冬の代表的な果物として親しまれているみかんですが、カリウムの含有量について気になる方も多いのではないでしょうか。特に腎臓病を患っている方や透析を受けている方にとって、カリウムの摂取量は重要な管理項目の一つです。
みかんはビタミンCが豊富で、手軽に食べられる果物として日常的に摂取されることが多い食品です。しかし、そのカリウム含有量については詳しく知られていないのが現状です。
本記事では、みかんのカリウム含有量について詳しく解説し、一般的な摂取目安量から腎臓病や透析を受けている方の制限量まで、幅広い情報をお伝えします。
みかんはカリウムが多い?含有量や一般的な摂取目安量は?
それではまず、みかんのカリウム含有量について詳しく解説していきます。
これは他の食品と比較すると比較的少ない含有量といえるでしょう。参考までに、カリウムが多いとされる食品との比較を以下の表にまとめました。
食品名 | カリウム含有量(100gあたり) |
---|---|
みかん | 約150mg |
バナナ | 約360mg |
アボカド | 約720mg |
ほうれん草 | 約690mg |
りんご | 約110mg |
オレンジ | 約180mg |
この表からも分かるように、みかんのカリウム含有量は果物の中でも比較的少なめです。
みかんの特徴として、1個あたりの重量が比較的軽く、食べやすいサイズである点が挙げられます。一般的なみかん1個の重量は約100~120g(可食部約80~100g)程度です。そのため、みかん1個を食べた場合に摂取するカリウム量は約120~150mg程度となります。
一般的な成人のカリウム摂取目安量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、男性で1日あたり3,000mg以上、女性で2,600mg以上とされています。この基準から考えると、みかん1~2個程度の摂取では、カリウム摂取量への影響は軽微といえるでしょう。
しかし、みかんは美味しく食べやすいため、一度に複数個摂取してしまうことがあります。例えば、みかんを5個食べた場合、約600~750mgのカリウムを摂取することになり、これは1日の摂取目安量の約20~25%に相当します。
また、みかんの缶詰やみかんジュースの場合、加工過程でカリウム含有量が変化する可能性があります。特に濃縮果汁を使用したジュースでは、カリウム濃度が高くなることがあるため注意が必要です。
みかんのカリウム含有量と腎臓・透析での制限量目安(きちんと医師に相談が必要)
続いては、腎臓病患者や透析患者の方におけるカリウム制限について確認していきます。
腎臓病を患っている方や透析を受けている方にとって、カリウムの摂取量管理は非常に重要です。健康な腎臓であれば、余分なカリウムは尿として体外に排出されますが、腎機能が低下している場合、この排出機能が十分に働かないため、血中のカリウム濃度が上昇し、高カリウム血症を引き起こす可能性があります。
一般的に、腎臓病患者の場合、1日のカリウム摂取量は1,500mg~2,000mg程度に制限されることが多いとされています。透析患者の場合は、さらに厳格な制限が必要で、1日あたり1,500mg以下に抑えることが推奨される場合もあります。
カリウムの単位について説明すると、mg(ミリグラム)の他に、mEq(ミリ当量)という単位も使用されます。カリウムの場合、1mEqは約39mgに相当します。
項目 | mg | mEq |
---|---|---|
みかん100g中のカリウム | 150mg | 約3.8mEq |
みかん1個(可食部80g)中のカリウム | 約120mg | 約3.1mEq |
腎臓病患者の制限量目安 | 1,500~2,000mg | 約38.5~51.3mEq |
透析患者の制限量目安 | 1,500mg以下 | 約38.5mEq以下 |
腎臓病や透析を受けている方の場合、みかんの摂取については比較的制限が少ないと考えられます。みかん1個で約120mgのカリウム摂取となるため、1日の制限量が1,500mgの場合でも、適量であれば摂取可能です。
ただし、みかんを複数個摂取する場合は注意が必要です。例えば、みかんを5個食べた場合、約600mgのカリウムを摂取することになり、これは1日の制限量の約30~40%に相当するため、他の食品からのカリウム摂取量を考慮した調整が必要になります。
また、みかんには水分が多く含まれているため、透析患者の方で水分制限がある場合は、水分摂取量の観点からも摂取量を調整する必要があります。
みかんジュースや缶詰のみかんの場合、カリウム含有量が異なる可能性があるため、特に注意が必要です。市販のみかんジュースでは、濃縮されている場合があり、同じ量でもより多くのカリウムを摂取する可能性があります。
透析患者の場合、透析によってカリウムはある程度除去されますが、透析と透析の間の期間(透析間隔)でカリウムが蓄積されるため、やはり食事からのカリウム摂取量の管理は重要です。みかんの場合、比較的カリウム含有量が少ないため、適量であれば大きな制限は不要とされることが多いでしょう。
免責事項
本サイトでは情報の正確性をチェックしているものの、掲載している数値に万が一誤りがある可能性があります。また、患者様の症状や病状によって制限量は大きく異なるため、食事制限に関しては必ず担当医師にご相談ください。本記事の情報を参考に自己判断で食事制限を行うことは避け、医療従事者の指導のもとで適切な栄養管理を行ってください。
まとめ みかんのカリウム含有量や一般的な摂取目安量は?
最後に、みかんのカリウム含有量についてまとめていきます。
みかんのカリウム含有量は100gあたり約150mgと比較的少なく、1個あたりでは約120mgです。健康な成人であれば適量の摂取に問題はありませんが、腎臓病や透析を受けている方でも比較的制限が少ない果物といえます。
ただし、複数個摂取する場合やジュースとして摂取する場合は注意が必要です。個人の病状により制限量は異なるため、必ず医師や管理栄養士にご相談ください。