科学・技術

バッテリーの内部抵抗とは?測定方法と目安も(鉛蓄電池・リチウムイオン・劣化判定・テスター使用・交流法など)

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バッテリーの健全性を評価する重要な指標が内部抵抗です。

「バッテリーの内部抵抗ってどのくらいが正常?」「劣化したらどう変わるの?」という疑問を持つ方に向けて、本記事では各種バッテリーの内部抵抗の目安・測定方法・劣化との関係・判定基準まで、実践的に解説します。

バッテリーの内部抵抗の目安(結論)

それではまず、代表的なバッテリーの内部抵抗の目安について解説していきます。

バッテリーの内部抵抗は種類・容量・温度・劣化状態によって大きく異なります。

バッテリー種類 新品時の内部抵抗目安 交換目安(劣化時)
自動車用鉛蓄電池(12V・60Ah) 5〜10mΩ 20mΩ以上で要注意
リチウムイオン電池(スマートフォン用) 100〜300mΩ 600mΩ以上で要交換
リチウムイオン電池(EV用セル) 1〜5mΩ 劣化で2〜3倍増大
ニッケル水素電池(単3形) 20〜50mΩ 100mΩ以上で要交換
アルカリ乾電池(単3形) 100〜300mΩ 使用とともに増大

バッテリーの内部抵抗と劣化の関係:一般的に内部抵抗は劣化(充放電サイクル・経年変化・温度ストレス)によって増大します。内部抵抗が2倍以上になったバッテリーは、大電流放電時の電圧低下が大きくなり、実用的な性能が著しく低下しています。

テスターによる内部抵抗測定の手順

デジタルマルチメータ(DMM)を使ったバッテリー内部抵抗の簡易測定手順を示します。

【DMMを使った内部抵抗の簡易測定手順】

手順1:DMMで開路電圧E(無負荷時)を測定・記録します

手順2:既知の抵抗値Rの負荷を接続します(抵抗値はバッテリー容量に応じて選択)

手順3:負荷接続後すぐに端子電圧Vと電流Iを測定します

手順4:内部抵抗 r = (E-V)/I で計算します

注意:大電流での測定は短時間(数秒以内)に行い、バッテリーの過放電・発熱に注意します

交流法(1kHz法)による内部抵抗測定

より精密な内部抵抗測定には、1kHzの交流信号を使った交流インピーダンス測定(1kHz法)が広く採用されています。

この方法は専用のバッテリーテスター(Hioki・Fluke・Midtronicsなど)で実施でき、短時間(数秒)で高精度の内部抵抗値が得られます。

1kHz法で測定される内部抵抗は主に電解液抵抗と電極の接触抵抗を反映しており、直流法と比べてバッテリー状態への影響なしに測定できるメリットがあります。

自動車整備工場・バッテリー製造ライン・電力貯蔵設備の保守では1kHz法が業界標準の測定方法として普及しています。

劣化診断への活用

バッテリーの内部抵抗は劣化の進行とともに増大するため、定期的な内部抵抗の測定・記録・トレンド管理がバッテリーの予防保全に有効です。

自動車用鉛蓄電池では、内部抵抗が新品時の2〜3倍以上になると冷間始動性能(CCA:Cold Cranking Amps)が著しく低下し、特に冬季の始動失敗リスクが高まります。

リチウムイオン電池(EV・PHV)では、内部抵抗の増大が充電受け入れ能力の低下・最大出力の低下・回生制動効率の低下として現れます。

まとめ

本記事では、各種バッテリーの内部抵抗の目安・テスターによる測定手順・交流1kHz法の特徴・劣化診断への活用まで詳しく解説しました。

バッテリーの内部抵抗は劣化のバロメーターであり、定期測定によって予防保全・交換タイミングの最適化が実現できます。

本記事がバッテリー内部抵抗への理解を深める一助となれば幸いです。