張という漢字の読み方と意味は?部首や画数、熟語も解説!
「張」は、日常でよく見かける一方で、読み方や意味が場面によって変わる漢字です。
「緊張」「主張」のような熟語では音読みが使われ、名字や地名では異なる読み方に出会うこともあります。
また、弓を引きしぼる様子を表した成り立ちを知ると、「広がる」「強める」といった意味のつながりも理解しやすくなるでしょう。
この記事では、「張」の読み方、意味、部首、画数、代表的な熟語、書き方のポイントまで順に解説します。
張の読み方と意味の基本

それではまず張の読み方と意味について解説していきます。
音読みと訓読みの種類
「張」の代表的な音読みは「チョウ」、訓読みは「はる」です。
音読みの「チョウ」は、「緊張」「主張」「出張」のような二字熟語で広く使われます。
訓読みの「はる」は、糸や紙を広げて固定する意味の「幕を張る」「ポスターを張る」などで使われる読み方です。
人名では「はる」「のぶ」などの読みが当てられる場合もありますが、これは名乗り読みとして扱われます。
名字の「張」は、中国系の姓として「チャン」と読むことがあり、日本語の通常の音訓とは区別して考えると分かりやすいでしょう。
「はる」と読むときは、単に物を貼り付けるだけではなく、空間に広げる、力を加えて引き伸ばすという感覚を含みます。
たとえば「テントを張る」は布を広げて支柱に固定することを指し、「網を張る」は目的の範囲に網を広げることを表します。
一方で「貼る」は、のりなどで紙やシールを付ける意味が中心です。壁に写真を付ける場合は「写真を貼る」と書くのが一般的です。
音読み チョウ 緊張、主張、出張
訓読み はる 幕を張る、網を張る、気を張る
名乗り はる、のぶ 人名に使われる読み
読み方を選ぶときは、前後の漢字や文全体の意味を確認することが大切です。
広げる意味と力を加える意味
「張」には、広げる意味と、引きしぼって力を加える意味があります。
「張る」の基本には、弓の弦を強く引く動作があります。
弦を引くと、たるんでいたものがまっすぐになり、内側には強い力がたまります。
このイメージから、幕、網、テントのように何かを広げる意味が生まれました。
さらに、神経や注意を集中させる「気を張る」、身体を強く保つ「胸を張る」といった表現にも使われます。
「胸を張る」は、姿勢を正して胸を前に出す動作から、自信を持つ様子を表す言い方になっています。
「気を張る」は、気持ちをゆるめず、周囲に注意を向けている状態です。大切な試験や接客中に集中している場面を思い浮かべると理解しやすいでしょう。
また、「根を張る」は植物の根が土の中へ広がる意味から、ある土地や組織にしっかり定着する比喩としても使われます。
「生活の基盤を築き、その地域に根を張る」のように書けば、長く腰を据える様子が自然に伝わります。
引き伸ばす力、外へ広がる形、緊張を保つ状態という共通したイメージを押さえると、熟語の意味も読み取りやすくなります。
意味を一つに限定せず、何がどのように広がるのかを考えると使い分けに役立ちます。
弓と長から成る漢字の成り立ち
「張」は、弓を長く引き伸ばす様子を表した会意文字とされています。
左側の「弓」は、文字どおり武器や道具としての弓を表す部首です。
右側の「長」には、長いこと、伸びること、成長することなどの意味があります。
弓と長を組み合わせることで、弓の弦を引き、長く張り渡す動きが示されました。
漢字の成り立ちを知ると、「張力」や「緊張」に力がたまる感覚が含まれる理由も理解できます。
「張力」は、糸、ばね、膜などが引っ張られたときに働く力を指す言葉です。
「緊張」は、ゆるみがなく張りつめた状態を意味し、身体や精神についても使われます。発表前に肩や表情がこわばる状態は、緊張の身近な例です。
「主張」は、自分の考えをはっきりと示して相手に伝えることです。
