因になる場合があります。
この記事では、ラジエーターのエア抜き方法と手順・注意点を詳しく解説します。
ラジエーターのエア抜きとは?必要な理由と基本
それではまず、ラジエーターのエア抜きの意味と必要な理由から解説していきます。
エア抜きとは、冷却システム内に混入した空気(エア)を取り除く作業のことです。
エア抜きが必要になる主な場面:
・冷却水を全量交換した後
・ラジエーターやホース、ウォーターポンプを修理・交換した後
・冷却水が大量に漏れて空になった後
・オーバーヒートが発生した後
冷却システムに空気が混入すると、空気(エア)が気泡となって冷却水の流れを妨げます。
これにより一部の冷却経路が塞がれて局所的な過熱が起き、エンジンが正常に冷却されないオーバーヒートのリスクが高まります。
適切なエア抜きを行うことで冷却システム内に冷却水を完全に満たし、正常な冷却性能を回復させることができます。
エア抜きに必要な工具と準備
一般的なエア抜き作業に必要な主な工具・材料は以下の通りです。
| 工具・材料 | 用途 |
|---|---|
| 適合するクーラント(冷却水) | 補充・充填用 |
| 漏斗(じょうご) | 冷却水の注入補助 |
| タオル・ウエス | こぼれた冷却水の拭き取り |
| 水温計または温度計 | エンジン温度の確認 |
| ラジエーターキャップ用テスター(任意) | 作業後の圧力確認 |
車種によってはエア抜き専用のブリーダーバルブ(エアブリードバルブ)が設けられており、より簡単にエア抜きできる場合もあります。
エア抜きの基本的な手順
一般的なエア抜きの手順は以下の通りです。
まずエンジンが完全に冷えた状態でラジエーターキャップを開け、冷却水をラジエーターの注入口の縁まで満杯に注ぎます。
リザーブタンクも適切な量(MINからMAXの間)に補充します。
次にヒーターを最大設定(熱風が出る状態)にして、エンジンを始動します。
エンジンが暖まってサーモスタットが開き、冷却水が全体に循環し始めると、空気が冷却水と一緒にラジエーター上部に押し出されてきます。
水温が上がりサーモスタットが開いたタイミングで、ラジエーターキャップ開口部から気泡が出なくなるまで冷却水を補充します。
気泡が出なくなったらラジエーターキャップを閉め、リザーブタンクの水位を最終確認してエア抜き完了です。
エア抜き作業の注意点
エア抜き作業を行う際にはいくつかの重要な注意点があります。
エンジンが温かい状態や熱い状態でラジエーターキャップを開けると、内部の高圧・高温の冷却水が噴出して重大な火傷を負う危険があります。
必ずエンジンが完全に冷えてから作業を開始し、それでもキャップを開ける際はタオルを被せてゆっくりと圧力を逃がしながら開けることが重要です。
エア抜き後も数日間は冷却水量を確認し、減少が続く場合は漏れの有無を点検するとよいでしょう。
ラジエーターのエア抜きまとめ
この記事では、ラジエーターのエア抜きの必要性・準備・基本手順・注意点について詳しく解説しました。
冷却水交換や修理後のエア抜きを正しく行うことで、冷却システムの性能を完全に回復させてオーバーヒートのリスクを防ぐことができます。
エア抜きを正しく実施することが、冷却システムの完全復旧とエンジン保護の確実な手段となるでしょう。
今回の内容を参考に、冷却水のメンテナンスにぜひ役立ててみてください。