製品や書類、データなどを取引先へ届ける「納品」は、英語では場面によって使う語が変わります。
日本語の納品には、完成品を渡す意味、指定場所へ配達する意味、検収を受ける意味まで含まれることがあり、単純に一語へ置き換えると意図がずれる場合があります。
特にメール、見積書、発注書、契約書では、delivery、deliver、shipment、supply、submissionなどの使い分けが重要です。
この記事では、納品の英語表記、カタカナでの読み方、実務でそのまま使える例文、関連する言い換えを整理します。
納品の英語表記一覧表とシーン別の使い分け

それではまず納品の英語表記と、相手や書類に応じた選び方について解説していきます。
基本語としてのdeliveryとdeliver
「納品」を表す最も基本的な名詞はdeliveryです。
読み方はカタカナでデリバリーとされ、商品や資材を届ける行為、または届けられた物そのものを指します。
動詞形はdeliverで、読み方はデリバーです。
deliver goodsは商品を納品する、deliver the orderは注文品を納品する、deliver by Fridayは金曜日までに納品するという意味になります。
ただしdeliveryは、飲食店の宅配や郵便配達にも使われる幅広い語です。
製造業や法人取引においても自然に使えますが、何を届けるのかを後ろに補うと、より誤解の少ない表現になります。
| 英語表記 | 品詞 | カタカナ読み | 主な意味 | よく使う場面 |
|---|---|---|---|---|
| delivery | 名詞 | デリバリー | 納品、配送、配達 | 納期案内、請求書、物流 |
| deliver | 動詞 | デリバー | 納品する、届ける | メール、進捗報告 |
| delivered | 形容詞的用法 | デリバード | 納品済みの、配送済みの | 納品完了の確認 |
| deliverable | 名詞、形容詞 | デリバラブル | 成果物、納品可能な | 制作、開発、契約 |
| delivery date | 名詞句 | デリバリー デート | 納品日 | 発注書、契約書 |
| delivery schedule | 名詞句 | デリバリー スケジュール | 納品予定 | 工程表、調整連絡 |
納品日についてはdelivery date、希望納品日はrequested delivery date、予定納品日はscheduled delivery dateと表せます。
納品遅延はdelivery delay、納品先はdelivery destinationまたはdelivery addressが一般的です。
日本語の「納品」は、名詞ならdelivery、動詞ならdeliverを中心に考えると使いやすい表現です。
ただし、データや資料の提出ではdeliveryよりsubmissionが適することもあります。
物流と物品に使うshipmentとsupply
物流の文脈ではshipmentも重要な関連語です。
shipmentは出荷、積み荷、発送された貨物を意味し、納品そのものよりも、倉庫や工場から品物を送り出す側面に焦点があります。
たとえばThe shipment will arrive next weekは、その貨物は来週到着予定ですという意味です。
納品日を伝える場面ではdelivery date、出荷状況を伝える場面ではshipment statusというように、工程を区別すると自然です。
部品、原材料、消耗品を継続して供給する取引ではsupplyも使われます。
supplyは供給するという動詞でも、供給品という名詞でも使えます。
| 語句 | ニュアンス | 日本語で近い表現 | 例 |
|---|---|---|---|
| delivery | 相手に届くことを重視 | 納品、配送 | on-time delivery |
| shipment | 送り出しや貨物を重視 | 出荷、発送 | shipment tracking |
| dispatch | 手配して発送する動作を重視 | 発送、出荷手配 | dispatch the products |
| supply | 継続的に提供する意味合い | 供給、納入 | supply agreement |
| consignment | 委託して送る貨物 | 委託貨物、発送品 | a consignment note |
なおdispatchはディスパッチと読み、英国系のビジネス英語や物流システムで見かけることがある語です。
日本語の「発送済み」はdispatchedまたはshippedと表せますが、相手に到着したことまで示したい場合にはdeliveredを選びます。
データや成果物に使うsubmissionとdeliverable
Web制作、システム開発、デザイン、翻訳などでは、物理的な配送よりdeliverableがよく使われます。
deliverableは契約やプロジェクトで約束された成果物を意味する名詞で、カタカナではデリバラブルと読まれます。
仕様書、ソースコード、設計図、動画、レポートなど、納品対象を明確にしたいときに便利です。
複数形のdeliverablesは納品物一覧や成果物一式という意味になります。
一方、資料や申請書を提出する場合はsubmissionが適切です。
submissionはサブミッションと読み、提出物、提出行為、応募を表します。
We will deliver the final design files by September 30.
最終デザインファイルを9月30日までに納品します。
Please submit the report by the deadline.
