電子基板の設計や部品選定をしていると、チップLEDのサイズ表記が複数あって混乱してしまうことはありませんか。
同じ部品なのに「1608」と表記されていたり「0603」と書かれていたりして、どちらが正しいのか分からなくなる方も多いはずです。
実はこれらはどちらも正しい表記であり、インチ呼称とミリ換算という異なる基準から生まれた名称なのです。
本記事ではチップLEDのサイズは?規格ごとの大きさ一覧も!(インチ呼称:mm換算:号数表記など)というテーマで、サイズ表記の仕組みから代表的な規格の一覧、選定時の注意点までを詳しく解説していきます。
基板設計初心者の方から、部品調達の実務を担当している方まで、幅広く役立つ内容になっています。
チップLEDのサイズ表記に不安がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
チップLEDのサイズはインチ呼称と号数表記のどちらでも読み解ける
それではまずチップLEDのサイズの基本的な考え方について解説していきます。
結論からお伝えすると、チップLEDのサイズはインチ呼称と号数表記(mm換算)のどちらを基準にしても正確に読み解けるようになっています。
チップLEDの型番には多くの場合、数字4桁が使われています。
この4桁の数字が、縦と横の長さをそれぞれ2桁ずつで表す仕組みになっているのです。
ただし基準となる単位がインチ系とミリ系で異なるため、同じ物理サイズでも表記が変わってしまいます。
チップLEDのサイズ表記には大きく分けて2種類があります。
ひとつはインチを基準にした呼称で、もうひとつはミリメートルを基準にした号数表記です。
この2つを混同してしまうと、部品選定や基板設計でミスにつながる恐れがあるため注意が必要でしょう。
例えば「0603」というインチ呼称は、縦0.03インチ×横0.06インチというサイズを意味します。
これをミリメートルに換算すると、おおよそ1.6mm×0.8mmというサイズになります。
そしてこのミリ換算後のサイズが、号数表記では「1608」と呼ばれるのです。
つまり「0603」と「1608」は、呼び方こそ違えど同じ部品を指していることが多いといえます。
この対応関係を理解しておくことが、チップLEDのサイズを正しく把握する第一歩になるでしょう。
チップLEDのサイズ表記方法について詳しく確認する
続いてはチップLEDのサイズ表記方法について、より詳しく確認していきます。
先ほど触れたとおり、チップLEDのサイズには主に3つの表現方法が存在します。
インチ呼称による表記
インチ呼称は、アメリカで生まれたEIA規格に基づく表記方法です。
数字の上2桁が縦の長さ、下2桁が横の長さをそれぞれ0.01インチ単位で示しています。
例えば「1206」であれば、縦0.12インチ×横0.06インチという意味になります。
電子部品の世界では長らくアメリカ発祥の規格が主流だったため、今でも英語圏の資料や海外メーカーのデータシートではインチ呼称がよく使われています。
海外製の部品を扱う機会が多い方は、このインチ呼称に慣れておくと便利でしょう。
mm換算による表記
mm換算は、インチ呼称の数値をそのままミリメートルに変換した表現方法です。
先ほどの「1206」であれば、縦約3.2mm×横約1.6mmというサイズに相当します。
日本国内の設計現場では、直感的にサイズをイメージしやすいミリメートル表記が好まれる傾向にあります。
データシートに実寸のmm値が記載されているケースも多く、基板レイアウトの検討時にはこちらの数値を確認することになるでしょう。
号数表記(JIS規格)
号数表記は、日本のJIS規格に基づくミリメートル基準の呼び方です。
数字の上2桁が縦の長さ、下2桁が横の長さを0.1mm単位で表しています。
例えば「3216」であれば、縦3.2mm×横1.6mmという意味になります。
この号数表記は、先ほどのインチ呼称「1206」と実質的に同じサイズを指しているのです。
国内メーカーのカタログでは、この号数表記が採用されているケースが非常に多く見られます。
インチ呼称1206は、縦0.12インチ×横0.06インチです。
これをミリメートルに換算すると、縦約3.2mm×横約1.6mmになります。
号数表記ではこのサイズを3216と表し、数値の並び順が入れ替わる点に注意が必要でしょう。
チップLEDの規格ごとのサイズ一覧表
続いては具体的な規格ごとのサイズについて、一覧表で確認していきます。
チップLEDには小型から大型まで幅広いサイズ展開があり、用途によって最適な選択肢が変わってきます。
小型サイズのチップLED
まずは基板の小型化や高密度実装に向いている、小型サイズのチップLEDから見ていきましょう。
| インチ呼称 | 号数表記 | mm換算サイズ(縦×横) | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 0402 | 1005 | 約1.0mm×0.5mm | 超小型基板、ウェアラブル機器 |
| 0603 | 1608 | 約1.6mm×0.8mm | スマートフォン、小型センサー |
| 0805 | 2012 | 約2.0mm×1.25mm | 汎用インジケーター、家電製品 |
1005サイズはお米よりもさらに小さいレベルの大きさで、実装には高い技術力が求められます。
1608サイズは非常に広く普及しており、汎用性の高いサイズといえるでしょう。
中型サイズのチップLED
次に、視認性と実装のしやすさのバランスが取れた中型サイズを確認していきます。
| インチ呼称 | 号数表記 | mm換算サイズ(縦×横) | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 1206 | 3216 | 約3.2mm×1.6mm | 照明用インジケーター、操作パネル |
| 1210 | 3225 | 約3.2mm×2.5mm | 高輝度が求められる表示灯 |
