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空圧回路図とは?読み方や書き方は?(配管図・系統図・設計図・制御図・流れ図・配線図など)

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空圧回路図は、圧縮空気の流れや機器の接続関係を視覚的に表した設計図です。

機器の配置や配管の経路を正確に伝えるために、JIS規格に基づいた統一された図記号が使用されています。

空圧回路図を正しく読み書きできることは、空圧システムの設計・施工・保全において非常に重要なスキルです。

本記事では、空圧回路図の基本的な読み方・書き方・よく使われる図記号・設計のポイントまでを体系的に解説します。

空圧回路図とは何か?基本的な定義と概要

それではまず、空圧回路図の基本的な定義と概要について解説していきます。

空圧回路図(配管図)とは、空圧システムを構成する各機器の接続関係・エアの流れ方向・制御の論理を、統一された図記号を用いて表した設計図書です。

電気回路でいえば電気回路図に相当し、機器の物理的な配置ではなく「機能的なつながり」を表しています。

空圧回路図を見ることで、空気がどこから来てどこへ流れるか、どのバルブが何を制御しているかが一目で把握できます。

設計・製造・保全・トラブルシューティングのいずれの場面でも回路図は必須の情報源となるでしょう。

回路図と配管図・系統図の違い

「回路図」「配管図」「系統図」はしばしば混同されますが、それぞれ異なる目的を持った図面です。

回路図は機能的なつながりを示すもので、機器の物理的な位置関係は表しません。

配管図は実際の配管経路・材料・サイズを示す施工用図面です。

系統図はシステム全体のエア供給経路を概略的に示したもので、主配管の構成を把握するために使います。

これらを適切に使い分けることが、空圧システムの設計・施工・運用において重要なポイントとなります。

空圧回路図で使用される主要な図記号

空圧回路図の図記号はJIS B 0125(ISO 1219準拠)で規定されています。

機器 図記号の特徴
複動シリンダー 両端に矢印付きの長方形
単動シリンダー 片端のみ矢印、反対側はバネ記号
4/2ウェイバルブ 2つのブロックと矢印・ライン
5/2ウェイバルブ 2つのブロック・Pポート×1・Aポート×1・Bポート×1・Rポート×2
フィルタ 菱形の記号
レギュレータ 菱形+調整矢印
ルブリケータ 菱形+オイル滴記号

これらの記号を一つひとつ覚えることが、回路図の読み書きの基礎となります。

バルブのポート表記と動作方向の読み方

バルブの図記号では、ポート(接続口)の数と切替位置の数で表現します。

例えば「4/2ウェイバルブ」は4ポート・2位置切替バルブを意味します。

ブロック(正方形)が切替位置を表し、ブロック内の矢印と線がその位置での流路を示しています。

バルブの操作方式(電磁操作・パイロット操作・手動操作・スプリングリターン)も図記号の左右に追記されます。

空圧回路図の読み方の基本ステップ

続いては、空圧回路図の読み方の基本ステップについて確認していきます。

エア供給側から順番に追う方法

空圧回路図を読む際の基本は、エア供給側(コンプレッサー・FRL)から順番にエアの流れを追うことです。

まずFRLから電磁弁(方向制御バルブ)へのエア供給ラインを確認します。

次に、バルブの現在の位置(通常は非通電状態)での流路を読み取ります。

そのエアがどのアクチュエータのどのポートに接続されているかを確認し、アクチュエータの動作方向を把握します。

制御信号ラインと主エアラインの識別

回路図では、主エアライン(動力配管)と制御信号ライン(パイロット配管)を区別して読む必要があります。

一般的に主エアラインは太い実線、制御信号ラインは細い実線や破線で表されます。

電気信号線は二重線や破線で区別されることが多く、空気信号と電気信号の混在回路では特に注意が必要です。

シーケンス動作の流れを追う方法

シーケンス制御の回路図では、動作順序をステップとして追うことが理解の近道です。

「ステップ1:スタートボタン押下→バルブAが切替→シリンダーA伸び」のように、信号の発生から機器の動作まで順番に追っていきます。

近接センサーやリミットスイッチからの検出信号が次の動作を起動する仕組みを確認することが、シーケンス読解の核心となるでしょう。

空圧回路図の書き方とCADの活用

続いては、空圧回路図の書き方とCADの活用について確認していきます。

手書き・CADによる回路図作成の基本

空圧回路図を作成する際は、まずアクチュエータと主要バルブを配置し、エアの流れに沿って接続ラインを引いていきます。

JIS規格に準拠した図記号を使用し、ポート番号・機器番号・圧力設定値などを適切に記入します。

CADを使用する場合は、空圧機器メーカーが提供する図記号ライブラリを活用することで、正確かつ効率的に回路図を作成できます。

回路図作成時の注意点とチェックポイント

回路図作成時には、すべての機器のポートが適切に接続されているかを確認することが重要です。

特に排気ポート(R・E)の処理は忘れがちであるため注意が必要でしょう。

バルブの初期位置(通電前の状態)と動作時の流路を明確に表記し、誤読を防ぐことが設計図としての品質向上につながります。

安全回路・インターロック・非常停止回路は別途わかりやすく記載することが推奨されます。

回路図の管理と改訂履歴の記録

設計図書として回路図を管理する場合、改訂履歴・作成者・承認者・日付の記録が重要です。

機器の仕様変更や回路の修正時には、必ず回路図も更新し最新状態を維持することが現場での混乱防止につながります。

デジタルデータとして管理し、版管理(バージョン管理)を徹底することが推奨されます。

まとめ

本記事では、空圧回路図の定義・主要図記号・読み方・書き方・CAD活用について詳しく解説しました。

空圧回路図はJIS規格に基づいた統一された図記号を用い、エアの流れと機器の接続関係を視覚的に表現した設計図です。

供給側から順番にエアの流れを追い、バルブの切替位置とアクチュエータの動作方向を確認していく読み方が基本となります。

回路図の読み書き能力を高めることで、設計・施工・保全・トラブルシューティングのすべての場面でより高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。