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もち麦はカリウムが多い?含有量や腎臓・透析での制限量も(meqも)

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健康志向の高まりと共に注目されているもち麦ですが、カリウムの含有量について気になる方も多いのではないでしょうか。特に腎臓病を患っている方や透析を受けている方にとって、カリウムの摂取量は重要な管理項目の一つです。

もち麦は大麦の一種で、水溶性食物繊維のβ-グルカンが豊富に含まれており、血糖値の上昇を抑える効果や腸内環境の改善効果が期待されています。白米に混ぜて炊くことで手軽に摂取できるため、多くの方が日常的に取り入れています。しかし、そのカリウム含有量については詳しく知られていないのが現状です。

本記事では、もち麦のカリウム含有量について詳しく解説し、一般的な摂取目安量から腎臓病や透析を受けている方の制限量まで、幅広い情報をお伝えします。

もち麦はカリウムが多い?含有量や一般的な摂取目安量は?

それではまず、もち麦のカリウム含有量について詳しく解説していきます。

もち麦のカリウム含有量は、100gあたり約170mg(乾燥状態)とされています。

これは他の食品と比較すると中程度の含有量といえるでしょう。参考までに、カリウムが多いとされる食品との比較を以下の表にまとめました。

食品名 カリウム含有量(100gあたり)
もち麦(乾燥) 約170mg
白米(乾燥) 約89mg
玄米(乾燥) 約230mg
オートミール(乾燥) 約350mg
もち麦ごはん(炊飯後) 約30mg
白米ごはん(炊飯後) 約29mg

この表からも分かるように、もち麦のカリウム含有量は白米よりもやや多いものの、玄米やオートミールと比較すると控えめです。

もち麦の特徴として、通常は白米に混ぜて炊飯することが多い点が挙げられます。一般的な使用方法では、白米2合に対してもち麦を大さじ2~3杯(約30~45g)程度混ぜることが推奨されています。この場合、もち麦から摂取するカリウム量は約50~75mg程度となります。

炊飯後のもち麦ごはんでは、水分を含むことによりカリウム含有量が希釈されます。もち麦入りごはん(もち麦20%配合)100gあたりのカリウム含有量は約30mg程度となり、白米ごはんとほぼ同等になります。

一般的な成人のカリウム摂取目安量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、男性で1日あたり3,000mg以上、女性で2,600mg以上とされています。この基準から考えると、もち麦を白米に混ぜて通常量摂取する分には、カリウム摂取量への影響は軽微といえるでしょう。

ただし、もち麦を主食として大量に摂取する場合や、100%もち麦ごはんとして摂取する場合は、総カリウム摂取量に注意が必要です。また、もち麦は食物繊維が豊富なため、急に大量摂取すると消化器症状を引き起こす可能性もあります。

もち麦のカリウム含有量と腎臓・透析での制限量目安(きちんと医師に相談が必要)

続いては、腎臓病患者や透析患者の方におけるカリウム制限について確認していきます。

腎臓病を患っている方や透析を受けている方にとって、カリウムの摂取量管理は非常に重要です。健康な腎臓であれば、余分なカリウムは尿として体外に排出されますが、腎機能が低下している場合、この排出機能が十分に働かないため、血中のカリウム濃度が上昇し、高カリウム血症を引き起こす可能性があります。

一般的に、腎臓病患者の場合、1日のカリウム摂取量は1,500mg~2,000mg程度に制限されることが多いとされています。透析患者の場合は、さらに厳格な制限が必要で、1日あたり1,500mg以下に抑えることが推奨される場合もあります。

カリウムの単位について説明すると、mg(ミリグラム)の他に、mEq(ミリ当量)という単位も使用されます。カリウムの場合、1mEqは約39mgに相当します。

項目 mg mEq
もち麦100g(乾燥)中のカリウム 170mg 約4.4mEq
もち麦入りごはん100g中のカリウム 約30mg 約0.8mEq
もち麦入りごはん茶碗1杯(150g)中のカリウム 約45mg 約1.2mEq
腎臓病患者の制限量目安 1,500~2,000mg 約38.5~51.3mEq
透析患者の制限量目安 1,500mg以下 約38.5mEq以下

腎臓病や透析を受けている方の場合、もち麦の摂取については比較的制限が少ないと考えられます。もち麦入りごはん茶碗1杯で約45mgのカリウム摂取となるため、1日の制限量が1,500mgの場合でも、主食として適量摂取する分には大きな問題はないでしょう。

ただし、もち麦を100%主食として摂取する場合や、大量に摂取する場合は注意が必要です。また、もち麦と一緒に摂取する副菜や汁物のカリウム含有量も考慮して、総合的な食事管理を行うことが重要です。

もち麦には水溶性食物繊維が豊富に含まれているため、腎臓病患者の方には便秘解消や血糖値の安定化などの効果も期待できます。しかし、透析患者の場合、食物繊維の摂取により便の量が増加し、それに伴って体重増加につながる可能性もあるため、摂取量の調整が必要な場合があります。

また、もち麦はリンの含有量も考慮する必要があります。腎臓病や透析患者の場合、カリウムだけでなくリンの制限も重要であり、もち麦100g(乾燥)あたり約260mgのリンが含まれています。

透析患者の場合、透析によってカリウムはある程度除去されますが、透析と透析の間の期間(透析間隔)でカリウムが蓄積されるため、やはり食事からのカリウム摂取量の管理は重要です。もち麦の場合、適量であれば大きな制限は不要とされることが多いですが、個人の病状や検査結果に応じて調整が必要です。

免責事項

本サイトでは情報の正確性をチェックしているものの、掲載している数値に万が一誤りがある可能性があります。また、患者様の症状や病状によって制限量は大きく異なるため、食事制限に関しては必ず担当医師にご相談ください。本記事の情報を参考に自己判断で食事制限を行うことは避け、医療従事者の指導のもとで適切な栄養管理を行ってください。

まとめ もち麦のカリウム含有量や一般的な摂取目安量は?

最後に、もち麦のカリウム含有量についてまとめていきます。

もち麦のカリウム含有量は乾燥状態で100gあたり約170mgと中程度で、炊飯後は約30mg程度になります。健康な成人であれば白米に混ぜた通常の摂取に問題はありませんが、腎臓病や透析を受けている方でも主食として適量であれば比較的制限は少ない食品といえます。

ただし、リンの含有量も考慮が必要で、大量摂取は避けることが重要です。個人の病状により制限量は異なるため、必ず医師や管理栄養士にご相談ください。