リベット抜きパンチとは?使い方と工具を解説!(抜き工具・取り外し・穴あけ・手順・方法など)というテーマで、今回はリベット抜きパンチの基本概念・種類・使い方・手順を詳しく解説していきます。
リベットを取り外す際に必要となる「リベット抜きパンチ」は、リベット除去専用の工具として金属加工・板金・自動車整備の現場で活躍しています。
リベット抜きパンチを正しく使用することで、板材を傷めずに効率よくリベットを除去することができます。
この記事では、リベット抜きパンチの種類・使い方・注意点・関連工具を体系的に解説します。
リベット抜きパンチとは何か?種類と仕組みを解説
それではまず、リベット抜きパンチの基本的な定義・種類・仕組みについて解説していきます。
リベット抜きパンチとは、取り付け済みのリベットをかしめ頭側から打ち抜いて除去するための専用工具です。
リベットの頭部(フォームドヘッドまたはかしめ頭)に対して正確に位置決めし、ハンマーで叩いてリベットを板材から押し出すことで除去します。
リベット抜きパンチを使用する最大のメリットは板材の下穴を原形のまま残せる可能性が高い点です。ドリルでリベットを削り取る方法と比較して、下穴の拡大・変形リスクが低く、同じサイズのリベットで打ち直しができます。
リベット抜きパンチの種類は以下の通りです。
センターパンチ型は先端が細く尖った形状で、リベットのマンドレル穴(中央の穴)に差し込んでハンマーで打ち抜くタイプです。ブラインドリベットの除去に使用します。
フラットパンチ型は先端が平らな円形で、ソリッドリベットのかしめ頭をリベット径に合わせた先端で押し出すタイプです。
段付きパンチ型(ステップパンチ)は、先端がリベットのかしめ頭より小さく根元に向かって段が付いた形状で、かしめ頭を打ち落としてからリベット軸を押し出す2段階の作業に適しています。
ドリルガイド付きパンチは、パンチとドリルガイドが一体化した工具で、リベット中央を精度よくドリルで削り取る際のガイドとして使用します。
| 種類 | 形状 | 主な用途 | 対象リベット |
|---|---|---|---|
| センターパンチ型 | 細先端 | マンドレル穴からの押し出し | ブラインドリベット |
| フラットパンチ型 | 平先端(径対応) | かしめ頭の押し出し | ソリッドリベット |
| 段付きパンチ型 | ステップ形状 | 頭部打ち落とし+軸押し出し | 各種リベット |
| ドリルガイド付き | ガイド付き | ドリルによる中央削り取り | ソリッド・ブラインド |
リベットのサイズ(軸径)に合わせたパンチ径の選定が必要で、径が合っていないと板材に傷がつくかリベットが正確に押し出せません。
パンチ径はリベット軸径より0.1〜0.3mm小さいものを選ぶと、板材の下穴に当たらずリベット軸のみを打ち抜けます。
リベット抜きパンチの使い方と手順
続いては、リベット抜きパンチの具体的な使い方と手順を確認していきます。
リベット除去作業では、事前にリベットの種類(ブラインド・ソリッド)と軸径を確認してから適切なパンチを選定します。
【ブラインドリベット除去の手順(センターパンチ使用)】
①リベットのフランジ(頭部)側を確認する
②センターパンチ先端をリベットのマンドレル穴(中央の穴)に差し込む
③パンチをリベット軸方向に垂直に保ちながらハンマーで打つ
④リベットが板材から押し出されたら、裏側から引き抜いて除去完了
⑤下穴のバリをリーマーまたは細ヤスリで整える
【ソリッドリベット除去の手順(段付きパンチ使用)】
①タガネまたはドリル(リベット径より小さいビット)でかしめ頭の中央に穴を開ける
②段付きパンチでかしめ頭を打ち落とす
③フラットパンチでリベット軸を板材から押し出す
④下穴のバリ取りを行い完了
作業時の注意点として、パンチを板材に対して垂直に保つことが最も重要です。
