or回路の記号や真理値表は?(論理式:AND回路・NOT回路との違い:わかりやすくなど)
デジタル機器や制御回路を理解するうえで、論理回路の基本であるOR回路は欠かせない知識です。
記号の見分け方、真理値表の読み方、論理式への置き換え方を押さえると、回路図がぐっと読みやすくなるでしょう。
AND回路やNOT回路と比較しながら、入力と出力の関係を具体例で整理していきます。
OR回路の意味と出力の考え方
それではまずOR回路の基本的な働きについて解説していきます。
いずれかの入力がオンとなる論理
OR回路は、複数の入力のうち少なくとも一つがオンなら出力もオンになる回路です。
オンは一般に1、オフは0で表し、電気回路では電圧がある状態を1、電圧がない状態を0として扱うことが多くなります。
二つの入力AとBを持つOR回路では、Aだけが1の場合も、Bだけが1の場合も、両方が1の場合も出力Yは1です。
出力が0になるのは、AとBがともに0である場合だけです。
この性質は、複数の条件のうちどれか一つでも満たせば動作を許可したい場面に向いています。
OR回路は、複数の条件をまとめて監視し、どれか一つが成立した時点で出力を出すための基本回路です。
身近な動作に置き換えるイメージ
OR回路は、二つのスイッチのどちらかを押すとチャイムが鳴る仕組みとして考えると理解しやすくなります。
玄関の呼び鈴と裏口の呼び鈴のどちらが操作されても、室内のチャイムを鳴らしたい場合が一例です。
また、装置の非常停止信号、温度異常信号、扉の開放信号のうち、いずれかを検出したら警報を作動させる用途にも利用されます。
ただし、実際の安全回路では断線時にも異常を検出できる設計が必要となるため、単純なOR回路だけで判断しないケースもあります。
論理回路で使われる入力と出力
論理回路では、入力をInput、出力をOutputと呼びます。
回路図では入力をA、B、Cなどの英字で表し、出力をYやQで表記することが一般的です。
OR回路は二入力だけでなく、三入力、四入力と入力数を増やすこともできます。
三入力のOR回路なら、A、B、Cのうち一つでも1であればYは1となります。
入力が増えても、すべての入力が0のときだけ出力が0というルールは変わりません。
二入力OR回路では、Aが0でBが1ならYは1です。
Aが1でBが0でもYは1となります。
AとBがともに0のときに限り、Yは0です。
OR回路の記号と回路図の読み取り
続いてはOR回路の記号と、回路図で確認したいポイントを見ていきます。
曲線を持つ基本記号
OR回路の論理記号は、左側に入力線を受ける曲線、右側に出力へ向かう尖った曲線を持つ形です。
入力側が平らなD字形に近いAND回路の記号とは、左側の輪郭に注目すると区別しやすいでしょう。
OR回路記号の左側は、内側へ弧を描くような線で構成されています。
回路図では、左から入力信号が入り、記号の右端から出力信号が出る向きで描かれることが基本です。
この向きを意識すると、複雑な回路図でも信号の流れを追いやすくなります。
IEC記号と米国式記号の違い
論理回路の図記号には、よく使われる米国式の形状記号のほか、IECの考え方に基づく長方形の記号があります。
米国式ではOR回路独特の曲線を見て判断できますが、IEC式では長方形の内部に論理機能を示す文字や記号が入る場合があります。
教材、電子回路図、制御盤図面、海外製装置の資料では表現が異なることもあるため、図面の凡例を確認する習慣が大切です。
記号の形だけではなく、端子名と論理式も合わせて確認することが誤読防止につながります。
否定記号の小さな丸
論理記号の入力端子や出力端子に小さな丸が付いている場合、その信号が否定されていることを表します。
この小さな丸はバブルとも呼ばれ、信号の0と1を反転して扱う目印です。
OR回路の出力側に丸が付くとNOR回路となり、通常のOR回路とは出力条件が反対になります。
つまり、すべての入力が0のときだけ出力が1となり、それ以外では0です。
わずかな丸の有無で機能が変わるため、回路図を読む際には見落とせない部分でしょう。
OR回路の出力端に小さな丸がある記号はNOR回路です。
ORのあとにNOTを加えた回路として理解すると、役割を整理しやすくなります。
OR回路の真理値表と論理式
続いてはOR回路の真理値表と論理式の表し方を確認していきます。
二入力OR回路の真理値表
真理値表は、考えられるすべての入力の組み合わせと、それぞれに対応する出力を一覧にした表です。
二入力では各入力が0または1を取るため、組み合わせは全部で四通りになります。
| 入力A | 入力B | 出力Y | 判定 |
|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 | どちらもオフ |
| 0 | 1 | 1 | Bがオン |
| 1 | 0 | 1 | Aがオン |
| 1 | 1 | 1 | 両方がオン |
表の最初の行だけ出力が0であり、残りの三行はすべて1です。
この並びを覚えるよりも、どちらか一方でも1なら出力が1という意味から導くほうが、応用問題にも対応できます。
プラス記号を使う論理式
OR回路の論理式は、通常、入力の間にプラス記号を置いて表します。
入力AとBのORを出力Yとする場合、式はY=A+Bとなります。
ここでのプラス記号は算数の加算ではなく、論理和を示す記号です。
たとえば1+1は算術では2ですが、論理式では1 OR 1として扱うため出力は1となります。
論理式の+は数値を足す演算ではなく、条件をまとめる論理和だと理解しておきましょう。
OR回路の論理式はY=A+Bです。
A=0、B=1を代入すると、Y=0+1となり出力は1です。
