買掛金は、商品や原材料などを仕入れたものの、代金をまだ支払っていない状態で発生する負債です。
海外取引や英文メール、英文の財務諸表では、日本語の買掛金をどの英語で表せばよいか迷う場面もあるでしょう。
特にaccounts payableとaccount payableの違い、略称のAP、未払金との使い分けは、経理実務で正しく理解しておきたいポイントです。
この記事では、買掛金の英語表記、読み方、例文、関連する会計用語、ビジネスで自然に伝えるコツまで詳しく紹介します。
買掛金の英語表記と基本用語

それではまず、買掛金を英語で伝える際の結論となる基本表現について解説していきます。
accounts payableの意味と読み方
買掛金の最も標準的な英語表現は、accounts payableです。
読み方はカタカナでアカウンツ ペイアブル、またはアカウンツ ペイヤブルと表されます。
accountsは複数の勘定や取引先別の口座を意味し、payableは支払うべきという意味を持つ形容詞です。
つまりaccounts payableは、支払うべき複数の勘定をまとめた会計上の負債科目を指します。
英文の貸借対照表では、流動負債の項目としてAccounts Payableと大文字で記載されることも少なくありません。
日本の会計でいう買掛金に近い概念ですが、実務では未払いの請求書全般を含める会社もあり、社内の会計方針を確認すると安心でしょう。
買掛金の基本英語はaccounts payableです。
単数のaccount payableではなく、会計科目としては複数形のaccounts payableを使うことが一般的です。
account payableとの違い
account payableは文法上まったく誤りとはいえませんが、買掛金という勘定科目名には通常accounts payableを用います。
一方で、特定の一件の未払い債務や個別の支払対象を説明する文脈では、an account payableのような表現が見られる場合もあります。
ただし、英語圏の会計担当者にとってはaccounts payableが定着した専門用語です。
請求書処理、支払承認、仕入先管理の部署名にもAccounts Payable Departmentが使われます。
迷ったときは、会計科目はaccounts payableと覚えておけば、大きく外れる心配はありません。
買掛金と未払金に近い英語
日本語では買掛金と未払金を区別しますが、英語の会計用語ではaccounts payableが広く使われることがあります。
仕入先から購入した在庫、部品、原材料の未払い代金は、買掛金としてaccounts payableに分類されるのが一般的です。
一方、家賃、通信費、外注費、給与関連など、商品仕入れ以外で発生した未払い費用はaccrued expensesやother payablesと表すことがあります。
accrued expensesは発生済み未払費用という意味で、請求書を受け取る前でも費用を見越計上する場面に適した語です。
| 日本語の用語 | 主な英語表現 | 主な対象 |
|---|---|---|
| 買掛金 | accounts payable | 仕入先への未払い代金 |
| 未払金 | other payables | 仕入れ以外の未払い債務 |
| 未払費用 | accrued expenses | 発生済みで未払いの費用 |
| 支払債務 | trade payables | 営業取引に伴う債務 |
略称とビジネスでの言い換え
続いては、英文メールや会議資料で使われる略称、言い換え、関連表現を確認していきます。
APとA/Pの略称
accounts payableは、経理部門ではAPと略されることがよくあります。
A/Pとスラッシュを入れて表記する場合もあり、どちらも買掛金や買掛金管理を意味します。
たとえばAP teamは買掛金担当チーム、AP processは請求書受領から支払処理までの業務フローです。
ただし、社外向けの正式な契約書や初めて連絡する相手へのメールでは、略称だけでは意味が伝わらないことがあります。
最初はaccounts payableと全文で書き、その後にAPを使う方法が自然でしょう。
Accounts Payable Teamは買掛金担当チームという意味です。
AP aging reportは買掛金の支払期限別一覧表を指します。
trade payablesとcreditorsの使い分け
trade payablesは、通常の営業取引から生じる支払債務を指す表現です。
商品の仕入れや材料購入による未払いを明確に示したいときに向いています。
accounts payableよりも、財務諸表の注記や英国系の会計資料で見かけることがある語です。
creditorsは債権者、つまり支払いを受ける側を指す言葉ですが、文脈によっては債務残高を表す場合もあります。