意見を前へ出すという意味では、内側の考えを外へ張り出すようなイメージで捉えることもできます。
弓を引く 弦を強く引きしぼる動作
物を張る 幕や網を広げて固定する動作
気を張る 心をゆるめず注意を保つ状態
意見を主張する 考えを外へ明確に示す行為
字源をすべて暗記しなくても、弓を引く姿を思い出せば意味の中心をつかみやすくなります。
部首と画数から見る漢字の特徴
続いては部首と画数から見る漢字の特徴を確認していきます。
弓部と総画数の確認
「張」の部首は弓部で、総画数は11画です。
部首は左側にある「弓」で、辞書では弓部に分類されます。
「張」を構成する「弓」は3画、「長」は8画として数え、合計で11画になります。
漢和辞典や国語辞典で調べるときは、部首索引から弓部を探し、画数を手がかりにすると見つけやすいでしょう。
同じ弓部には、「引」「弱」「強」「弦」など、弓や引く動作と関係の深い漢字が含まれています。
ただし、「張」は日常で使われる頻度が高く、意味も広がっているため、必ずしも弓の場面だけで使われるわけではありません。
部首は漢字の意味を知る入口になりますが、熟語では全体の意味を確認する必要があります。
たとえば「出張」は、弓を使って外へ出ることではなく、職場を離れて別の場所で業務を行うことです。
「張本人」も、広げる動作とは直接結び付かず、ある出来事を起こした中心人物を指します。
漢字一字の原義と熟語の意味を分けて考えることが、正確な理解につながります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 漢字 | 張 |
| 部首 | 弓 |
| 部首名 | ゆみ、ゆみへん |
| 総画数 | 11画 |
| 音読み | チョウ |
| 訓読み | はる |
| 漢字のイメージ | 弓を引く、広げる、力を保つ |
部首と画数をセットで覚えておくと、手書きの漢字を辞書で確認したいときにも便利です。
書き順と形を整えるポイント
「張」は、左の弓を整えてから右の長を書くと、全体のバランスを取りやすくなります。
「張」は左右に分かれた形の漢字なので、片方だけが大きくなりすぎないよう注意が必要です。
最初に左側の「弓」をやや細めに書くと、右側の「長」を入れる余白を確保できます。
「弓」の横線や折れは水平を意識し、縦の線を極端に曲げないことがポイントです。
右側の「長」は、上部を詰め込みすぎず、下へ向かう線を伸びやかに書くと安定します。
特に最後のはらいが短すぎると、右側が窮屈に見えることがあります。
一方で、はらいを長くしすぎると「弓」との間隔が狭まり、文字全体が横に広がりすぎるでしょう。
小学校で習う漢字ではありませんが、住所、名前、熟語などで書く機会は少なくありません。
履歴書や案内文のように読みやすさが求められる場面では、画数の多い右側を急いで崩さないことが大切です。
「弓」と「長」の境目を詰めすぎず、中央に適度な空間を残すことも見やすい字につながります。
正しい書き順を意識しながら何度か書くと、部首と構成も自然に覚えられます。
代表的な熟語と場面別の使い方
続いては代表的な熟語と場面別の使い方を確認していきます。
気持ちや状態を表す熟語
気持ちや状態を表す熟語では、「緊張」がもっとも身近な「張」の使い方です。
「緊張」は、心身が張りつめてゆるみのない状態を指します。
「人前で話す直前なので緊張している」のように、不安や集中が強まる場面で使われます。
ただし、緊張は悪い意味だけではなく、適度な緊張によって注意力が高まることもあります。
「緊張感」は、その場に漂う張りつめた雰囲気を表す言葉です。
会議で重要な発表が始まる前や、試合の終盤などには「会場に緊張感がある」と表現できます。
「誇張」は、実際よりも大きく見せたり、強く言ったりすることです。
