チップLEDという部品名を目にしても、具体的にどのような種類があるのか、パッと思い浮かぶ方は少ないかもしれません。
基板に直接実装できる小型の発光素子として、チップLEDは家電から自動車、スマートフォンまで幅広い製品に組み込まれています。
とはいえ、形状やサイズ、発光色、用途によって呼び方や特性が大きく異なるため、初めて選定する担当者にとっては迷いやすいテーマでしょう。
同じ白い光でも色温度によって印象が変わりますし、同じサイズ表記でもメーカーによって微妙に寸法が異なることもあります。
そこで本記事では、チップLEDの種類は?形状やサイズ別の分類も!(発光色:用途別:砲弾型との違いなど)というテーマに沿って、分類の切り口を整理しながら詳しく解説していきます。
砲弾型LEDとの違いや、実際の選定シーンで役立つポイントも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
チップLEDの種類は形状・サイズ・発光色・用途の4つの軸で分類できる
それではまず、チップLEDの種類を分類する基本の考え方について解説していきます。
結論からお伝えすると、チップLEDの種類は主に形状、サイズ、発光色、用途という4つの軸で整理すると理解しやすくなります。
形状の面では、トップビュータイプやサイドビュータイプなど、光を出す方向や実装方法によっていくつかのバリエーションが存在します。
サイズの面では、1005サイズや2012サイズといった数値コードで表される規格があり、基板の小型化に合わせて選ばれています。
発光色の面では、単色タイプはもちろん、白色や電球色、さらにはフルカラーで発光するRGBタイプまで種類は実に豊富です。
用途の面では、照明用途、表示用途、バックライト用途など、目的に応じて求められるスペックが変わってきます。
そして、よく比較対象となる砲弾型LEDとの違いも押さえておくと、部材選定の精度がぐっと高まるでしょう。
砲弾型LEDはリード線を持つ挿入実装タイプであるのに対し、チップLEDは表面実装タイプという点が最大の違いです。
この違いにより、実装面積や放熱性、量産時のコストにも差が生まれます。
どちらが優れているというより、製品の用途や生産方式に応じて向き不向きがあると考えるとよいでしょう。
チップLEDを選ぶ際は、形状・サイズ・発光色・用途という4つの軸をセットで確認することが失敗を防ぐ最大のポイントです。
どれか一つだけを基準に選んでしまうと、実装後に光量不足や発熱トラブルにつながるケースもあるため注意が必要でしょう。
次の見出し以降では、それぞれの分類軸について、具体例を交えながらさらに詳しく掘り下げていきます。
そもそもチップLEDとは何か、基本構造と特徴
続いては、チップLEDそのものの基本構造と特徴を確認していきます。
チップLEDの基本構造
チップLEDとは、発光ダイオードのチップを樹脂パッケージに封止し、基板へ直接はんだ付けできるようにした表面実装部品を指します。
内部には半導体チップと、電極として機能するリードフレームが組み込まれており、非常にコンパクトな構造になっています。
外形サイズはミリ単位、場合によっては1ミリを切るほど小さく、限られたスペースに多数配置できる点が大きな魅力です。
樹脂パッケージには光の拡散を助ける役割もあり、発光のムラを抑える工夫が施されています。
基板への実装はリフローはんだ付けが一般的で、自動実装機による量産にも適しているのが特徴です。
電極部分は基板側のランドパターンに合わせて設計されており、位置決めの精度が製品の信頼性を左右します。
パッケージ材質には熱に強い樹脂が使われることが多く、リフロー時の高温にも耐えられるよう設計されているのです。
砲弾型LEDとの違い
チップLEDとよく比較されるのが、円柱状の透明樹脂に包まれた砲弾型LEDです。
砲弾型LEDはリード線を基板の穴に差し込んで実装するため、手作業でも扱いやすいというメリットがあります。
一方でチップLEDは表面実装のため、基板の片面にも両面にも高密度で配置できる点が優れています。
指向性にも違いがあり、砲弾型LEDはレンズ効果で光を一点に集めやすいのに対し、チップLEDは比較的広い範囲を均一に照らす傾向があるでしょう。
薄型化が求められる昨今の製品設計においては、厚みを抑えられるチップLEDが選ばれる場面が増えています。
ただし、指向性の高さが必要な用途では、今でも砲弾型LEDに軍配が上がることも少なくありません。