ただしcreditorsは買掛金だけに限定されず、借入先やその他の債権者も含み得ます。
日本語の買掛金を直接かつ安全に表すなら、accounts payableが最適です。
スラングや口語的な表現
買掛金そのものに、ビジネスで推奨できる定番のスラングはほとんどありません。
経理担当者同士の会話ではAP、vendor bills、unpaid invoicesなどが口語的に使われます。
vendor billsは仕入先請求書、unpaid invoicesは未払い請求書を意味し、厳密には買掛金残高そのものと同義ではありません。
slangとしてくだけた表現を探すよりも、APまたはaccounts payableを選ぶほうが、相手に正確な情報を届けられます。
会計上の金額、支払期日、承認状況を扱う業務では、曖昧な言葉を避ける姿勢が大切です。
品詞別のスペルと関連表現
続いては、名詞、形容詞、動詞などの品詞から、買掛金に関係する英単語を確認していきます。
payableの品詞と意味
payableは形容詞で、支払うべき、支払い可能な、支払期限が到来するという意味です。
payable aloneでは、単独で買掛金を意味することは通常ありません。
accounts payableのように名詞accountsを後ろから説明し、支払うべき勘定という構造を作ります。
同じ考え方でtax payableは未払税金、interest payableは未払利息を表します。
請求書にpayment dueと書かれている場合も、支払期限が来ている、または支払うべき金額があるという意味になります。
payとpaymentの違い
payは支払うという動詞であり、給与という名詞としても使われます。
paymentは支払いという名詞で、実際に行う送金や支払金額を指す言葉です。
買掛金は支払う前の債務であり、支払いが完了した後のpaymentとは区別する必要があります。
We paid the invoiceは請求書を支払ったという意味です。
The payment is pendingは支払いが処理待ちであることを示します。
Accounts payable has increasedは、買掛金残高が増加したという会計上の説明になります。
supplierとvendorの表現
買掛金の相手先は、supplierまたはvendorと呼ばれます。
supplierは原材料、部品、製品などを供給する企業を指し、製造業や貿易では特によく使われます。
vendorは販売業者、サービス提供者、仕入先という広い意味を持つ言葉です。
米国の企業ではvendor invoice、vendor payment、vendor masterといった表現が一般的でしょう。
仕入先ごとの買掛金を説明するなら、accounts payable by vendorという表現が便利です。
payableは形容詞、payは動詞、paymentは名詞です。
accounts payableは複数の語が組み合わさった会計用語として覚えると、英文資料を読みやすくなります。
| 英語 | 品詞 | 意味 | 使用例 |
|---|---|---|---|
| pay | 動詞 | 支払う | pay an invoice |
| payment | 名詞 | 支払い | make a payment |
| payable | 形容詞 | 支払うべき | tax payable |
| accounts payable | 名詞句 | 買掛金 | review accounts payable |
| vendor | 名詞 | 仕入先、販売業者 | vendor invoice |
英文メールと会話での使用例
続いては、買掛金を実際のビジネス英語で使う例文を確認していきます。
支払予定を伝える例文
請求書の支払予定を知らせるときは、簡潔で誤解のない表現が重要です。
Our accounts payable team will process your invoice by the end of this week.
当社の買掛金担当チームが、今週末までに貴社の請求書を処理します。
process an invoiceは請求書を処理するという意味で、承認、登録、支払準備を含む場合があります。
実際の送金日を約束する場合は、processだけでなくpayment dateを明記すると親切です。
We expect to make the payment on September 30.のように書けば、支払予定日を明確に伝えられます。
未払い請求書を確認する例文
未払いの請求書について問い合わせる場面では、outstanding invoiceがよく使われます。
Could you please confirm whether the outstanding invoice has been received by your accounts payable department?
