健康食品として注目されているおからですが、カリウムの含有量について気になる方も多いのではないでしょうか。特に腎臓病を患っている方や透析を受けている方にとって、カリウムの摂取量は重要な管理項目の一つです。
おからは大豆から豆腐を作る際に出る副産物で、食物繊維やタンパク質が豊富に含まれていることで知られています。しかし、カリウムの含有量についてはあまり詳しく知られていないのが現状です。
本記事では、おからのカリウム含有量について詳しく解説し、一般的な摂取目安量から腎臓病や透析を受けている方の制限量まで、幅広い情報をお伝えします。
おからはカリウムが多い?含有量や一般的な摂取目安量は?
それではまず、おからのカリウム含有量について詳しく解説していきます。
おからのカリウム含有量は、100gあたり約230mgとされています。
これは他の食品と比較すると中程度の含有量といえるでしょう。参考までに、カリウムが多いとされる食品との比較を以下の表にまとめました。
食品名 | カリウム含有量(100gあたり) |
---|---|
おから | 約230mg |
バナナ | 約360mg |
アボカド | 約720mg |
ほうれん草 | 約690mg |
じゃがいも | 約410mg |
トマト | 約290mg |
この表からも分かるように、おからのカリウム含有量は比較的控えめです。
しかし、おからの特徴として、一度に摂取する量が多くなりがちな点が挙げられます。おからクッキーやおからサラダ、おからハンバーグなど、様々な料理に活用されるおからは、知らず知らずのうちに多量に摂取してしまうことがあります。
一般的な成人のカリウム摂取目安量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、男性で1日あたり3,000mg以上、女性で2,600mg以上とされています。この基準から考えると、おから100gで約230mgのカリウムを摂取することになるため、通常の食事の一部として適量を摂取する分には問題ないといえるでしょう。
ただし、おからを主食として大量に摂取する場合や、他のカリウムを多く含む食品と組み合わせて摂取する場合は、総カリウム摂取量に注意が必要です。特に、おからパウダーを使用した料理では、水分が抜けているため、同じ重量でもカリウム含有量が濃縮されている可能性があります。
おからのカリウム含有量と腎臓・透析での制限量目安(きちんと医師に相談が必要)
続いては、腎臓病患者や透析患者の方におけるカリウム制限について確認していきます。
腎臓病を患っている方や透析を受けている方にとって、カリウムの摂取量管理は非常に重要です。健康な腎臓であれば、余分なカリウムは尿として体外に排出されますが、腎機能が低下している場合、この排出機能が十分に働かないため、血中のカリウム濃度が上昇し、高カリウム血症を引き起こす可能性があります。
一般的に、腎臓病患者の場合、1日のカリウム摂取量は1,500mg~2,000mg程度に制限されることが多いとされています。透析患者の場合は、さらに厳格な制限が必要で、1日あたり1,500mg以下に抑えることが推奨される場合もあります。
カリウムの単位について説明すると、mg(ミリグラム)の他に、mEq(ミリ当量)という単位も使用されます。カリウムの場合、1mEqは約39mgに相当します。つまり、おから100gに含まれるカリウム230mgは、約5.9mEqということになります。
項目 | mg | mEq |
---|---|---|
おから100g中のカリウム | 230mg | 約5.9mEq |
腎臓病患者の制限量目安 | 1,500~2,000mg | 約38.5~51.3mEq |
透析患者の制限量目安 | 1,500mg以下 | 約38.5mEq以下 |
腎臓病や透析を受けている方の場合、おからの摂取については特に慎重な検討が必要です。例えば、1日のカリウム制限量が1,500mgの場合、おから100gで約230mgを摂取することになるため、他の食品からのカリウム摂取量を考慮すると、おからの摂取量は相当制限する必要があるでしょう。
また、おからは食物繊維が豊富なため、腎臓病患者の方には便秘解消などの効果も期待できますが、カリウム制限がある場合は、医師や管理栄養士との相談なしに自己判断で摂取することは避けるべきです。
透析患者の場合、透析によってカリウムはある程度除去されますが、透析と透析の間の期間(透析間隔)でカリウムが蓄積されるため、やはり食事からのカリウム摂取量の管理は重要です。特に、透析前の検査で血清カリウム値が高値を示している場合は、おからを含むカリウムを多く含む食品の摂取を一時的に制限することが必要になる場合があります。
免責事項
本サイトでは情報の正確性をチェックしているものの、掲載している数値に万が一誤りがある可能性があります。
また、患者様の症状や病状によって制限量は大きく異なるため、食事制限に関しては必ず担当医師にご相談ください。本記事の情報を参考に自己判断で食事制限を行うことは避け、医療従事者の指導のもとで適切な栄養管理を行ってください。
まとめ おからのカリウム含有量や一般的な摂取目安量は?
最後に、おからのカリウム含有量についてまとめていきます。
おからのカリウム含有量は100gあたり約230mgで、他の食品と比較すると中程度です。健康な成人であれば適量の摂取に問題はありませんが、腎臓病や透析を受けている方は制限が必要な場合があります。
個人の病状により制限量は異なるため、必ず医師や管理栄養士にご相談ください。