試作段階では扱いやすい砲弾型LEDを使い、量産段階でチップLEDへ切り替えるという進め方をする現場もあるようです。
コストの面でも、量産数量が多いほどチップLEDのほうが単価を抑えやすい傾向にあります。
チップLEDが普及した背景
スマートフォンや薄型テレビなど、機器の小型化と薄型化が進んだことがチップLED普及の大きな要因です。
自動実装機との相性の良さも、量産コストを抑えるうえで欠かせないポイントでした。
さらに、白色LEDの高輝度化が進んだことで、照明用途にもチップLEDが積極的に採用されるようになりました。
今では家電製品はもちろん、車載照明や産業機器まで、あらゆる分野で目にする存在になっています。
環境負荷の低減という観点からも、水銀を使わず長寿命なLED光源への置き換えは今後さらに加速していくでしょう。
形状別に見るチップLEDの種類
続いては、形状の違いに注目してチップLEDの種類を確認していきます。
トップビュータイプ
トップビュータイプは、基板に対して垂直方向、つまり真上に向かって発光する形状のチップLEDです。
表示用途やインジケーターランプなど、正面から視認する機器に多く採用されています。
パッケージの上部が発光面になっているため、光を遮るものが少なく、視認性を確保しやすい点が魅力でしょう。
操作パネルの電源表示や、状態を知らせるステータスランプなど、身近な場面で見かける形状といえます。
サイドビュータイプ
サイドビュータイプは、基板に対して水平方向、つまり横向きに発光する形状のチップLEDを指します。
液晶ディスプレイのバックライトや、薄型機器のエッジ部分からの照明など、限られた厚み方向のスペースを有効活用したい場面で重宝されています。
実装面から見て光が横方向に広がるため、導光板と組み合わせる設計との相性が良いのも特徴です。
薄型のノートパソコンや携帯ゲーム機の画面照明にも、このタイプが多く採用されてきました。
表面実装型ならではの派生形状
近年では、トップビューとサイドビューの中間的な特性を持つ形状や、放熱性を高めるために金属基板を採用した形状も登場しています。
複数のチップを一つのパッケージに集積し、複数色を同時に発光できるようにした形状も存在します。
こうした派生形状は、デザイン性や省スペース性を重視する製品でニーズが高まっているといえるでしょう。
用途が特殊になるほど、標準品ではなくカスタム形状で対応するケースも増えてくるものです。
サイズ別に見るチップLEDの種類とサイズ表記の読み方
続いては、サイズによる分類と、サイズ表記の見方について確認していきます。
代表的なサイズ規格
チップLEDのサイズは、多くの場合4桁の数字で表記されており、この数字は縦横の寸法をミリ表記で示したものです。
たとえば1005というサイズ表記であれば、縦0.5ミリ、横1.0ミリ程度という非常に小さなサイズを意味します。
代表的なサイズをまとめると、以下の表のようになります。
| サイズ表記 | おおよその寸法 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 1005 | 縦0.5mm×横1.0mm程度 | 超小型機器のインジケーター |
| 1608 | 縦0.8mm×横1.6mm程度 | スマートフォンなどの表示用途 |
| 2012 | 縦1.2mm×横2.0mm程度 | 家電製品の状態表示 |
| 3216 | 縦1.6mm×横3.2mm程度 | 汎用インジケーター全般 |
| 3528 | 縦2.8mm×横3.5mm程度 | 照明やバックライト |
| 5050 | 縦5.0mm×横5.0mm程度 | 高輝度照明やRGB表示 |
表からもわかるように、数字が大きくなるほどパッケージサイズも大きくなり、搭載できるチップの数や輝度にも余裕が生まれます。
同じ4桁のサイズ表記でも、メーカーによって実寸が微妙に異なる場合があるため、設計時にはデータシートでの確認が欠かせません。
サイズ選定のポイント
サイズを選定する際は、単純に小さければ良いというわけではなく、必要な輝度と実装スペースのバランスを見極めることが大切です。
基板の面積に余裕がある場合は、あえて大きめのサイズを選び、放熱性や輝度に余裕を持たせる設計も検討する価値があるでしょう。
逆に携帯機器やウェアラブル端末のような極小スペースでは、1005や1608といった小型サイズが選ばれる傾向にあります。
基板の他部品とのクリアランスも考慮しながら、実装機の精度に見合ったサイズを選ぶことが求められます。