未払いとなっている請求書が、貴社の買掛金担当部署に届いているかご確認いただけますか。
outstandingは未解決、未払い、残っているという意味を持ちます。
相手に催促する際も、支払い遅延と断定するより、まず受領状況や処理状況を尋ねる表現が穏やかでしょう。
請求書番号、発行日、金額を併記すれば、相手のAP担当者も確認しやすくなります。
残高を報告する例文
月次決算や経営報告では、買掛金残高の増減を説明する機会があります。
Accounts payable increased due to higher inventory purchases.は、在庫仕入れの増加により買掛金が増えたという意味です。
The accounts payable balance was reconciled with supplier statements.は、買掛金残高を仕入先の明細書と照合したことを示します。
accounts payable balanceは買掛金残高、reconcileは照合するという意味です。
数値の正確性を示す報告では、balance、aging、due date、invoice numberなどの関連語を組み合わせると、内容が具体的になります。
英文メールではaccounts payableだけで終わらせず、invoice number、payment date、amountを添えると確認作業が円滑になります。
支払状況はpending、scheduled、completedなどの語で補足するとよいでしょう。
経理実務と財務諸表での扱い
続いては、買掛金が経理処理や財務諸表でどのように扱われるかを確認していきます。
貸借対照表における位置づけ
accounts payableは、通常、貸借対照表のcurrent liabilitiesに分類されます。
current liabilitiesは流動負債であり、一般には一年以内に支払う予定の債務を指します。
買掛金は商品の仕入れに連動して発生し、短期間で決済されることが多いためです。
英文財務諸表ではAccounts Payable、Trade Payables、Accounts Payable and Accrued Expensesなどの表示が見られます。
表示名は企業の会計基準や開示方針によって異なるため、翻訳時には注記も確認する必要があります。
請求書処理と承認フロー
買掛金管理では、請求書の受領、発注書との照合、検収確認、承認、支払データ作成という流れが基本です。
英語ではこの照合をthree way matchと呼ぶことがあります。
発注書のpurchase order、入荷記録のgoods receipt、請求書のinvoiceを照合する仕組みです。
この管理が不十分だと、二重払い、不正請求、計上漏れにつながるおそれがあります。
AP automationは、請求書入力や承認ルート、支払予定の管理を自動化する仕組みを指します。
支払期日とエイジング管理
買掛金では、金額だけでなく支払期日を管理することが重要です。
AP aging reportは、未払い請求書を期日経過日数ごとに分けたレポートです。
current、thirty days、sixty days、ninety days overといった区分で、支払い遅延の有無を確認します。
早期支払割引を受けられる取引先もあるため、支払期日を守ることは資金管理と取引関係の両面で意味を持ちます。
反対に、早すぎる支払いは運転資金を圧迫する場合もあります。
支払条件を英語で表すpayment termsと、買掛金残高を合わせて見ることが健全な管理につながるでしょう。
| 関連英語 | 日本語の意味 | 実務での用途 |
|---|---|---|
| current liabilities | 流動負債 | 貸借対照表の区分 |
| invoice processing | 請求書処理 | 受領から支払準備まで |
| three way match | 三点照合 | 発注、検収、請求の確認 |
| AP aging report | 買掛金年齢表 | 期日超過の管理 |
| payment terms | 支払条件 | 支払期限や割引条件の確認 |
買掛金の英語表記のまとめ
買掛金は英語でaccounts payableと表記するのが基本です。
読み方はアカウンツ ペイアブルで、略称はAPまたはA/Pが使われます。
社内の経理業務ではAP team、AP process、AP aging reportといった関連表現も頻繁に登場します。
仕入先への未払い代金を表す際にはaccounts payableが適していますが、未払費用やその他の債務まで含めるかは会計方針によって変わります。
英文メールでは、accounts payableに加え、請求書番号、金額、支払予定日、担当部署を示すと、相手に意図が伝わりやすくなるでしょう。
payableは形容詞、payは動詞、paymentは名詞という違いも押さえておくと、会計英語の理解が深まります。
迷ったときは、買掛金はaccounts payable、略してAPという基本から使い始めると安心です。