期限までにレポートを提出してください。
データを顧客へ引き渡す場合はdeliver the files、社内の承認者へ提出する場合はsubmit the filesというように、相手との関係で選ぶと分かりやすいでしょう。
納品を表す名詞・動詞・形容詞のスペル
続いては品詞ごとのスペルと、英文での置き方を確認していきます。
名詞としての納品関連表現
名詞のdeliveryは、納品という出来事やサービス全体を指します。
We appreciate your prompt deliveryは、迅速な納品に感謝しますという定型的な表現です。
納品書はdelivery note、delivery slip、delivery receiptなどと表されます。
国や会社の書式によって使われる語は異なりますが、delivery noteはイギリス英語で広く使われる傾向があります。
納品確認書はdelivery confirmation、納品実績はdelivery record、納品条件はdelivery termsと書けます。
「納入」という意味で調達の話をするならsupply、「引き渡し」という意味を強めるならhandoverも候補です。
| 日本語 | 自然な英語表記 | 補足 |
|---|---|---|
| 納品 | delivery | 最も一般的な名詞 |
| 納品書 | delivery note | 品目や数量を記した書類 |
| 納品日 | delivery date | 契約上の期日にも使える |
| 納期 | delivery deadline | 期限の意味を明確にする表現 |
| 納品予定日 | estimated delivery date | 見込みの日付 |
| 分割納品 | partial delivery | 一部ずつの納入 |
| 一括納品 | single delivery | 一度に納めること |
| 納品完了 | completion of delivery | 完了報告に使える |
動詞としてのdeliverと関連動詞
deliverは目的語を直接取る他動詞で、deliver the products、deliver the documentsのように使います。
納品先を加えるならdeliver the products to our client、期限を加えるならdeliver the products by Fridayという形が基本です。
deliver toは届け先、deliver byは期限、deliver onは特定の日を表すことが多いため、前置詞の選択にも注意が必要です。
納品が完了したという受け身表現はThe products have been deliveredです。
発送する意味をはっきりさせるならship、配送手配を表すならdispatch、引き渡すならhand overも使えます。
契約書ではprovideが選ばれることもあり、provide the deliverablesは成果物を提供するという穏やかな表現になります。
We can deliver the samples to your office on Monday.
月曜日にサンプルを貴社オフィスへ納品できます。
The parts were shipped yesterday and will be delivered tomorrow.
部品は昨日出荷され、明日納品予定です。
形容詞的な表現と完了状態
英語には「納品済み」を一語で表す日本語の形容詞と完全に同じ働きをする語は少ないため、過去分詞のdeliveredを活用します。
delivered productsは納品済みの商品、delivered quantityは納品済み数量という意味です。
未納品はundelivered、納品可能はdeliverable、納期遵守はon-time deliveryまたはtimely deliveryと表現できます。
on-time deliveryは約束した期日どおりの納品を示す重要な語句です。
早期納品はearly delivery、遅延納品はlate delivery、納品可能な状態はready for deliveryとなります。
メールの件名ではDelivery Completed、Order Delivered、Ready for Deliveryのように短く書く方法もあります。
納品済みを伝えるときはshippedではなくdeliveredを選ぶと、相手への到着まで完了した意味を伝えやすくなります。
shippedは出荷済み、deliveredは到着済みという違いを押さえておきましょう。
納品メールで使える英語例文
続いては取引先に送る納品メールで使いやすい英語表現を確認していきます。
納品予定を伝える例文
納品予定の連絡では、商品名、数量、納品日、配送方法を短く明記すると実務的です。
We are pleased to inform you that your order is scheduled for delivery on October 10.
これは、ご注文品は10月10日に納品予定ですという意味になります。
予定であることを伝えるscheduled for deliveryは、断定を避けながらも明確な印象を与える便利な表現です。
The estimated delivery date is October 10.
こちらは見込みの納品日が10月10日ですという案内で、在庫や輸送状況に左右される場合に向いています。
納品時間帯にも触れるならThe delivery is expected between 1 p.m. and 3 p.m.と書けます。
納品完了を知らせる例文
納品が済んだ報告では、完了日時、対象、必要に応じて追跡番号を知らせます。
We have delivered the ordered items to your warehouse today.
ご注文品を本日、貴社倉庫へ納品しましたという意味です。
Please find the delivery note attached.
納品書を添付しておりますのでご確認くださいという趣旨で、添付ファイルがあるメールに使えます。
デジタル成果物ならWe have delivered the final files through the shared folder.と表現すると自然です。
共有フォルダを通じて最終ファイルを納品しましたという意味になり、リンクを別途案内する場合にも役立ちます。
Subject Delivery Completed
Dear Ms. Smith,
We are writing to confirm that the requested materials were delivered today.
Please let us know if you have any questions regarding the delivery.
Best regards,
遅延や変更を連絡する例文
納品遅延を伝える際は、謝罪だけで終えず、理由、変更後の日程、対応策を示すことが大切です。
We apologize for the delay in delivery due to unexpected transportation issues.
予期しない輸送上の問題により納品が遅れていることをお詫びしますという意味です。
We now expect to deliver the order by October 15.