小型化がもたらすメリットとデメリット
小型化が進むことで、基板上に多数のLEDを高密度に配置できるようになり、デザインの自由度は大きく広がります。
一方で、サイズが小さくなるほど放熱面積も減るため、大電流を流すと発熱によって寿命が縮んでしまう恐れがあります。
そのため、小型サイズを選ぶ際は、定格電流や許容損失といったスペックも合わせて確認しておきたいところです。
放熱パターンの設計や、周囲部品との熱干渉についても、あらかじめシミュレーションしておくと安心でしょう。
発光色による分類と選び方のポイント
続いては、発光色に注目したチップLEDの種類について確認していきます。
単色LEDの種類
単色LEDには、赤色、緑色、青色、黄色、橙色など、化合物半導体の材料によってさまざまな発光色が用意されています。
赤色や黄色にはガリウムヒ素系やガリウムリン系の材料が使われることが多く、青色や緑色には窒化ガリウム系の材料が主流です。
用途に応じて、視認性の高い色を選ぶことが表示機器の使いやすさに直結するでしょう。
警告表示には赤色、正常動作の表示には緑色というように、色そのものに意味を持たせる設計も一般的です。
白色LEDと色温度の違い
白色LEDは、青色LEDに黄色の蛍光体を組み合わせることで白色光を作り出す方式が広く採用されています。
同じ白色と呼ばれていても、電球色、昼白色、昼光色といった色温度の違いによって印象は大きく変わります。
温かみのある空間には電球色、作業効率を重視する空間には昼白色や昼光色が選ばれる傾向にあるでしょう。
色温度の単位にはケルビンが使われ、数値が低いほど赤みがかった暖かい光に、数値が高いほど青みがかった涼しげな光になります。
フルカラーやRGBタイプの仕組み
フルカラータイプのチップLEDは、赤、緑、青の3色のチップを一つのパッケージに内蔵し、それぞれの発光量を調整することで多彩な色を再現しています。
たとえば赤を最大、緑と青を最小に近づけると赤色に近い発光になり、三色をバランスよく発光させると白色に近づけることも可能です。
イルミネーションや装飾照明、大型ディスプレイなど、色の演出が重要な用途で広く活用されています。
制御方式によっては、時間の経過とともに色をゆるやかに変化させる演出も実現できるのです。
用途別に見るチップLEDの活用シーン
続いては、実際にどのような用途でチップLEDが使われているのか確認していきます。
家電・照明分野での活用
テレビやエアコンの動作ランプ、炊飯器の表示パネルなど、身近な家電製品の多くにチップLEDが組み込まれています。
近年では、蛍光灯に代わる照明器具の光源としても、チップLEDが主役の座を担うようになりました。
省電力性と長寿命という特長が、家電メーカーにとって大きな採用理由になっているのでしょう。
ダウンライトやシーリングライトの内部にも、多数のチップLEDが並べて実装されています。
自動車・産業機器での活用
自動車のメーターパネルやルームランプ、ウインカーなど、車載分野でもチップLEDの採用は年々広がっています。
振動や温度変化に強い信頼性の高さが、過酷な環境で使用される産業機器にも適しているといえるでしょう。
耐熱性や耐久性を重視する用途では、パッケージ材質や放熱設計まで踏み込んで選定することが欠かせません。
工場内の制御盤や計測機器の状態表示にも、信頼性の高いチップLEDが数多く使われています。
スマートフォンやウェアラブル機器での活用
スマートフォンの通知ランプやカメラ用のフラッシュにも、小型化されたチップLEDが活躍しています。
スマートウォッチやワイヤレスイヤホンといったウェアラブル機器では、極小サイズのチップLEDが充電状態や動作状態を知らせる役割を担っています。
限られたスペースに機能を詰め込む必要があるからこそ、小型かつ高効率なチップLEDの存在が欠かせないのです。
今後もウェアラブル市場の拡大とともに、さらなる小型化と省電力化が進んでいくと考えられます。
まとめ
今回は、チップLEDの種類は?形状やサイズ別の分類も!(発光色:用途別:砲弾型との違いなど)というテーマで、分類の考え方を整理しながら解説してきました。
チップLEDの種類は、形状、サイズ、発光色、用途という4つの軸で捉えると、格段に選定がしやすくなります。
砲弾型LEDとの違いを理解しておくことも、実装方式や指向性を踏まえた最適な部材選びにつながるでしょう。
今回紹介した表や分類の考え方を、ぜひ実際の製品設計や部材選定の場面で役立てていただければ幸いです。