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栗はカリウムが多い?含有量や腎臓・透析での制限量も(meqも)

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秋の味覚として親しまれている栗ですが、カリウムの含有量について気になる方も多いのではないでしょうか。特に腎臓病を患っている方や透析を受けている方にとって、カリウムの摂取量は重要な管理項目の一つです。

栗は炭水化物が豊富で、ビタミンC、食物繊維、葉酸なども含まれている栄養価の高い食材です。茹で栗、焼き栗、栗ご飯、栗きんとんなど様々な調理法で楽しまれており、日本の食文化に深く根ざした食材といえます。しかし、そのカリウム含有量については詳しく知られていないのが現状です。

本記事では、栗のカリウム含有量について詳しく解説し、一般的な摂取目安量から腎臓病や透析を受けている方の制限量まで、幅広い情報をお伝えします。

栗はカリウムが多い?含有量や一般的な摂取目安量は?

それではまず、栗のカリウム含有量について詳しく解説していきます。

栗のカリウム含有量は、生栗で100gあたり約420mg、茹で栗で100gあたり約460mgとされています。

これは他の食品と比較すると中程度から高めの含有量といえるでしょう。参考までに、カリウムが多いとされる食品との比較を以下の表にまとめました。

食品名 カリウム含有量(100gあたり)
栗(生) 約420mg
栗(茹で) 約460mg
甘栗 約560mg
さつまいも 約480mg
バナナ 約360mg
アーモンド 約770mg

この表からも分かるように、栗のカリウム含有量はナッツ類と比較すると控えめですが、果物や一般的な野菜と比較すると高めの水準にあります。甘栗は水分が少ないため、やや高い含有量となっています。

栗の特徴として、1個あたりの重量が比較的重く、可食部も多い点が挙げられます。中程度の栗1個の可食部は約15~20g程度です。そのため、栗1個を食べた場合に摂取するカリウム量は約65~85mg程度となります。

例えば、茹で栗を5個食べた場合、約300~400mgのカリウムを摂取することになります。栗ご飯の場合、ご飯茶碗1杯に含まれる栗の量は約30~40g程度のため、約140~180mgのカリウム摂取となります。

一般的な成人のカリウム摂取目安量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、男性で1日あたり3,000mg以上、女性で2,600mg以上とされています。この基準から考えると、栗を適量摂取する分には、カリウム摂取量への影響は中程度といえるでしょう。

ただし、栗は美味しく食べやすいため、ついつい大量に摂取してしまいがちです。特に、栗拾いなどで大量の栗を入手した場合や、栗菓子を多く食べる場合は、総カリウム摂取量に注意が必要です。

栗の調理法によってもカリウム含有量は若干変化します:
– 茹で栗:茹で汁にカリウムが若干溶け出すが、果肉にはほとんど残存
– 焼き栗:水分が減少するため、重量当たりのカリウム含有量がやや増加
– 栗きんとん:砂糖が加わるため、カリウム密度は相対的に低下

栗のカリウム含有量と腎臓・透析での制限量目安(きちんと医師に相談が必要)

続いては、腎臓病患者や透析患者の方におけるカリウム制限について確認していきます。

腎臓病を患っている方や透析を受けている方にとって、カリウムの摂取量管理は非常に重要です。健康な腎臓であれば、余分なカリウムは尿として体外に排出されますが、腎機能が低下している場合、この排出機能が十分に働かないため、血中のカリウム濃度が上昇し、高カリウム血症を引き起こす可能性があります。

一般的に、腎臓病患者の場合、1日のカリウム摂取量は1,500mg~2,000mg程度に制限されることが多いとされています。透析患者の場合は、さらに厳格な制限が必要で、1日あたり1,500mg以下に抑えることが推奨される場合もあります。

カリウムの単位について説明すると、mg(ミリグラム)の他に、mEq(ミリ当量)という単位も使用されます。カリウムの場合、1mEqは約39mgに相当します。

項目 mg mEq
栗100g(茹で)中のカリウム 460mg 約11.8mEq
栗1個(可食部15g)中のカリウム 約70mg 約1.8mEq
栗5個(可食部75g)中のカリウム 約350mg 約9.0mEq
腎臓病患者の制限量目安 1,500~2,000mg 約38.5~51.3mEq
透析患者の制限量目安 1,500mg以下 約38.5mEq以下

腎臓病や透析を受けている方の場合、栗の摂取については慎重な検討が必要です。栗5個で約350mgのカリウムを摂取することになるため、1日の制限量が1,500mgの場合、制限量の約23%を占めることになります。

栗を摂取する際の注意点:
– **摂取量を制限する**:1日1~2個程度に留める
– **他の高カリウム食品との組み合わせを避ける**:同日に摂取する他の食品を調整
– **茹で汁は使用しない**:栗ご飯などで茹で汁を使う場合は注意
– **頻度を調整する**:毎日ではなく、週に数回程度に留める

栗には以下のような栄養的なメリットもありますが、カリウム制限下では慎重な摂取が必要です:
– **ビタミンC**:免疫機能の維持に重要
– **食物繊維**:便秘解消効果
– **葉酸**:貧血予防に効果的
– **炭水化物**:エネルギー源として有効

また、栗を使用した加工食品についても注意が必要です:
– **栗きんとん**:砂糖が多く添加されているため、カロリーや血糖値への影響も考慮
– **栗ようかん**:栗以外の材料も含まれるため、総合的な栄養成分を確認
– **栗入りパン・ケーキ**:小麦粉や砂糖などの他の材料の影響も考慮

栗の代替として、カリウム含有量の少ない食品を検討することも重要です:
– **白米**:エネルギー源として
– **うどん**:炭水化物源として
– **りんご**:果物として(皮を除く)

透析患者の場合、透析によってカリウムはある程度除去されますが、透析と透析の間の期間(透析間隔)でカリウムが蓄積されるため、やはり食事からのカリウム摂取量の管理は重要です。栗の場合、美味しく食べやすいため摂取量が多くなりがちですが、計画的な摂取が必要です。

免責事項

本サイトでは情報の正確性をチェックしているものの、掲載している数値に万が一誤りがある可能性があります。また、患者様の症状や病状によって制限量は大きく異なるため、食事制限に関しては必ず担当医師にご相談ください。本記事の情報を参考に自己判断で食事制限を行うことは避け、医療従事者の指導のもとで適切な栄養管理を行ってください。

まとめ 栗のカリウム含有量や一般的な摂取目安量は?

最後に、栗のカリウム含有量についてまとめていきます。

栗のカリウム含有量は100gあたり約420~460mgと中程度から高めで、1個あたりでは約70mgです。健康な成人であれば適量の摂取に問題はありませんが、腎臓病や透析を受けている方は摂取量に注意が必要な食品といえます。

1日1~2個程度に留め、他の高カリウム食品との組み合わせを避けることが重要です。個人の病状により制限量は異なるため、必ず医師や管理栄養士にご相談ください。