「広告の表現が誇張されている」と書く場合は、事実以上に印象を強めているという意味になります。
「主張」は、自分の意見や考えを明確に述べることです。相手を否定することではなく、根拠を添えて考えを伝える行為として使われます。
「初めての司会で緊張したが、深呼吸して落ち着いた。」
「数字を誇張せず、事実に基づいて説明してください。」
「自分の主張と相手の意見を分けて整理する。」
熟語は一字ずつの意味だけで決めず、慣用的なまとまりとして覚えると自然な文章になります。
仕事や移動に関する熟語
「出張」は、仕事のために普段の勤務地を離れて別の場所へ行くことを表します。
出張は、営業先の訪問、展示会への参加、研修、現地確認など、さまざまな業務で使われる言葉です。
「来週は大阪へ出張します」と言えば、仕事上の目的で大阪へ行く予定だと伝わります。
旅行や私的な外出には通常「出張」を使わないため、目的を区別することが必要です。
「출장」という韓国語表記を見かけることもありますが、日本語の文書では「出張」と書きます。
「張り込み」は、特定の場所で人や状況を見守り、必要な情報を得ようとする行為です。
報道、警察、調査などの文脈で用いられることが多く、「駅前で張り込みを続けた」のように使われます。
日常会話で冗談として使う場合もありますが、相手を監視するような印象を与えることがあるため、軽い場面では注意が必要でしょう。
「張り切る」は、意欲を高めて積極的に取り組むことです。
「新しい仕事を任されて張り切っている」は自然ですが、相手が疲れている状況で「もっと張り切って」と言うと負担に感じさせることもあります。
| 熟語 | 読み方 | 意味 | 使われやすい場面 |
|---|---|---|---|
| 出張 | しゅっちょう | 仕事で勤務地以外へ行くこと | 業務連絡、予定表 |
| 張り込み | はりこみ | 一定の場所で待機して見守ること | 報道、調査 |
| 張り切る | はりきる | 意欲を高めて励むこと | 会話、応援 |
| 出張所 | しゅっちょうじょ | 本所から離れた場所に設ける事務所 | 行政、企業案内 |
| 張本人 | ちょうほんにん | 出来事を起こした中心人物 | 報道、説明文 |
仕事に関する語は、社内文書では略さず、目的地や期間も添えると内容が明確になります。
物を広げる動作に関する表現
物を広げて一定の形に保つときには、「張る」という訓読みが使われます。
「幕を張る」は、布を広げて仕切りや覆いにする場面で使われます。
「テントを張る」は、野外で布と骨組みを組み立て、寝泊まりできる空間を作ることです。
「網を張る」は、魚や虫を捕るために網を広げる場合のほか、見張りや監視の体制を整える比喩としても使われます。
「ロープを張る」は、境界を示したり、物を固定したりするためにロープを引き渡す動作を表します。
「氷が張る」は、人が広げるのではなく、水面に氷が一面にできる自然現象です。
「池に薄い氷が張った」という文では、氷が表面を覆うように広がったことを示します。
「根を張る」は、植物の根が土へ伸び広がる意味と、ある場所に定着する比喩的な意味の両方があります。
「会場に机を並べ、案内用のロープを張った」のように、何をどこに張ったのかを具体的に書くと文章が分かりやすくなります。
「貼る」と混同しやすい語ですが、紙や切手を接着する場合は「貼る」、空間に広げて固定する場合は「張る」を選びます。
| 表現 | 主な意味 | 自然な使用例 |
|---|---|---|
| 幕を張る | 布を広げて仕切る | 会場の入口に幕を張る |
| テントを張る | 野営用の設備を設置する | 川辺にテントを張る |
| 網を張る | 網を広げて仕掛ける | 庭に鳥よけの網を張る |
| ロープを張る | ロープを引き渡して固定する | 立入禁止の場所にロープを張る |