現在は10月15日までに注文品を納品できる見込みですという形で、修正後の納期を続けます。
相手への影響を配慮するならWe are taking all possible measures to minimize the delay.と添えるとよいでしょう。
delivery delayという語を使うと、何が遅れているのかを端的に示せます。
納品に関する言い換えと英語のニュアンス
続いては納品と近い日本語表現を、英語でどう使い分けるか確認していきます。
納入・供給・提供の違い
日本語の納入は、部品や資材などを指定先へ入れる意味で使われることが多く、英語ではdeliveryまたはsupplyが候補です。
一回限りの商品到着ならdelivery、継続契約に基づく供給ならsupplyがしっくりきます。
ソフトウェアやサービスを提供する場合にはprovideを使うことも多いでしょう。
たとえばprovide technical supportは技術サポートを提供する、supply componentsは部品を供給する、deliver equipmentは機器を納品するという違いです。
契約上の義務として成果物を渡す意味ではdeliver the agreed deliverablesが明快です。
提出・引き渡し・検収の違い
資料を上司や行政機関へ出す行為はsubmissionまたはsubmitであり、納品とは区別するのが基本です。
顧客へ完成物を渡す行為はdeliveryまたはhandover、納品物を受け取って内容を確認する行為はinspectionやacceptanceと表されます。
検収はacceptance inspection、検収完了はacceptance completed、検収条件はacceptance criteriaと書けます。
納品が完了しても、検収が済んでいない場合は、支払い条件やプロジェクト完了の扱いが異なることがあります。
delivery and acceptanceは、納品と検収をセットで扱う契約文書で見かける表現です。
| 日本語の言い換え | 主な英語 | 使う状況 |
|---|---|---|
| 納品する | deliver | 商品や成果物を顧客へ届ける |
| 出荷する | ship | 発送元から送り出す |
| 発送する | dispatch | 手配して発送する |
| 納入する | supply | 資材や部品を供給する |
| 提出する | submit | 書類や課題を提出する |
| 引き渡す | hand over | 責任や物を正式に渡す |
| 提供する | provide | サービスや情報を供給する |
| 検収する | accept | 内容を確認し受領する |
略称・短縮形・口語的な表現
納品に関する英語には、日本語のように広く通じる正式な略称はあまりありません。
社内システムや物流書類ではPODという略称を見かけることがあります。
PODはproof of deliveryの略で、配達証明、受領証明を指します。
署名付きの受領記録や配送完了の証跡を意味するため、納品書そのものとは少し異なります。
ETAはestimated time of arrivalの略で、到着予定時刻や到着予定日を表します。
短い社内連絡でDelivery is done.やIt has been delivered.と言うことはありますが、取引先への正式メールでは、何をいつどこへ納品したのかを明記するほうが安全です。
deliverablesを単にdelivsなどと省略する書き方は、一般的なビジネス英語ではおすすめできません。
PODは納品を表す略称ではなく、納品や配達が行われたことを証明する記録の略称です。
海外の物流担当者とやり取りするときは、PODの提出依頼が受領証明の依頼に当たることを理解しておくと安心です。
納品日・納期・契約で注意したい英語表現
続いては納品日や契約条件に関わる表現の注意点を確認していきます。
delivery dateとdeadlineの使い分け
delivery dateは納品日そのものを示し、deadlineは絶対に守るべき締切を示します。
契約で期日までの納品を求めるならdelivery deadline、またはno later thanを使った表現が分かりやすいでしょう。
The products must be delivered no later than October 31.は、製品は10月31日までに納品しなければなりませんという意味です。
by October 31はその日を含む期限、on October 31はその日に納品する指定という違いがあります。
byとonの使い分けは、納期トラブルを防ぐためにも大切です。
分割納品と数量に関する表現
分割納品を認める契約ではpartial delivery、複数回に分けることを表すならdelivery in installmentsが使えます。
一括で納める場合はsingle deliveryやfull deliveryと表せます。
数量に不足がある場合はshort delivery、過剰に届いた場合はover-deliveryという表現があります。
納品数量はdelivered quantity、残りの未納数量はoutstanding quantityまたはremaining quantityです。
Partial deliveries are acceptable.は、分割納品を認めますという簡潔な契約表現になります。
インコタームズと責任範囲の確認
国際取引では、納品という日本語だけでは運送費、保険、危険負担、通関の責任範囲を判断できません。
そのため、契約書や見積書ではIncotermsの条件を併記することが重要です。
EXW、FOB、CIF、DAP、DDPなどの条件により、売主がどの地点まで手配し、どの時点でリスクが移るかが変わります。
deliveryという語が契約上どの場所で完了するのかは、個別の定義条項も確認してください。
海外輸送では、出荷日ship date、到着予定日estimated arrival date、納品日delivery dateを混同しないことが求められます。
納品の英語表記と実務表現のまとめ
納品の英語表記は、一般的な名詞ならdelivery、動詞ならdeliverが基本です。
物品の出荷を示す場合はshipmentやship、継続供給ならsupply、データや制作物の成果物ならdeliverable、書類提出ならsubmissionを選びます。
納品済みはdelivered、出荷済みはshippedとなるため、到着の有無まで伝えたいときには使い分けが欠かせません。
納品日にはdelivery date、納期にはdelivery deadline、納品遅延にはdelivery delay、納品書にはdelivery noteが使えます。
メールでは対象物、納品日、納品先、添付書類を具体的に書くことで、相手に正確な情報を届けられます。
deliveryとdeliverを軸に、取引の工程と納品対象を意識して表現を選ぶことが、自然で信頼されるビジネス英語につながります。