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分解能の求め方は?計算方法と測定技術を解説!(calculation method:測定手順:技術的算出:システム評価:性能測定など)

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測定機器や計測システムを選定・評価する際、「分解能の求め方」は基礎的かつ重要な知識です。

分解能の計算方法は、対象とするシステムや測定している物理量によって異なりますが、基本的な原理と計算手順を理解することで、あらゆる場面に応用できるようになります。

本記事では、分解能の求め方を体系的に解説します。

ADコンバーター(ADC)のビット数からの計算・エンコーダーの分解能算出・光学系の分解能計算・センサーの最小識別量の求め方まで、技術的な算出方法を具体的な数値例とともにわかりやすく説明していきます。

システム評価や性能測定に役立てていただける内容となっているでしょう。

分解能の基本的な求め方——「測定レンジ÷識別段階数」が基本公式

それではまず、分解能の基本的な求め方と根本的な考え方について解説していきます。

分解能を求める最も基本的な考え方は、「測定できる全範囲(フルスケール)を、識別できる段階数で割る」というものです。

分解能の基本公式

分解能 = 測定レンジ(フルスケール) ÷ 識別段階数

識別段階数はシステムによって決まります(例:ADCではビット数から2ⁿ段階)

この公式は、ADコンバーター・センサー・エンコーダーなど多くのシステムに共通して適用できる基本的なアプローチです。

ADコンバーターの分解能の求め方——ビット数と測定レンジから計算

ADコンバーター(ADC)の分解能計算は、デジタル計測システムの設計において最も基本的な計算のひとつです。

【ADCの分解能計算】

分解能(1LSB) = フルスケールレンジ ÷ 2ⁿ(nはビット数)

例1:レンジ0〜5V、8bitADCの場合

分解能 = 5V ÷ 256 ≒ 19.5mV

例2:レンジ±10V(合計20V)、12bitADCの場合

分解能 = 20V ÷ 4096 ≒ 4.88mV

例3:レンジ0〜3.3V、16bitADCの場合

分解能 = 3.3V ÷ 65536 ≒ 50.4μV

この計算値が「理論的な最小識別電圧」であり、これより小さな電圧変化はデジタル化の際に切り捨てられることになります。

センサーの分解能の求め方——最小識別量と感度から計算

センサーの分解能を求める方法には、いくつかのアプローチがあります。

センサーの感度(出力変化÷入力変化)とADCの最小識別電圧がわかっている場合は、以下の式で分解能を算出できます。

【センサーシステムの分解能計算】

分解能 = ADCの1LSB ÷ センサー感度

例:温度センサーの感度が10mV/℃、ADCの1LSBが4.88mVの場合

分解能 = 4.88mV ÷ 10mV/℃ = 0.488℃

→ 約0.5℃の温度変化を識別できる

このように、センサーシステム全体の分解能はセンサー感度とADC性能の組み合わせで決まることがわかります。

光学系の分解能の求め方——レイリー基準とアッベ基準

光学系(顕微鏡・望遠鏡・カメラ)の空間分解能を求める方法として、「レイリー基準」と「アッベ基準」が代表的です。

【光学系の分解能計算】

レイリー基準(遠視野光学系):

d = 1.22 × λ / D(λ:波長、D:口径)

例:λ=550nm、D=100mm(口径10cm)の望遠鏡

d = 1.22 × 550×10⁻⁹ / 0.1 = 6.71×10⁻⁶ rad ≒ 1.38秒角

アッベ基準(光学顕微鏡):

d = λ / (2 × NA)(NA:開口数)

例:λ=550nm、NA=1.25(油浸対物レンズ)