| 氷が張る | 水面に氷が広がる | 朝には池に氷が張った |
| 根を張る | 根が広がる、定着する | この町に根を張って暮らす |
対象が面を覆うのか、何かを接着するのかを考えると、漢字の選択で迷いにくくなります。
間違えやすい表記と使い分け
続いては間違えやすい表記と使い分けを確認していきます。
張ると貼るの意味の違い
「張る」は広げて保つこと、「貼る」は物を表面に付着させることが基本の違いです。
「張る」と「貼る」はどちらも「はる」と読むため、文章を書くときに迷いやすい組み合わせです。
「ポスターを壁に貼る」は、のり、テープ、画びょうなどで紙を壁面に付ける動作なので「貼る」を使います。
「壁に幕を張る」は、幕を広げて空間を覆う動作なので「張る」が適切です。
「切手を貼る」「ラベルを貼る」「湿布を貼る」も、接着する意味で「貼る」と書きます。
「防虫ネットを張る」「結界を張る」「アンテナ線を張る」は、広げる、引き渡す、設けるという意味なので「張る」です。
「見栄を張る」は、実際以上によく見せようとする意味で、接着とは関係がありません。
「借金のかたに土地を張る」のような古い表現もありますが、日常的な文章では無理に使う必要はないでしょう。
迷ったときは、対象が紙や小さな物なのか、面、線、範囲、気持ちなのかを確認する方法が役立ちます。
ただし、慣用表現では意味だけで判断しにくい場合もあるため、「気を張る」「見栄を張る」などは語句のまとまりで覚えると安心です。
変換候補だけで決めず、前後の言葉と動作の内容を読み直す習慣を付けましょう。
張力と緊張の言葉の使い分け
「張力」は物理的な力を指し、「緊張」は心身や場の張りつめた状態を指します。
「張力」は、糸、ワイヤー、膜、ばねなどが引っ張られたときに内部に生じる力を表す専門的な言葉です。
理科や工学では、「ロープに張力がかかる」のように、物体に働く力として用います。
「緊張」は、精神的な状態にも、筋肉がこわばる身体的な状態にも使える一般的な語です。
「面接で緊張する」は自然ですが、「面接で張力がかかる」とは通常言いません。
反対に、橋を支えるケーブルについて「緊張している」と表現することはありますが、技術的な説明では「張力が働く」としたほうが正確です。
「緊張感」は、人の感情だけでなく、対立や重要な局面による場の空気にも使えます。
「会議室に緊張感が漂った」という文では、参加者が慎重になっている雰囲気を表せます。
専門用語と日常語を区別すると、説明文の正確さと読みやすさを両立しやすくなるでしょう。
同じ「張」のイメージを持つ言葉でも、扱う対象が力なのか、心や雰囲気なのかを見分けることが重要です。
物理の説明 ワイヤーには大きな張力が働く。
気持ちの説明 発表の前は緊張して声が小さくなった。
場の説明 試合終了直前、会場には緊張感があった。
言葉を選ぶ前に、説明したい対象を具体的にすると、より自然な表現になります。
張の意味と使い方のまとめ
「張」は、弓を引きしぼるイメージをもとに、広げる、引き伸ばす、力を保つという意味を持つ漢字です。
代表的な読み方は音読みの「チョウ」と、訓読みの「はる」です。
部首は弓部で、総画数は11画になります。
「緊張」「主張」「出張」のような熟語では、語全体の意味を確認して読むことが大切です。
「幕を張る」「網を張る」のように広げる動作には「張る」を使い、紙やシールを接着する場合は「貼る」を使います。
「張力」は物に働く力を表し、「緊張」は心身や場の張りつめた状態を表す点も押さえておきましょう。
部首、成り立ち、熟語を結び付けて覚えると、初めて見る表現にも意味を推測しやすくなります。
文章で「張」を使うときは、何を広げるのか、何が張りつめているのかを考えながら、前後の言葉に合う表記を選んでみてください。