「コンクリートの強度はどのくらいなのか」「どうやって測定するのか」という疑問は、建設業に携わる多くの方が持っています。
コンクリートの強度は建物の安全性・耐久性の根幹をなす重要な指標であり、設計基準強度・圧縮強度試験・供試体(テストピース)管理は品質管理の基本です。
この記事では、コンクリートの強度の種類・圧縮強度試験の方法・設計基準強度の意味まで詳しく解説していきます。
コンクリートの強度で最も重要なのは「圧縮強度」
それではまず、コンクリートの強度の種類と圧縮強度の重要性について解説していきます。
コンクリートには圧縮強度・引張強度・曲げ強度・せん断強度などの力学的性質がありますが、その中で最も重要視されるのが圧縮強度(N/mm²)です。
コンクリートは圧縮力には強く(圧縮強度:20〜60N/mm²程度)、引張力には弱い(引張強度は圧縮強度の1/10程度)という特性を持っています。
これがコンクリートに鉄筋を組み合わせる鉄筋コンクリートが生まれた理由であり、引張力は鉄筋が担当することで構造的な弱点を補っています。
コンクリート強度の種類
| 強度の種類 | 概要 | 目安値 |
|---|---|---|
| 設計基準強度(Fc) | 構造設計に使用する基準値 | 18〜36N/mm²(一般建築) |
| 配合強度(F) | 配合設計に使用する目標強度 | 設計基準強度より高く設定 |
| 呼び強度 | 生コン発注の強度呼称 | JIS規格の標準値 |
| 現場強度 | 実際の構造物の強度 | 供試体強度より低い場合もある |
材齢と強度発現の関係
コンクリートの圧縮強度は時間とともに増加し、材齢28日の強度が設計基準強度の判定基準として広く使われています。
材齢3日で約40〜50%、7日で60〜70%、28日でほぼ100%の強度が発現するのが普通ポルトランドセメントを使用した場合の目安です。
適切な養生が行われると28日以降も強度はゆっくりと増加し続けます。
設計基準強度と配合強度の関係
構造設計で使われる設計基準強度(Fc)は、品質のばらつきを考慮して配合強度(実際に目標とする強度)を高めに設定します。
配合強度は設計基準強度に品質管理の余裕値(施工管理強度の割増)を加算して決まります。
圧縮強度試験の方法
続いては、圧縮強度試験の具体的な方法を確認していきます。
供試体(テストピース)の作製
圧縮強度試験は工事現場で採取した供試体(テストピース)を用いて行います。
供試体はJIS A 1132に従って直径100mm×高さ200mmまたは直径150mm×高さ300mmの円柱形に作製します。
供試体は打設ロットごとに一定数採取し、標準養生(20±2℃の水中で養生)または現場養生を行います。
圧縮強度試験の手順
【圧縮強度試験手順(JIS A 1108)】
1. 所定の材齢(7日・28日など)に達した供試体の直径・高さを測定
2. 圧縮試験機に供試体を設置
3. 一定速度(0.3±0.1N/mm²/秒)で荷重を加える
4. 供試体が破壊したときの最大荷重を記録
5. 圧縮強度=最大荷重÷供試体の断面積(N/mm²)
判定基準と品質管理
1回の試験は同一ロットから採取した3本の供試体の平均値で評価します。
JASS5では「1回の試験結果が呼び強度の85%以上かつ3回の試験結果の平均が呼び強度以上」を合格基準としています。
不合格となった場合は構造物の安全性評価・補修・解体の検討が必要となります。
高強度コンクリートと超高強度コンクリート
続いては、一般的なコンクリートを超えた高強度コンクリートについて確認していきます。
高強度コンクリートの特長
設計基準強度が36N/mm²を超えるものを高強度コンクリートと呼びます。
低水セメント比・高性能AE減水剤・シリカフューム・高炉スラグ微粉末などの混和材を組み合わせることで実現します。
超高強度コンクリート(100N/mm²以上)は超高層ビルの柱や特殊構造物に採用されており、柱断面の縮小や建物の軽量化に寄与します。
強度試験の重要性
コンクリートの強度試験は単なる数値の確認にとどまらず、建物の安全性・法定検査への対応・施工品質の継続的改善のための重要なデータです。
試験結果を蓄積・分析することで配合や施工管理の改善につながります。
まとめ
今回は「コンクリートの強度は?圧縮強度や試験方法も解説!(設計基準強度・供試体・テストピース・品質管理など)」というテーマで解説してきました。
コンクリートの強度管理は設計基準強度の設定・供試体による圧縮強度試験・試験結果の判定という一連の品質管理プロセスで成立しています。
材齢28日強度を基準とした適切な品質管理と試験記録の整備が、安全で信頼性の高いコンクリート構造物の実現につながります。
強度管理の基礎知識を理解して、高品質な建設工事に役立てましょう。