履歴事項全部証明書は、会社の基本情報や役員、所在地、資本金などの登記内容を証明する公的書類です。
海外企業との契約、銀行口座の開設、ビザ申請、英文契約書の添付資料などで英語表記を求められる場面があります。
日本の登記制度に固有の書類であるため、単純な直訳だけでは相手に内容が伝わりにくいこともあるでしょう。
用途に合う英語名称を選び、必要に応じて内容の説明を添えることが、国際的なビジネス手続きでは大切です。
履歴事項全部証明書の英語表記

それではまず履歴事項全部証明書の英語表記について解説していきます。
基本となる英語名称
履歴事項全部証明書の英語表記としては、Certificate of All Historical Matters がよく用いられます。
カタカナで読む場合は、サーティフィケート オブ オール ヒストリカル マターズとなります。
Certificate は証明書、All は全部、Historical は履歴上の、Matters は事項という意味を持つ単語です。
ただし、これは日本の登記書類名を英語に置き換えた表現であり、英語圏に同じ制度があることを意味するわけではありません。
海外の提出先に初めて送る際には、Certificate of All Historical Matters of the Company のように、会社に関する証明書であることを補足すると理解されやすくなります。
履歴事項全部証明書は、英語圏で完全に統一された正式名称がある書類ではありません。
Certificate of All Historical Matters を基本にしつつ、提出先が求める呼称を確認することが重要です。
Company Registry Extract との使い分け
実務では Company Registry Extract や Corporate Registry Extract という表現も使われます。
Extract は抄本や抜粋を意味し、登記簿から取り出した証明情報というニュアンスを持ちます。
特に海外の金融機関や取引先では、書類名よりも会社登記情報を示す資料であることが伝わる表現が歓迎される場合があります。
そのため、書類の見出しとして Certificate of All Historical Matters を使い、説明文では Company Registry Extract とする方法も実用的です。
| 英語表記 | 意味合い | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Certificate of All Historical Matters | 履歴事項全部証明書の名称に近い表現 | 翻訳書類や社内資料 |
| Company Registry Extract | 会社登記簿の抜粋資料 | 海外企業への説明 |
| Corporate Registration Certificate | 法人登録を示す証明書 | 一般的な提出書類 |
| Certificate of Company Registration | 会社登録証明書 | 英語圏の相手との連絡 |
登記簿謄本との違い
履歴事項全部証明書は、登記簿謄本と呼ばれることもあります。
現在では法務局が発行する書類の正式な呼び方として、履歴事項全部証明書が使われるのが一般的です。
英訳時に Corporate Registry Transcript と表すこともできますが、Transcript は記録の写しという意味が強くなります。
会社の現況だけではなく、過去から現在までの登記事項を含む点を伝えたい場合は、Historical Matters という語句が役立ちます。
提出先が現在事項証明書を求めているのか、履歴事項全部証明書を求めているのかは、あらかじめ確認しておきましょう。
英語の読み方と関連スペル
続いては英語の読み方と関連スペルを確認していきます。
主要単語のカタカナ読み
Certificate はサーティフィケートと読みます。
会話では、証明書を指してサーティフィケイトに近く聞こえることもあります。
Historical はヒストリカル、Matters はマターズ、Registry はレジストリー、Extract はエクストラクトです。
発音に自信がない場合でも、書面上で正確なスペルを示せば、ビジネス手続きで問題になることは多くありません。
Certificate of All Historical Matters
サーティフィケート オブ オール ヒストリカル マターズ
会社の履歴事項全部証明書という意味合いです。
名詞と形容詞と動詞の表現
certificate は名詞で、証明書や証明書類を指します。
certify は動詞で、証明する、認証するという意味です。
certified は形容詞として使われ、認証済みの、公的に証明されたという意味になります。
registration は登録という名詞であり、register は登録するという動詞です。
registered は登録されたという形容詞として、registered company や registered address のように使えます。
| 品詞 | スペル | 主な意味 |
|---|---|---|
| 名詞 | certificate | 証明書 |
| 動詞 | certify | 証明する |
| 形容詞 | certified | 証明済みの |
| 名詞 | registration | 登録 |
| 動詞 | register | 登録する |
| 形容詞 | registered | 登録された |
略称と短縮表現
履歴事項全部証明書には、英語圏で広く通じる定番の略称はありません。
Certificate of All Historical Matters の頭文字を取って CAHM とする方法は考えられますが、一般的な略称ではないため、初回の対外文書では避けたほうが無難でしょう。
社内のメールや資料内で繰り返し登場する場合には、最初に正式名称を示したうえで、以後は the certificate や company registry extract と短く記載できます。
略称だけで書くと、相手が別の法人書類と誤解するおそれがあります。
スラングに相当する表現もないため、くだけた略し方より、平易で説明的な語句を選ぶのが適切です。
ビジネスでの使い方
続いてはビジネスでの使い方を確認していきます。
海外取引先への提出
海外取引先が取引開始前に会社確認を行う際、履歴事項全部証明書の提出を依頼されることがあります。
この場合は、英文メールに加えて日本語の原本、英訳文、必要であれば翻訳証明を添付します。
相手が求めているのは会社名、所在地、代表者、設立日、資本金、事業目的などの情報である場合が多いでしょう。
書類名だけを訳すよりも、どの情報を証明する書類なのかを本文で補足すると親切です。
Please find attached the Certificate of All Historical Matters for our company.
弊社の履歴事項全部証明書を添付いたします。
The document confirms our company registration details in Japan.