d = 550nm / (2 × 1.25) = 220nm

これらの計算式により、光学系の設計段階で理論的な分解能の上限を予測することが可能です。

エンコーダーとパルス系測定の分解能算出方法

続いては、エンコーダーやパルスを使った測定システムの分解能算出方法を確認していきます。

回転機械や位置制御システムでは、エンコーダーの分解能が制御精度を決定する重要な指標です。

ロータリーエンコーダーの分解能の求め方

ロータリーエンコーダーの分解能は、1回転あたりのパルス数(PPR:Pulses Per Revolution)で表されます。

【ロータリーエンコーダーの角度分解能計算】

角度分解能 = 360° ÷ PPR

例:PPR = 360の場合 → 分解能 = 360° ÷ 360 = 1°/パルス

例:PPR = 1000の場合 → 分解能 = 360° ÷ 1000 = 0.36°/パルス

例:PPR = 10000の場合 → 分解能 = 360° ÷ 10000 = 0.036°/パルス

逓倍処理(×4)を使用する場合:実効PPR = PPR × 4

多くのエンコーダーシステムでは、A相・B相の2つのパルス信号を利用した「4逓倍」処理により、実効的な分解能を4倍に向上させることができます。

リニアエンコーダーの分解能計算

リニアエンコーダー(直線変位計)の分解能は、グレーティングのピッチと補間分割数から求められます。

【リニアエンコーダーの分解能計算】

分解能 = グレーティングピッチ ÷ 補間分割数

例:ピッチ20μm、分割数20の場合 → 分解能 = 20μm ÷ 20 = 1μm

例:ピッチ4μm、分割数100の場合 → 分解能 = 4μm ÷ 100 = 40nm

高精度な補間回路技術の向上により、現代のリニアエンコーダーでは1nm以下の高分解能を実現するものも市場に存在します。

パルス幅測定・周波数カウンターの分解能算出

時間・周波数の測定における分解能は、測定ゲート時間やクロック周波数から計算できます。

周波数カウンターの分解能は「ゲート時間の逆数」で表され、ゲート時間1秒の場合の分解能は1Hzです。

【周波数カウンターの分解能計算】

周波数分解能 = 1 ÷ ゲート時間

ゲート時間1秒 → 分解能1Hz

ゲート時間10秒 → 分解能0.1Hz

ゲート時間0.1秒 → 分解能10Hz

時間間隔測定では「シングルショット分解能」が重要で、一般的なタイムインターバルアナライザーではピコ秒(10⁻¹²秒)オーダーの分解能を持つものが存在します。

実際の測定から分解能を評価する手順——実験的な性能測定法

続いては、実際の測定実験から分解能を評価・確認するための実践的な手順を確認していきます。

理論計算で求めた分解能が実際のシステムで達成されているかを確認するには、実験的な評価が必要です。

ステップ応答法による分解能の実測評価

測定システムの実効的な分解能を実験的に評価する方法として、「ステップ応答法」があります。

これは、測定量を既知の微小ステップで変化させ、システムがそれを識別できるかどうかを確認する方法です。

たとえば、変位センサーの分解能評価であれば、精密なピエゾアクチュエーターを使って1nm単位でステップ移動させ、センサー出力が変化するかを観察します。

出力が変化し始める最小のステップ量がその系の実効的な分解能と見なすことができます。

ノイズフロアの測定——分解能の実際の制限要因

実際の測定システムでは、理論的な分解能に加えてノイズが実効分解能を制限する主な要因となります。

測定入力を固定した状態でシステム出力の変動(ノイズ)を長時間記録し、その標準偏差(σ)を求めることで、ノイズ相当の分解能限界を評価できます。

一般的に実効分解能は「ノイズの±3σ(99.7%信頼区間)」と比較されることが多く、S/N比の改善が高分解能測定の実現に不可欠です。

周波数応答測定——時間分解能と帯域幅の評価

時間分解能(帯域幅)の実験的評価には、周波数応答測定が有効です。

システムに正弦波入力を与え、周波数を変化させながら出力の振幅比・位相差を測定し、「-3dB周波数(カットオフ周波数)」を求めます。

このカットオフ周波数がシステムの実効的な帯域幅であり、時間分解能(最小識別時間)はその逆数に相当します。

帯域幅と時間分解能の関係は「時間分解能 ≒ 0.35 ÷ 帯域幅(Hz)」という経験則が広く使われているでしょう。

分解能の計算に必要な知識——測定技術の基礎を固める

続いては、分解能の計算を正確に行うために必要な測定技術の基礎知識を確認していきます。

分解能の計算は単独の公式で完結するものではなく、関連する測定の基礎概念と組み合わせて理解することが重要です。

確度・精密度・分解能の三角関係

測定の品質を評価する際に重要なのが「確度(accuracy)」「精密度(precision)」「分解能(resolution)」の3つの概念です。

指標 意味 例え
確度(accuracy) 真値との近さ 的の中心に近いかどうか
精密度(precision) 繰り返し測定の一致度 何度打っても同じ場所に当たるか
分解能(resolution) 識別できる最小変化量 的の目盛りがどれだけ細かいか

高分解能でも確度が低ければ意味がなく、逆に確度が高くても分解能が低ければ細かな変化を見逃します。

3つの指標をバランスよく評価することが、適切な測定システムの選定と評価の基本といえます。

ダイナミックレンジと分解能の組み合わせ評価

ダイナミックレンジとは、測定できる最大値と最小値の比率を表す指標で、分解能と組み合わせてシステムの総合性能を評価します。

ダイナミックレンジが広く、かつ分解能が高いシステムは、微小な変化から大きな変化まで幅広くカバーできる高性能なシステムといえます。

ADCでは「ダイナミックレンジ ≒ 20log₁₀(2ⁿ) = 6.02n [dB]」で計算でき、16bitなら約96dBのダイナミックレンジを持ちます。

測定不確かさと分解能の関係——ISO/GUMに基づく評価

国際的な測定標準であるGUM(Guide to the Expression of Uncertainty in Measurement)では、分解能は測定不確かさの一要因として扱われます。

デジタル表示の場合、最下位桁の半分(±0.5LSB)を一様分布と仮定し、不確かさへの寄与はLSB ÷ √12として計算するのが一般的です。

システム評価においては、分解能による不確かさ成分を他の要因(熱ドリフト・非線形誤差など)と組み合わせて合成不確かさを求めることが、国際基準に沿った測定品質評価の方法です。

まとめ

本記事では、分解能の求め方は?計算方法と測定技術を解説!(calculation method:測定手順:技術的算出:システム評価:性能測定など)というテーマで解説してきました。

分解能の基本的な求め方は「測定レンジ ÷ 識別段階数」という公式で表され、ADC・センサー・エンコーダー・光学系など各システムにこの原理を応用することで分解能を算出できます。

理論値の計算だけでなく、ノイズフロアの測定・ステップ応答評価・周波数応答測定などの実験的手法でシステムの実効的な分解能を確認することも重要です。

確度・精密度・ダイナミックレンジとの組み合わせ評価により、測定システムの総合性能を正しく把握し、目的に合った機器選定と設計を行うことが、高品質な計測技術の実現につながるでしょう。