電池や電源の性能を評価するうえで、内部抵抗の求め方を知ることは非常に重要です。
「内部抵抗はどうやって計算するの?」「測定方法を教えてほしい」という方に向けて、本記事では内部抵抗の計算公式・電圧計と電流計を使った測定法・負荷変化法・交流インピーダンス法まで、実践的に解説します。
内部抵抗の計算公式(結論)
それではまず、内部抵抗の基本的な計算公式について解説していきます。
内部抵抗の最も基本的な求め方は、開路電圧(無負荷電圧)と負荷時の端子電圧・電流を測定して計算する方法です。
【内部抵抗の計算式】
r = (E – V) / I
r:内部抵抗[Ω]
E:開路電圧(無負荷時の端子電圧)[V]
V:負荷時の端子電圧[V]
I:負荷電流[A]
例:E=12.6V(無負荷)、V=11.8V(負荷時)、I=8A(負荷電流)の場合
r = (12.6 – 11.8) / 8 = 0.8 / 8 = 0.1Ω
内部抵抗測定の基本手順:①無負荷時の開路電圧Eを測定、②既知の負荷抵抗を接続して端子電圧Vと電流Iを測定、③r=(E-V)/Iで計算。シンプルながら正確な直流内部抵抗を求められる実践的な方法です。
負荷変化法による内部抵抗の測定
負荷変化法は、2種類の異なる負荷(R1とR2)を接続したときの端子電圧と電流を測定して内部抵抗を求める方法です。
【負荷変化法の計算式】
負荷R1時:端子電圧V1、電流I1
負荷R2時:端子電圧V2、電流I2
内部抵抗:r = (V1 – V2) / (I2 – I1)
(電流が増えると電圧が下がる関係から内部抵抗を計算)
この方法は開路電圧の測定が難しい場合(自己放電が速い電池など)に特に有効です。
交流インピーダンス法(EIS)
より精密な内部抵抗の測定には、交流インピーダンス分光法(EIS:Electrochemical Impedance Spectroscopy)が使われます。
周波数を変えた微小な交流信号を印加し、周波数ごとのインピーダンスを測定することで、電解液抵抗・電荷移動抵抗・拡散抵抗などを分離して評価できます。
リチウムイオン電池の研究開発・品質管理・劣化診断での精密評価に広く使われていますが、専用の測定装置(インピーダンスアナライザー)が必要です。
市販の電池テスターやBMSモジュールに搭載されている内部抵抗測定機能の多くは1kHz交流信号を使った簡易インピーダンス測定を採用しており、現場での迅速な評価に役立ちます。
測定時の注意点
内部抵抗の測定では以下の点に注意が必要です。
温度の影響:内部抵抗は温度によって大きく変化するため(低温で増大)、測定時の温度を記録・管理します。
充電状態(SOC)の影響:SOC(State of Charge:充電状態)によって内部抵抗が変化するため、測定条件を統一します。
接触抵抗の影響:測定リードと端子の接触抵抗が測定誤差の原因になるため、4端子測定(ケルビン接続)を使うと高精度な測定が可能です。
まとめ
本記事では、内部抵抗の計算公式(r=(E-V)/I)・負荷変化法・交流インピーダンス法・測定時の注意点まで詳しく解説しました。
内部抵抗の基本的な求め方は「(開路電圧-負荷時電圧)÷負荷電流」という計算式であり、電圧計と電流計があれば実測できます。
本記事が内部抵抗の測定・計算への理解を深める一助となれば幸いです。