3216サイズは手作業でのはんだ付けもしやすく、試作段階でもよく採用されています。
視認性を重視する製品には、こうした中型サイズが選ばれることが多いでしょう。
大型サイズのチップLED
最後に、照明用途などで採用される大型サイズを見ていきます。
| 号数表記 | mm換算サイズ(縦×横) | 主な用途 |
|---|---|---|
| 3528 | 約3.5mm×2.8mm | テープライト、簡易照明 |
| 5050 | 約5.0mm×5.0mm | 室内照明、看板照明 |
| 5630 | 約5.6mm×3.0mm | 高輝度照明、屋外用サイン |
大型サイズになるほど発光面積が広くなり、より高い明るさを得やすくなります。
ただし基板上の占有面積も大きくなるため、実装スペースとのバランスを考える必要があるでしょう。
チップLEDのサイズを選ぶときに注意したいポイント
続いてはチップLEDのサイズを選ぶ際に、注意しておきたいポイントを確認していきます。
基板の実装スペースとの兼ね合い
まず考えるべきなのは、基板上にどれだけの実装スペースを確保できるかという点です。
小型化が求められる製品では、1005や1608といった小さめのサイズが選ばれやすい傾向にあります。
一方で、手作業での実装や修理のしやすさを重視するなら、あえて大きめのサイズを選ぶという判断もあり得るでしょう。
必要な明るさ(輝度)とのバランス
次に見落としがちなのが、サイズと明るさの関係です。
一般的にチップサイズが大きくなるほど、発光チップを搭載できる面積が広がり、明るさを確保しやすくなります。
逆に小型サイズを選ぶと、同じ明るさを得るために電流を増やす必要が出てくることもあるのです。
結果として発熱量が増え、寿命に影響を及ぼす可能性も否定できません。
表記の読み間違いによる発注ミス
そしてもうひとつ重要なのが、表記の読み間違いによる発注ミスを防ぐことです。
インチ呼称と号数表記は数字の並びが異なるため、うっかり混同してしまうケースが少なくありません。
特に海外メーカーと国内メーカーの部品を混在させて発注する場合は、どちらの表記なのかを必ず確認するようにしましょう。
発注ミスを防ぐ最も確実な方法は、サイズ表記だけでなくmm換算の実寸値までデータシートで確認することです。
型番の数字だけを見て判断するのではなく、必ず実際の寸法値と照らし合わせる習慣をつけておきましょう。
チップLEDのサイズが性能に与える影響
続いてはチップLEDのサイズが、実際の性能面にどのような影響を与えるのかを確認していきます。
輝度と視野角への影響
チップサイズが大きくなるほど、発光素子自体のサイズも大きく確保できる傾向にあります。
そのため大型サイズのチップLEDほど、高い輝度を実現しやすいといえるでしょう。
また封止樹脂の形状によって視野角も変化するため、サイズと合わせてレンズ形状も確認しておくと安心です。
放熱性と寿命への影響
放熱性についても、サイズは無視できない要素です。
チップサイズが小さいと、パッケージ自体の熱容量が小さくなり、熱がこもりやすくなります。
高出力な用途で小型サイズを無理に使用すると、寿命が短くなってしまう恐れがあるのです。
放熱パッドの有無や基板側の放熱設計もあわせて検討する必要があるでしょう。
実装密度と生産性への影響
最後に、実装密度と生産性の観点からも見ていきましょう。
小型サイズのチップLEDは基板上に多数配置しやすく、高密度な実装に向いています。
一方で小型になるほど自動実装機の精度が求められ、部品コストや検査コストが上がるケースもあります。
大型サイズは手作業での実装がしやすく、少量生産や試作段階との相性が良いといえるでしょう。
チップLEDのサイズ表記を読み解くコツと実例
続いては、チップLEDのサイズ表記を実際に読み解くコツを、具体例とあわせて確認していきます。
4桁の数字を2桁ずつ分けて考える
まず基本のコツは、型番の4桁の数字を上2桁と下2桁に分けて考えることです。
上2桁が縦の長さ、下2桁が横の長さを表しているという原則を押さえておけば、初めて見る型番でもおおよそのサイズを推測できます。
インチ表記か号数表記かを見極める
次に大切なのは、その数字がインチ呼称なのか号数表記なのかを見極めることです。
データシートの発行元がアメリカ系メーカーであればインチ呼称、国内メーカーであれば号数表記である可能性が高いでしょう。
迷った場合は、データシートに記載されている実寸のmm数値を直接確認するのが確実です。
実例で確認するサイズ換算
最後に、実際の換算例を確認してみましょう。
インチ呼称0805は、縦0.08インチ×横0.05インチというサイズです。
ミリメートルに換算すると、縦約2.0mm×横約1.25mmになります。
号数表記ではこれを2012と表記し、家電製品のインジケーターなどによく使われています。
このように具体例を通じて確認することで、表記の違いに戸惑うことなくサイズを把握できるようになるでしょう。
普段からこうした換算に慣れておくと、部品選定のスピードも自然と上がっていくはずです。
まとめ
今回はチップLEDのサイズは?規格ごとの大きさ一覧も!(インチ呼称:mm換算:号数表記など)というテーマで解説してきました。
チップLEDのサイズには、インチ呼称・mm換算・号数表記という3つの見方があります。
これらは基準となる単位が異なるだけで、根本的には同じ物理サイズを別の角度から表現しているに過ぎません。
1005や1608といった小型サイズから、5050や5630といった大型サイズまで、用途に応じて適切なチップLEDを選ぶことが重要です。
サイズを選ぶ際は、実装スペースだけでなく輝度や放熱性、生産性とのバランスもあわせて検討しましょう。
表記の読み間違いは発注ミスにつながりやすいため、必ずデータシートの実寸値で最終確認することをおすすめします。
本記事の一覧表や換算のコツを活用しながら、目的に合ったチップLEDのサイズ選定に役立てていただければ幸いです。