斜めに打つと板材に傷がつき、下穴が変形するリスクがあります。
パンチの位置決めをしっかり行ってから打ち込むために、最初は軽くハンマーで当てて位置を確認し、確認できたら本打ちをするとよいでしょう。
硬いステンレス・スチールリベットの除去では、パンチが滑りやすいため、先にセンターポンチでリベット中央に小さなへこみ(センター穴)を作ってからパンチを当てると位置ずれを防げます。
打ち抜き時に板材が動かないよう、バイス(万力)またはクランプで固定してから作業することも重要です。
| 注意ポイント | 内容 | 対策 |
|---|---|---|
| パンチの垂直保持 | 斜め打ちで下穴変形 | バイス固定・ゆっくり位置確認 |
| サイズ一致 | 径不一致で板材傷つき | リベット径に合ったパンチ選定 |
| 素材固定 | 打ち込み時の素材ズレ | バイス・クランプで固定 |
| バリ取り | バリが残ると次のリベット装着不良 | リーマー・ヤスリで整える |
リベット除去後の下穴が拡大・変形してしまった場合は、リーマーで整えてから一回り大きいサイズのリベットで打ち直すか、穴を溶接で埋めて再加工する方法があります。
除去作業前にリベット周辺を養生テープで保護すると、パンチが滑った際の板材への傷つきリスクを低減できます。
リベット除去に使う関連工具と選び方
続いては、リベット除去に使用する関連工具とその選び方を確認していきます。
リベット除去作業では、リベット抜きパンチ単体ではなく、複数の工具を組み合わせることで効率よく安全に作業できます。
ドリルビット(センタードリル・ステップドリル)は、ソリッドリベットや硬いブラインドリベットの除去でリベット頭部を削り取る際に使用します。
リベット径より少し小さいドリルビット(例:φ4.0mmリベットにφ3.5mmビット)で中央を削ると、板材の下穴への影響を最小限に抑えられます。
リーマー(ハンドリーマー)はリベット除去後の下穴の内径を整え、バリを除去するための工具です。
下穴の精度を維持するために、除去後は必ずリーマーで仕上げる習慣をつけることをおすすめします。
バイス(万力)・クランプは板材の固定に必須で、特に薄板や大きな部材のリベット除去では確実な固定が安全作業の基本です。
リベット抜きパンチのセット品(複数径のパンチが揃ったセット)は、φ3.0〜φ6.0mmなど複数サイズが揃っており、コストパフォーマンスが高いためまとめての購入がおすすめです。
| 工具 | 用途 | 選定ポイント |
|---|---|---|
| リベット抜きパンチ | リベット軸の押し出し | リベット軸径より0.1〜0.3mm小 |
| ドリルビット | リベット頭部の削り取り | リベット軸径より小さい径 |
| リーマー | 下穴の仕上げ・バリ取り | 下穴径に合わせた径 |
| バイス・クランプ | 板材の固定 | 作業スペースに合ったタイプ |
| 養生テープ | 板材表面の保護 | 剥がした際に糊残りしないもの |
専用工具セット(リベット除去キット)はECサイト・工具専門店で販売されており、初めてリベット除去作業を行う方にとってセット購入が最も効率的です。
まとめ
リベット抜きパンチはリベットをかしめ頭から打ち抜いて除去するための専用工具で、センターパンチ型・フラットパンチ型・段付きパンチ型などがあります。
リベット軸径に合ったパンチ径の選定・垂直方向への打ち込み・板材の確実な固定が安全・正確な除去作業の3大ポイントです。
ドリルビット・リーマー・バイスなどの関連工具と組み合わせることで、効率よく・板材へのダメージを最小限に抑えたリベット除去が実現します。
除去後は下穴のバリ取りを必ず行い、新しいリベットで打ち直す際の品質確保に努めることが重要です。
リベット抜きパンチの正しい使い方を習得することで、板金・自動車整備・機械修理などあらゆるリベット除去作業を安全かつ効率的に行えるでしょう。