A=1、B=1でも、Y=1+1ではなく論理和としての1になります。
三入力以上の真理値表
三入力OR回路の論理式はY=A+B+Cと書けます。
入力が三つになると真理値表の行数は八通りとなり、すべての入力が0の一行だけが出力0です。
それ以外の七通りでは、少なくとも一つの入力が1なので出力は1になります。
| A | B | C | Y=A+B+C |
|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 | 0 |
| 0 | 0 | 1 | 1 |
| 0 | 1 | 0 | 1 |
| 0 | 1 | 1 | 1 |
| 1 | 0 | 0 | 1 |
| 1 | 1 | 0 | 1 |
| 1 | 1 | 1 | 1 |
入力数がn個なら、真理値表の行数は2のn乗となります。
三入力なら8行、四入力なら16行になるため、入力数が増えるほど表を丁寧に作成することが重要です。
AND回路とNOT回路の違い
続いてはOR回路とAND回路、NOT回路の違いを確認していきます。
AND回路との出力条件
AND回路は、すべての入力が1であるときにだけ出力が1となる論理回路です。
OR回路が条件のどれか一つで成立するのに対し、AND回路は条件がすべてそろう必要があります。
二入力AND回路の論理式はY=A・Bと書き、掛け算に似た中黒で論理積を示します。
| 入力A | 入力B | OR回路 | AND回路 |
|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 | 0 |
| 0 | 1 | 1 | 0 |
| 1 | 0 | 1 | 0 |
| 1 | 1 | 1 | 1 |
OR回路とAND回路の違いがもっとも明確に出るのは、片方だけが1の行です。
OR回路は1を出力しますが、AND回路はもう一方の条件が足りないため0を出力します。
NOT回路との反転動作
NOT回路は入力が一つだけで、入力の値を反転して出力する回路です。
入力Aが0なら出力Yは1となり、Aが1ならYは0となります。
論理式ではY=Aの上に横線を付ける表記や、Y=NOT Aとする表記が使われます。
OR回路は入力を反転せず条件をまとめる回路であり、NOT回路は一つの条件の真偽を反対にする回路です。
ORは条件の追加、NOTは条件の反転と考えると役割が混同しにくくなります。
NOR回路で見るORとNOTの組み合わせ
OR回路の出力をNOT回路に通すと、NOR回路になります。
二入力NOR回路は、AとBがともに0である場合だけ1を出力します。
論理式では、A+Bの全体を否定する形で表します。
ORの結果を反転するため、入力のいずれかが1なら出力は0となります。
OR回路はAまたはBが1なら出力1です。
NOR回路はAまたはBが1なら出力0です。
両方が0のときだけ、NOR回路の出力は1になります。
OR回路の組み合わせと活用例
続いてはOR回路を組み合わせる方法と、実務や学習での活用例を見ていきます。
複数条件をまとめる回路構成
三つ以上の信号をOR条件でまとめたいときは、多入力ORゲートを使うか、二入力ORゲートを複数接続します。
たとえばA、B、Cのいずれかで出力を1にしたい場合、まずAとBをOR回路に入れ、その出力とCを次のOR回路に入れる構成が考えられます。
この場合の結果はY=A+B+Cとなり、多入力OR回路と同じ論理になります。
論理和には結合の順序によって結果が変わらない性質があるため、回路を段階的に構成できます。
警報と許可信号での利用
OR回路は、複数の異常検出器からの信号を一つの警報出力に集約する用途で利用されます。
温度上昇、圧力異常、液面低下のいずれかが発生した場合に警報を出すなら、各センサー信号をOR条件で扱えます。
一方で、装置の起動許可には、扉が閉じていること、保護カバーが正しい位置にあること、非常停止が解除されていることなど、複数条件すべてが必要になることがあります。
このような場合はAND回路の考え方が適しています。
異常を一つでも拾う目的にはOR、必要条件をすべて満たす確認にはANDという使い分けが基本です。
プログラミング条件式との対応
プログラミングでもOR回路と同じ考え方が条件分岐に使われます。
多くの言語では、論理和を表す演算子として二本の縦線が用いられます。
たとえば、ユーザーが管理者である、または編集者である場合に編集を許可する処理は、OR条件として表せます。
ただしプログラムでは、真偽値以外の値が条件判定に関わる場合もあるため、電子回路の0と1だけの世界とは細部が異なります。
基本となる条件の考え方は共通しているため、論理回路の学習はプログラミングの理解にも役立つでしょう。
OR回路は、複数の候補のうち一つでも成立すればよい条件を表現します。
回路図、制御設計、プログラムの条件式で共通する基本概念です。
OR回路の学習手順とまとめ
最後にOR回路を理解するための要点をまとめます。
OR回路は、二つ以上の入力のうち一つでも1があれば、出力を1にする論理回路です。
二入力の場合、真理値表では入力が0と0の組み合わせだけが出力0となります。
論理式はY=A+Bと書きますが、このプラス記号は数の足し算ではなく論理和を表します。
記号は入力側に曲線を持つ形が特徴であり、出力端の小さな丸があればNOR回路として扱います。
AND回路はすべての入力が1のときだけ1となり、NOT回路は入力を反転します。
OR回路はどれか一つ、AND回路はすべて、NOT回路は反対という言葉で整理すると、役割を覚えやすいでしょう。
真理値表を自分で書き、入力の組み合わせごとに出力を確かめる練習を重ねれば、複合論理回路の理解にも自然につながります。