本書類は、日本における弊社の会社登記情報を証明するものです。
銀行と決済サービスでの利用
海外送金、法人アカウントの開設、決済サービスの本人確認では、Company Registration Certificate の提出を求められることがあります。
この表現だけでは、履歴事項全部証明書と現在事項全部証明書のどちらを指すか明確ではないこともあります。
そのため、提出前に document requirements を確認し、発行日や必要な記載事項も照合してください。
多くの審査では発行から三か月以内または六か月以内の書類が求められますが、期限は提出先ごとに異なります。
翻訳文の署名や翻訳会社の証明が必要になるケースもあるため、案内文を読み落とさないことが大切です。
契約書と会社紹介資料での利用
英文契約書では、登記情報を確認する書類として corporate registration documents という総称が使われることがあります。
履歴事項全部証明書を指すときは、the Certificate of All Historical Matters issued by the Legal Affairs Bureau と記載すると具体性が高まります。
Legal Affairs Bureau は法務局を表す一般的な英語表現です。
会社案内や監査資料では、Corporate Registry Extract と説明的に書くと、海外の読者に役割が伝わりやすくなります。
英文契約書に書類名を記載する際は、相手方が理解できる一般表現と、日本の公的書類としての名称を組み合わせる方法が有効です。
例として、Certificate of All Historical Matters, a company registry extract issued in Japan と表せます。
英文メールの例文
続いては英文メールの例文を確認していきます。
書類送付を伝える例文
履歴事項全部証明書を送る際は、添付書類の名称と目的を簡潔に伝えます。
相手に追加確認の負担をかけないよう、書類の発行機関や翻訳の有無も必要に応じて書き添えましょう。
Dear Mr. Smith,
Please find attached our Certificate of All Historical Matters, issued by the Legal Affairs Bureau of Japan.
An English translation is also attached for your reference.
Best regards,
日本語では、法務局発行の履歴事項全部証明書を添付いたします。
ご参照用として英訳文も添付しております、という意味になります。
提出可否を確認する例文
先方の案内が Company Registration Certificate だけとなっているときは、履歴事項全部証明書で足りるかを確認できます。
確認メールでは、過度に長い説明を避け、書類の性質を一文で補足するのがよいでしょう。
Would a Certificate of All Historical Matters from Japan be acceptable as proof of our company registration?
日本の履歴事項全部証明書は、弊社の会社登録を証明する書類として受理いただけますでしょうか。
acceptable は受け入れ可能な、proof は証明、company registration は会社登録を意味します。
受理可能かどうかを先に確認しておけば、不要な再提出を減らせます。
翻訳書類を説明する例文
日本語原本と英訳文を一緒に提出する場合には、翻訳の位置付けを明確にします。
翻訳会社による認証がない社内翻訳であれば、その点も正直に伝えることが必要です。
The original document is in Japanese, and the attached English translation is provided for reference only.
原本は日本語であり、添付の英訳は参照用として提供するものです、という内容です。
Certified translation が必要な場合には、認定翻訳や翻訳証明の手配を検討してください。
言い換えと提出時の注意点
続いては言い換えと提出時の注意点を確認していきます。
用途別の言い換え
履歴事項全部証明書の英訳は、一つの表現だけに固定する必要はありません。
ただし、相手の要求内容に合わせて意味がずれないよう注意しましょう。
| 日本語で伝えたい内容 | 英語の候補 | 注意点 |
|---|---|---|
| 履歴事項全部証明書 | Certificate of All Historical Matters | 名称に忠実な表現 |
| 会社登記情報の証明書 | Company Registration Certificate | 一般的だが範囲は広い表現 |
| 会社登記簿の抜粋 | Company Registry Extract | 海外向けの説明に便利 |
| 法人登記書類 | Corporate Registration Document | 複数書類を含む総称 |
| 法務局発行の会社証明書 | Certificate issued by the Legal Affairs Bureau | 発行元を強調したい場合 |
最も安全なのは、名称の英訳と説明的な言い換えを併記する書き方です。
たとえば Certificate of All Historical Matters, a company registry extract issued by the Legal Affairs Bureau of Japan と書けば、書類名と役割の両方が伝わります。
公証とアポスティーユの確認
海外の行政機関、教育機関、銀行などに提出する場合、単なる英訳だけでは足りないことがあります。
提出先の国や手続きにより、公証、外務省の認証、アポスティーユが必要になる場合もあります。
アポスティーユは、外国で公文書を使用するための認証方式の一つです。
履歴事項全部証明書の原本をどのように使用するかによって手続きが変わるため、相手方の案内と在外公館などの公式情報を確認することが望ましいでしょう。
期限と記載内容の確認
履歴事項全部証明書には、会社の過去の変更履歴が記載されます。
そのため、旧所在地、前代表者、資本金変更などを海外の相手が見て質問する可能性もあります。
提出前には、現在の会社情報との違いがないか、英訳の固有名詞に誤りがないかを確認してください。
会社名や住所のローマ字表記は、銀行口座、契約書、請求書などの表記とそろえるのが基本です。
法人番号は英語では Corporate Number または Japanese Corporate Number と補足すると、制度を知らない相手にも伝わりやすくなります。
履歴事項全部証明書の英語表記のまとめ
履歴事項全部証明書は、Certificate of All Historical Matters と表記する方法が基本です。
海外の相手に役割を明確に伝えたい場合は、Company Registry Extract や Company Registration Certificate といった説明的な言い換えを併記するとよいでしょう。
書類名の正確さだけでなく、提出先が必要とする情報と認証形式に合わせることが重要です。
英文メールでは、法務局発行の会社登記情報を証明する書類であること、英訳が参照用か認証済みかを簡潔に説明します。
略称やスラングは一般的ではないため、正式名称または平易な説明を用いるのが安心です。
提出先の指定、発行期限、翻訳証明、公証やアポスティーユの要否まで確認し、信頼される書類提出につなげてください。