コンクリートの品質を左右する最も根本的な要素が「配合(調合)」です。
「配合とは何か」「水セメント比や単位水量はどう決めるのか」という疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、コンクリートの配合の意味・設計の考え方・水セメント比・単位水量・呼び強度・配合表の読み方まで詳しく解説していきます。
コンクリートの配合は「強度・耐久性・施工性」のバランスを決める設計作業
それではまず、コンクリートの配合の基本的な概念と目的について解説していきます。
配合(調合)とは、コンクリートを構成するセメント・水・細骨材・粗骨材・混和材料の割合を定めることです。
配合設計はコンクリートに要求される強度・耐久性・施工性(ワーカビリティー)・経済性をバランスよく満たすように行われる技術的な設計作業です。
同じセメント・骨材を使っても配合が違えばまったく異なる性質のコンクリートが出来上がるため、配合設計はコンクリートの品質を決める最も根本的な工程と言えます。
配合設計の基本項目
| 項目 | 定義 | 品質への影響 |
|---|---|---|
| 水セメント比(W/C) | セメント質量に対する水質量の比率(%) | 強度・耐久性・水密性 |
| 単位水量 | コンクリート1㎥に含む水の量(kg/㎥) | スランプ・強度 |
| 単位セメント量 | コンクリート1㎥に含むセメントの量(kg/㎥) | 強度・水和熱 |
| 細骨材率(s/a) | 全骨材容積に対する細骨材容積の割合(%) | ワーカビリティー・仕上がり |
| 空気量 | コンクリート中の空気の割合(%) | 凍結融解抵抗性 |
呼び強度とは何か
呼び強度とは生コンクリートを発注する際の強度の呼称であり、材齢28日の圧縮強度(N/mm²)を基準として設定されます。
一般的な建築物では呼び強度18〜36N/mm²の範囲が多く使われます。
呼び強度は設計基準強度に施工管理の余裕値(割増係数)を加えて設定するため、設計基準強度より高い値になるのが通常です。
水セメント比の決め方
水セメント比(W/C)は強度と耐久性を確保するための最も重要な配合パラメーターです。
水セメント比が小さいほど強度・耐久性・水密性が向上しますが、施工性(ワーカビリティー)が低下します。
普通コンクリートでは65%以下、高耐久性コンクリートでは45〜50%以下が目安とされています。
配合設計の手順
続いては、配合設計の基本的な手順を確認していきます。
配合設計の基本手順
【配合設計の手順】
1. 設計基準強度・耐久性条件・施工条件の確認
2. 呼び強度(配合強度)の設定
3. 水セメント比の決定(強度・耐久性の要求を満たす最大値)
4. 単位水量の設定(スランプと骨材条件から決定)
5. 単位セメント量の計算(単位水量÷水セメント比)
6. 骨材量の計算(容積法または重量法)
7. 試し練りによる確認・修正
単位水量の決め方
単位水量は指定スランプを満足するために必要な水の量であり、骨材の種類・骨材の最大寸法・スランプによって決まります。
建築工事標準仕様書(JASS5)では単位水量の上限を185kg/㎥以下と規定しており、単位水量を少なく抑えることで強度・耐久性・収縮ひび割れ抵抗性を高めることができます。
配合表の読み方
生コン工場から提出される配合計画書(配合表)には、呼び強度・スランプ・空気量・水セメント比・単位量(水・セメント・細骨材・粗骨材・混和剤)が記載されています。
現場担当者は配合計画書の内容が設計仕様・特記仕様書の要求を満たしているかを確認してから承認します。
各種コンクリートの特殊配合
続いては、特殊な用途に対応した配合の種類を確認していきます。
高強度コンクリートの配合
高強度コンクリート(呼び強度50N/mm²以上)は水セメント比を30〜40%以下と非常に低くし、高性能AE減水剤を使用することで流動性を確保しながら高強度を実現します。
シリカフュームや高炉スラグ微粉末などの混和材を組み合わせることで、さらなる強度向上と長期耐久性が得られます。
高流動コンクリートの配合
高流動コンクリートは増粘剤・高性能AE減水剤を組み合わせて自己締固め性を持たせたコンクリートで、バイブレーターによる締め固めなしで密実なコンクリートを打設できます。
複雑な形状の部材・密な配筋部位での施工性向上に有効です。
まとめ
今回は「コンクリートの配合とは?設計や計算方法も解説!(水セメント比・骨材・単位水量・呼び強度・配合表など)」というテーマで解説してきました。
コンクリートの配合設計は強度・耐久性・施工性のバランスを最適化するための根幹的な設計作業です。
水セメント比の適切な管理・単位水量の最小化・骨材の品質確保が高品質なコンクリートを作り出すための基本原則です。
配合の基礎知識を持つことで、コンクリート工事全体の品質管理への理解が格段に深まるでしょう。